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「光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識」展 根津美術館
表参道
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南青山の根津美術館では特別展、「光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識」が
開かれています。
会期は5月13日(日)までです。
会期中、4月27日までの前期と4月28日からの後期で一部、展示替えがあります。

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毎年この季節に展示される、尾形光琳の「燕子花図屏風」に合わせて、
光琳と弟の乾山の作品を集めて展示しています。


第1章 光琳の絵画

「燕子花図屏風」 六曲一双 尾形光琳 江戸時代・18世紀 根津美術館 国宝
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(右隻)
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(左隻)
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尾形光琳の代表作であり、五月を告げる屏風です。

「秋草図屏風」  二曲一双 伝尾形光琳 
江戸時代・18世紀 サントリー美術館 重要美術品

琳派013

左隻(部分)
琳派014

下地に金箔地を使わず、菊の葉は淡い墨で描き、水墨画に似た雰囲気を
持っています。

「太公望図屏風」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 京都国立博物館 重要文化財
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太公望とは周の文王(BC1152-1056)に仕えた軍師、呂尚のことです。
川辺で釣りをしていたところを文王に見出されたことから、釣りをする人を
太公望と呼ぶようになりました。
大胆な曲線の組合せの中に、川面を眺めながら物思いにふける太公望が
置かれた、面白い画面です。

「白楽天図屏風」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 根津美術館
光007

謡曲、「白楽天」を描いた作品です。
唐の詩人、白楽天が日本に渡ろうとしたところ、海上で老いた漁師
(実は和歌の神、住吉明神の化身)に出会い、和歌の力を知らされ、
神風によって吹き戻されたというお話です。
白楽天を乗せた船の描き方の奇抜さが眼を惹きます。

「鵜舟図」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 
静嘉堂文庫美術館 重要美術品

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さらりとした筆遣いで鵜飼を描いていて、川波が重なり、
舟や鵜が対角線を成しています。

  大井川 鵜舟の篝ほの見えて くだすや波のよるぞ知らるる  亀山院

「銹絵寒山拾得図角皿」 尾形乾山作・尾形光琳画 
 江戸時代・18世紀 京都国立博物館 重要文化財

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弟の陶芸家、乾山との合作です。
琳派の画家として知られる光琳ですが、文人画の趣きのある絵も描いています。

「銹絵梅図角皿」 尾形乾山作・尾形光琳画 江戸時代 18世紀 根津美術館
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乾山との合作で、光琳の紅白梅図屏風に似た、独特の枝振りの梅が描かれています。


第2章 乾山のやきもの

「色絵竜田川文向付」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 MIHO MUSEUM
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紅葉の形の向付を色絵の紅葉で埋め、さまざまな形の波を描いていて、
葉脈の金線が鮮やかです。

「色絵定家詠十二ヶ月和歌花鳥図角皿のうち一月」 尾形乾山 元禄15年(1702) MOA美術館
乾山003

12枚組になっていて、陶器で正方形の画面を作り、色紙のようにして
絵を描いています。
裏に乾山の書で、藤原定家の歌が書いてあります。
絵は狩野探幽の絵を忠実に写したものだそうです。
この皿は正月で、柳にウグイスです。

「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 出光美術館 重要文化財
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蒔絵硯箱などの木器を元にしたと思われ、素地の上に金銀や白、染付を使って
松を描いています。
内側は白化粧に金彩と染付で波を描き、砂浜の松林を表す意匠になっています。
銀彩を使うのは乾山では珍しいそうです。

「銹絵染付金彩絵替土器皿」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 根津美術館 重要文化財
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5枚組になっていて、薄、帆掛け舟、梅花、水流、八重むぐらが描かれています。


第3章 乾山の書画

「兼好法師図」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 梅澤記念館
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藁屋根の下、灯火を前にした兼好法師がちょっと稚拙な筆遣いで描かれています。
尾形乾山は兼好が庵を結んでいた双ヶ岡に住んだことがあります。
和歌は、隠棲したつもりの場所が依然、憂き世だったという意味で、
晩年に江戸に移り住んだ乾山の心境も表しているかもしれないそうです。

「八橋図」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 文化庁 重要文化財
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4月27日までの展示です。
伊勢物語の第9話、三河の国の水辺の八橋に咲くカキツバタを歌に詠み込んだ
お話を描いています。
絵巻物の一部のようで、軽い筆さばきに味わいがあります。
尾形光琳の「燕子花図屏風」もこの話に拠っています。

 唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ

「武蔵野隅田川図乱箱」 尾形乾山 江戸時代 寛保3年(1743) 大和文華館 重要文化財
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木製の箱で、外側に薄、内側に川波、蛇篭、水鳥が描かれています。 
同じ伊勢物語の第9話の、隅田川で遠く離れた都を懐かしむ場面を想像させます。
波は琳派風の面白い形をしています。

 名にし負はばいざこと問わん都鳥わが思ふ人はありやなしやと

展示室6のテーマは「初風炉の茶」です。
立夏を過ぎて初めて風炉を用いることを初風炉(しょぶろ)といいます。

「祥瑞水玉文茶碗」 景徳鎮窯 明時代 17世紀 根津美術館
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祥瑞(しょんずい)とは日本の茶人の注文により景徳鎮で焼かれた
染付磁器のことです。
小振りの茶碗で、鮮やかな青色の中に浮かんだ白い水玉が際立ち、涼しげです。

展覧会のHPです。


私の行った時は、庭の新緑が鮮やかでしたが、池の燕子花は一輪だけ咲いていました。
今は見頃のようです。
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藤棚の藤は満開でした。
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次回の展覧会は企画展、「はじめての古美術鑑賞―漆の装飾と技法―」です。
会期は5月24日(木)から7月8日(日)です。

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【2018/04/26 19:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」展 虎ノ門 菊池寛実記念智美術館
神谷町
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虎ノ門の菊池寛実記念智美術館では「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と
田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」展が開かれています。
会期は7月16日(月・祝)までで、会期中、全作品が展示替えされます。

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4月21日にアートブログイベントが開かれたので、参加してきました。
写真は許可を得て、撮影しています。

地下の展示室に向かう螺旋階段に置かれた、四代田辺竹雲斎による高さ7mの
竹のインスタレーションです。

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支えなどは無く、自立しています。
竜巻のような、龍がうねりながら昇るような造形で、迫力いっぱいです。
学芸員の方の解説によれば、高知県産の虎竹を使っていて、3人のお弟子さんと
一緒に9日間かけて組上げてあるそうです。
この展覧会が終わった後は解体され、材料の竹ひごは再利用されるとのことです。

日用品の竹細工が発展して、作家による芸術としての竹工芸となったのは
大正、昭和期とのことです。
展覧会では東京を拠点にした飯塚琅玕齋(1890‐1958)と、大阪・堺を拠点にした
初代田辺竹雲斎(1877‐1937)、その後継者たちの作品約120点が展示されています。

S字型の展示台は初代田辺竹雲斎、奥の列は二代田辺竹雲斎の作品です。
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右 初代田辺竹雲斎 「唐物写二重編花籃 温公」 1918~1930年
左 初代田辺竹雲斎 「唐物写四神花籃」 1901~1930年
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江戸から明治にかけて、中国の文人趣味である煎茶が流行し、それに伴って
唐物が珍重されたので、唐物写の竹工芸も盛んになります。
右は内と外、二重に編み上げた精緻な細工がなされています。
温公とは北宋の政治家、司馬光のことです。
左は四面に南画家の近藤翠石が四方位の神獣、青龍・朱雀・白虎・玄武を
描いています。

右 初代田辺竹雲斎 「天然竹手烏府」 1901~1937年
左 初代田辺竹雲斎 「天然竹上手附花籃 雲龍」 1928年
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右は煎茶席で使う炭の容れ物で、炭をカラスにたとえ、府は集まる所という
意味があります。
左は荒編みと呼ばれる編み方で、勢いよく編み上げていて、縄文時代の
細工のような趣きがあります。

二代田辺竹雲斎(1910‐2000)の作品
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二代田辺竹雲斎は初代竹雲斎の長男で、造形は繊細です。

右 三代田辺竹雲斎 「条文」 1974~1991年
左 三代田辺竹雲斎 「未来への歓喜」 2009年
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三代田辺竹雲斎(1940‐2014)は二代竹雲斎の長男で、竹を割らずにそのまま
利用して、円や直線を表現しています。

手前 四代田辺竹雲斎 「創造都市」 2016年
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向こうが透けて見え、超高層ビルの構造をコンピュータグラフィックで見ているようです。

四代田辺竹雲斎(1973‐)は三代竹雲斎の次男で、近年は荒編みの竹による
インスタレーションを手掛けています。


二代飯塚鳳斎(1872‐1934)は初代飯塚鳳斎の長男で、栃木市に生まれ、
父と共に工房を東京に移しています。

右 二代飯塚鳳斎 「花籃」 大正初期~中期
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銅板で作ったような輝きのある、重厚な作品です。

手前 飯塚琅玕齋 「盛花籃 蓬莱」 1950年頃
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1本の竹を曲げてつくった、力強い作品です。

手前 飯塚琅玕齋 「盛籃 国香」 1939年
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割った竹を12本束ねたものを編んでいて、花のように華やかです。

飯塚琅玕齋(1890‐1958)は初代飯塚鳳斎の七男で、二十歳代半ばで独立して、
芸術性ある作品の制作を追及しています。

飯塚琅玕齋の作品
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竹工芸は日本よりも海外で評価が高く、作品も海外に流れて行く一方で、
制作者は減少を続けており、やがては田辺竹雲斎の系統の工房しか
残らない可能性もあるそうです。
日本の伝統工芸のかかえる問題はここでも現れていることを知りました。

東京で竹工芸に特化した展覧会の開かれるのは33年振りとのことで、
さまざまな技法を凝らし、変化に富んだ作品を鑑賞できる貴重な機会です。

鑑賞の後、併設のレストラン「ヴォワ・ラクテ」で、お庭を眺めながらお茶をいただきました。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は「陶と模様のものがたり―菊池コレクション(仮称)」です。
会期は7月28日(土)から11月4日(日)までです。



【2018/04/24 19:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
カフェ「鷰(en)」 蔵前
蔵前
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カフェ「鷰(en)」は都営地下鉄浅草線蔵前駅A2出口を出てすぐの所にあります。
場所は台東区蔵前2-6-2です。

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今年の4月6日にオープンしたばかりのお店で、建物は4階建て、1階はイートイン、
2階はカフェになっています。
3・4階のショップなどは5月にオープン予定とのことです。

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2階へは外階段を上がります。

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2階のカフェは30席ほどの椅子席の他に小上がりもあり、注文は席で受けます。

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いろいろな食品も販売されています。

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ショコラ540円とドリップコーヒー350円です。

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ショコラはなめらかで、甘さもほど良く、コーヒーはしっかりした酸味系です。

蔵前は観光スポットとして人気が高まっていて、窓から見下ろした大通りには、
外国の人たちが多く行き来していました。

近くの厩橋あたりを散歩しました。

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つつじが満開でしたが、隅田川といえば

 春のうららの隅田川
 のぼりくだりの船人が
 櫂のしずくも花と散る
 ながめを何にたとうべき


【2018/04/22 18:54】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『木島櫻谷 Part II 木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し』展 泉屋博古館分館
六本木1丁目
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六本木の泉屋博古館分館では生誕140年記念特別展、『木島櫻谷 Part II
木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し』が開かれています。
会期は5月6日(日)までです。、

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4月8日まで開かれていた「木島櫻谷展」のPart IIで、住友吉左衞門友純(春翠)の
依頼で制作した、大阪茶臼山本邸の大広間に飾る「四季連作屏風」がすべて
展示されています。
動物画を得意とする木島櫻谷ですが、装飾的な作品も多く手掛けています。

また、同時代の花鳥画の画家による屏風絵も展示されています。

「柳桜図」 六曲一双 大正6年(1917)
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輝く金地の左隻には覆い被さるような桜、右隻には湧き上がるような柳を配しています。
花弁も厚塗りです。
琳派風の装飾的な画面に、近代的な写実も加わり、とても明るい空間となっています。

「燕子花図」 六曲一双 大正6年(1917)
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尾形光琳の「燕子花図屏風」に倣っていますが、花は山型に連なり、花弁は写実的に
描かれています。

尾形光琳の国宝、「燕子花図屏風」は青山の根津美術館で4月14日から5月13日まで
展示されています。

「菊花図」 六曲一双 大正6年(1917)
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菊の花は正面から描かれ、葉は濃淡の2色に分けられています。
花弁は厚塗りで、筆の跡が長く引かれ、本物の花弁を貼り付けたように見えます。
白菊に混じった赤菊がアクセントになっています。

これらの屏風の注文された大正時代は琳派の流行期ということで、作品にも琳派の
装飾性が表れていますが、画面はすっきりとして、清雅とも言える雰囲気です。
動物画の木島櫻谷とは別の魅力を楽しむことが出来ました。

他に高島北海、富田范渓、望月玉渓、山口玲熙の屏風絵も展示されています。

同じ泉屋博古館分館で4月8日まで開かれていた、「木島櫻谷 Part I
近代動物画の冒険」の記事
です。

2014年に泉屋博古館分館で開かれた、「木島櫻谷展」の記事です。

展覧会のHPです。

分館横の緑も濃くなりました。

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次回の展覧会は「うるしの彩り」展です。
会期は6月2日(土)から7月16日(月)までです。

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【2018/04/21 18:55】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「西武特別食堂ホテルオークラ」 西武池袋本店
池袋
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「西武特別食堂ホテルオークラ」は西武池袋本店8階のレストラン街にあります。

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ホテルオークラの運営するお店で、店内は約80席、全席禁煙、
席の間も広く、落着いた雰囲気です。
壁は大谷石風です。

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デパートの食堂ということで、和洋中華が揃い、どれも美味しいです。

鶏そば1490円です。

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鶏は量があり、スープはすっきりしています。

セットのコーヒー410円はコクのある味です。

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三越や髙島屋の特別食堂と同じく、サービスもしっかりしていて、昔ながらの
デパートの食堂の気分を味わえるお店です。


【2018/04/20 19:38】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

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