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「VOCA展2017 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」 上野の森美術館
上野
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上野の森美術館では、「VOCA展2017 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」が
開かれています。
会期は3月30日(木)までです。

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VOCA展は全国の学芸員、ジャーナリスト、研究者などに、40歳以下の
若手作家を推薦してもらい、その作家が平面作品の新作を出品する
というもので、今年で24回目になります。
VOCAとは、"THE VISION OF CONTEMPORARY ART"のことです。
今回は35名の作家の作品が展示されています。

VOCA賞1名、VOCA奨励賞2名、佳作賞2名、大原美術館賞1名の受賞です。


VOCA賞 幸田千依 「二つの眼を主語にして」 アクリル、油彩、カンヴァス
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夕日に染まった黄昏れの景色ですが、違う視点を組合わせて、
画面をつくっています。


VOCA奨励賞 鈴木基真 「Ghost #4」 ライトボックス
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西部劇に出てくるような家のドアの窓にはランプが点いていて、
本当にそこに部屋があるようです。


佳作賞・大原美術館賞 青木恵美子 
上 「見知らぬ果ての」 アクリル、油彩、パステル、カンヴァス
下 「PRESENCE No40」  アクリル、アクリル板、パネル

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下の作品は画面に何も描かれておらず、絵画の不在を描いていることになります。

青木さんの作品は損保ジャパン日本興亜美術館展で開かれている「FACE展 2017」でも
グランプリを受賞しています。

「FACE展 2017  損保ジャパン日本興亜美術賞展」の記事です。

「VOCA展2016」の記事です。

展覧会のHPです。

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【2017/03/26 20:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ミュシャ展」 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では「ミュシャ展」が開かれています。
会期は6月5日(月)までで、火曜日は休館日です。

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アルフォンス・ミュシャ(チェコ語発音ムハ1860-1939)は現在のチェコのモラヴィア地方の
生まれで、パリに出て働いている時、1895年に女優サラ・ベルナールの舞台、「ジスモンダ」の
ポスターを手掛けて、大評判になり、アール・ヌーヴォーのグラフィック・デザイナーとしての
活躍が始まります。

「ジスモンダ」 リトグラフ/紙 1895年 堺市蔵
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棕櫚の葉を手にして、凛とした姿でイエスを迎えるジスモンダです。

「メディア」 リトグラフ/紙 1898年 堺市蔵
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ギリシャ悲劇の「メディア」に基いた戯曲で、夫への怒りに燃えた王女メディアが
二人の息子を殺害した場面です。
サラ・ベルナール扮するメディアが目を見開いてこちらを見詰めています。
ギリシャ悲劇のこの場面はドラクロワも描いています。

「四つの花」左から「カーネーション」、「ユリ」、「バラ」、「アイリス」
 リトグラフ/紙 1897年 堺市蔵

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装飾性にあふれた、アール・ヌーヴォーの作品です。

「第6回ソコル祭」 リトグラフ/紙 1912年 堺市蔵 
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フランスで成功したミュシャは1910年に50歳でチェコに戻ります。
ミュシャはスラヴ民族主義に目覚めていて、チェコの愛国心を喚起する作品を多く制作しています。
1918年の第一次世界大戦終結時のチェコスロバキアのオーストリア=ハンガリー帝国からの
独立以降は紙幣や切手などのデザインも手掛けています。
ソコルは1862年に創設されたチェコの民族的運動協会で、現在も定期的に祭典が開かれています。


そしてアメリカ人のチャールズ・R・クレインの援助を受けることが決まり、1911年から
「スラヴ叙事詩」の制作に取り掛かります。
「スラヴ叙事詩」は最大縦6m、横8mの大画面にスラヴ民族の歴史を約16年掛けて
描いた20点の連作です。
ムシャはチェコの作曲家スメタナの交響詩、「わが祖国」を聴いて作品の構想を
得たということです。

展覧会ではプラハ市立美術館の所蔵する20点すべてが展示されています。


「スラヴ式典礼の導入」 1912年テンペラ、油彩/カンヴァス 610×810cm
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9世紀にモラヴィア王の要請により東ローマ帝国から派遣された宣教師の
キュリロスとメトディオスの兄弟は聖書のスラヴ語への翻訳を行なっています。
そして、ローマ教皇からはスラブ語による典礼の許可も得ています。

「東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドゥシャン」
 1923年 テンペラ、油彩/カンヴァス 405×480cm

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ステファン・ウロシュ4世ドゥシャン(1308~1355)はセルビア帝国の全盛期を築いた皇帝で、
自らを東ローマ皇帝と宣言しています。


この一室の展示は撮影可能です。

「イヴァンチツェの兄弟団学校」 1914年 テンペラ、油彩/カンヴァス 610×810cm
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フス派の一部がモラヴィア兄弟団を結成し、ミュシャの故郷イヴァンチツェで
最初のチェコ語聖書を翻訳・出版しています。
盲目の老人に聖書を読み聞かせているのはミュシャの若い自画像とのことです。

「スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い」 
1926年 テンペラ、油彩/カンヴァス 390×590cm
 
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未完成作で、一部に描き残しがあります。
オムラジナ会は1870年代に設立されたチェコの愛国的な青年運動とのことです。
菩提樹に座るのは女神スラヴィアで、左下のハープを奏でる女性は娘のヤロスラヴァ、
右下の裸体の青年は息子のイジーをモデルにしています。

「ロシアの農奴制廃止」 1914年 テンペラ、油彩/カンヴァス 610×810cm
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1861年のロシア皇帝アレクサンドル2世が農奴解放宣言を出した時のモスクワの赤の広場です。
シリーズの中で唯一、ロシアを題材にしていて、スポンサーであるチャールズ・R・クレインの
希望によるものです。
聖ワシリイ大聖堂を背景に、赤の広場に集まる群衆を描いていて、他の作品のような
象徴的な要素は無く、写実に徹していて、レーピンの作品を観るようです。
実際、農奴解放宣言は実質的に農民の生活を改善するものではなく、かえって困窮する
農民も多かったそうで、作品にも祝祭的な雰囲気はありません。

「聖アトス山」 1926年 テンペラ、油彩/カンヴァス 405×480cm
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アトス山はギリシャのアトス半島にある山で、多くのギリシャ正教の修道院があり、
ギリシャ正教の聖地となっています。
画面上には4つのスラヴ系の修道院の模型を持つ天使たち、下にはロシアからの
巡礼者たちが描かれています。
アトス山の修道院のことは村上春樹の紀行文、「雨天炎天」にも書かれています。

「スラヴ民族の賛歌」 1926年 テンペラ、油彩/カンヴァス 480×405cm
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「スラヴ叙事詩」の最後の作品です。
右下の青は神話時代、左上の赤はフス戦争とスラヴ民族の拡大、その下の黒は抑圧の時代、
中央の黄色は1918年に独立を果たしたチェコスロバキアの自由・平和・友愛の勝利、
大きく描かれた青年は第一次世界大戦後に独立した民族国家を表しているそうです。

どの作品もその巨大さと構成の巧みさ、精緻な描写には圧倒されます。
特徴的なのは、主人公である王やヤン・フスなどの宗教指導者も画面では小さく描かれ
、英雄の業績を顕彰している風ではありません。
代わりに大きく描かれているのは無名の人びとで、ムシャは近在の人たちにポーズを
取ってもらい、それを撮影して、作品に描き入れています。
また、戦闘場面も戦勝記念的な描写も無く、あるのは戦いの悲惨さを暗示する表現です。

これだけの大作を完成させながら、全作品が展示された頃にはチェコスロバキアの独立は
すでに達成され、民族主義の昂揚感は薄れており、ムシャの作品は時代遅れと見做す人も
多かったそうです。
さらに、ナチスドイツに併合された時にはその民族主義を疑われて厳しい尋問を受け、
第2次世界大戦開戦直前に亡くなっています。
大戦後にチェコが共産化されると、やはり民族主義は忌避されて、展示されることは
無かったということです。

ムシャはスラヴ民族という概念を基に、外部からの弾圧とそれに対する抵抗を
「スラヴ叙事詩」として描いています。
確かに、スラヴ民族はゲルマン民族、ローマカトリック、トルコといった外部勢力による
攻撃や支配を受けています。
しかし、現在のチェコもポーランドもロシアとは距離を置いていて、スラヴとしての
一体性がある訳ではありません。
民族というものの捉え方の難しさを感じさせます。


2013年に森アーツセンターギャラリーで開かれた、「ミュシャ展 パリの夢 モラヴィアの祈り」の
記事
です。

展覧会のHPです。


【2017/03/25 19:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「博物館でお花見を」 2017/3
上野
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上野の東京国立博物館恒例の「博物館でお花見を」に行ってきました。
会期は4月9日(日)までです。
5月7日(日)までは春の庭園開放もされていて、さまざまな種類の桜を楽しめます。

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「花下遊楽図屏風(左隻 部分)」 狩野長信筆 江戸時代・17世紀 国宝
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4月9日(日)までの展示です。
ほぼ毎年春になると会うことのできる屏風です。

「小袖 紅綸子地八重桜土筆蒲公英燕模様」 江戸時代・19 世紀
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4月16日(日)までの展示です。
刺繍で、上からツバメ、八重桜、ツクシ、タンポポをあしらっています。

「色絵桜楓文木瓜形鉢」 仁阿弥道八作 江戸時代・19世紀
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4月16日(日)までの展示です。
春の桜と秋の楓が同じ鉢の中に入っています。

「不動明王立像」 平安時代・11世紀
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4月16日(日)までの展示です。
桜の木を彫って作ったお不動様で、真言宗の空海の伝えた様式と
天台宗の円珍の伝えた様式が混じっているそうです。

「流水に桜透鐔」 西垣勘平作 江戸時代・17世紀 
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4月23日(日) までの展示です。

  年をへて花の鏡となる水は散りかかるをや曇るというらむ 伊勢

  吹く風と谷の水としなかりせばみ山隠れの花を見ましや 紀貫之
 

特集展示として、奈良・金春家伝来の能面・能装束が展示されています。

「面 曲見(しゃくみ)」 金春家伝来 室町時代・15~16世紀 重要文化財
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「唐織 萌黄地雪持柳桐菊藤梅片身替模様」 金春家伝来 安土桃山時代・16世紀
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近代の美術の展示では、河鍋暁斎の大きな掛軸もありました。

「龍頭観音像」 河鍋暁斎筆 明治時代・19世紀
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現在、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開かれている、
「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展の記事です。


桜の作品をめぐるスタンプラリーもあって、5つのスタンプを全部押したら
オリジナル缶バッジがもらえるので、私ももらってきました。

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公式キャラクターのトーハクくん(本名:東博 あずまひろし)が団子を持っています。


2016年の「博物館でお花見を」の記事です。

「博物館でお花見を」のHPです。


【2017/03/23 20:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「FACE展 2017  損保ジャパン日本興亜美術賞展」
新宿
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新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、「FACE展 2017 
損保ジャパン日本興亜美術賞展」が開かれています。
会期は3月30日(木)までです。

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FACE展は損保ジャパン美術財団の公益財団法人への移行を期に創設された
公募コンクールで、会場には受賞作品9点を含む入選作品71点が展示されています。
会期中、観覧者投票による「オーディエンス賞」の選出も行われます。
会場は撮影可能です。

最初の部屋に受賞作品が展示されています。

青木恵美子 「INFINITY Red」2016年 アクリル・キャンバス グランプリ
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画面いっぱいの真っ赤な花弁は浮彫りのような厚塗りです。

大石奈穂 「うその融点」 2016年  油彩・綿布・パネル 優秀賞
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蚊帳の中で寝ている女性は溶けかかっています。

石橋暢之 「ジオラマの様な風景」  2016年 ボールペン画 優秀賞
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御茶ノ水の神田川と行き交うJR線と地下鉄の電車を細密に描き込んでいます。

杉田悠介 「山」 2016年 アクリル・パネル 優秀賞
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白い平面の上に点々と人物が置かれていて、雪山であることが分かります。

宮岡俊夫 「Landscape」 2016年 油彩・キャンバス 読売新聞社賞
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風景画ですが、キャンバスの右と上を白く塗りつぶして、絵のサイズを小さくしています。

井伊智美 「残心」 2016年 焼絵・ベニヤパネル
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板に器具を使って焦げ目を付ける、焼絵という技法を使っていて、
デューラーの版画を思わせます。

菊川天照 「虚像」 2016年 ペン、キャンバス
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趣きのある草色の点描を並べて、巨像に見せています。

倉田和夫 「BREAD・93」 2016年 アクリル・麻紙
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倉田さんは細密な描写でパンを描いていて、今回はパリパリのフランスパンです。

笹山勝雄 「秋」 2016年 油彩・キャンバス
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出品作家の中では珍しい写実で、おだやかな秋の風情を写しています。


2016年の 「FACE展 2016」の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「ランス美術館展」です。
会期は4月22日(土)から6月25日(日)までです。

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【2017/03/21 19:46】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「江戸と北京 18世紀の都市と暮らし」展ブロガー内覧会 江戸東京博物館
両国
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江戸東京博物館で開かれている、「江戸と北京 18世紀の都市と暮らし」展の
ブロガー内覧会があったので行ってきました。
会期は4月9日(日)までです。

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江戸が発展した18世紀は清朝の首都、北京が最も反映していた時期でもあるということで、
江戸と北京の暮らしを比較する展覧会です。

写真は博物館の特別の許可を得て、撮影しています。

この展覧会では清の「万寿盛典」、「乾隆八旬万寿慶典図巻」と江戸時代の
「熈代勝覧(きだいしょうらん)」の展示が注目されます。

「万寿盛典」 1717年(康熙56) 北京・首都博物館
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清の康熙帝60歳を祝う式典の120巻の記録で、その一部は148枚の図版になっていて、
つなぎ合わせると約50mの長さになります。
康熙帝が離宮から紫禁城に戻るまでの行列と沿道の賑わいを詳細に描き込んでいます。

「乾隆八旬万寿慶典図巻」(下巻) 1797年(嘉慶2) 北京・故宮博物院
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祖父の康熙帝に倣って、乾隆帝が80歳を祝った祝典の模様を描いていて、
離宮から紫禁城に戻る行列と沿道を色彩豊かに表しています。
上下2巻合わせて、130mの長大な作品で、沿道の舞台や見物人、
並んだ象も描かれています。

「熈代勝覧(日本橋盛絵巻)」 1805年(文化2)頃 ベルリン国立アジア美術館
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日本橋の賑わいを長さ約12mにわたって描いた絵巻で、現在はベルリンにあり、
今回11年ぶりの日本での公開です。

「熈代勝覧」の複製は東京メトロ三越前駅の地下コンコースにも常時展示されています。
地下コンコースは「熈代勝覧」に描かれた場所の真下に当たります。

「明黄色納紗彩雲金龍紋男単朝袍(雍正帝の礼服)」 北京・故宮博物院
「鉄嵌緑松石柄金桃皮鞘腰刀(乾隆帝所有の腰刀)」 北京・故宮博物院

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黄色は皇帝のみが使用する色で、刺繍されている龍も皇帝のみが使える5本爪です。

「四合院模型(二進式)」 北京・首都博物館
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中国の伝統的な、口の形の家屋で庭を囲んだ住宅です。
私は、台湾の空港近くの空から地上を見た時、このような四角な家を見つけて、
ここは中国だと思った記憶があります。

「割長屋・棟割長屋模型」 三浦宏/製作・所蔵
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こちらは日本の裏長屋で、屋根に布団が干してあります。

左「黒木猴(帽子屋の猿看板)」 清 北京・首都博物館
右「幌子(両替屋看板)」 清 北京・首都博物館

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猿が帽子を持っています。

上「鍾馗像」 清 北京・首都博物館
下「五毒肚兜(端午の節句用腹掛)」 清 北京・首都博物館

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鍾馗は唐の玄宗皇帝の夢に現れ、魔物を退治したと言われています。
虎の周りにサソリ、ヘビ、ムカデ、ガマ・ヤモリの五毒を刺繍した、子どもの腹掛けです。

上「鍾馗図」 鈴木守一 江戸末期・明治中期 江戸東京博物館
下「名所江戸百景 水道橋駿河台」 歌川広重 1857年(安政4) 江戸東京博物館

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端午の節句に鍾馗の絵を飾る習慣は中国から伝わっています。
駿河台には鯉のぼりも上がっています。

左「天神机」 1812年(文化9) 江戸東京博物館
右「近世職人絵尽」より寺子屋の様子 
 狩野晏川/画 鍬形蕙斎(北尾政美)/原画 1890年(明治23) 江戸東京博物館

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子どもたちは寺子屋に天神机と呼ばれる文机を持参して学んでいました。
寺子屋では子どもたちが習字の練習中ですが、いたずらが過ぎてお仕置きを
受けている子もいます。

「熈代勝覧」にも文机を担いだ父親に手を引かれて、初めて寺子屋に行く
子どもの姿があります。

参考 「熈代勝覧」複製
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「閙学童図(学習中に騒ぐ学童)」 清 北京・首都博物館
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先生が休んでいるすきに、子どもたちは好き勝手なことをしています。
先生の頭にサソリを置こうとする子までいます。

渡辺崋山が庶民の風俗を軽妙な筆遣いで描いた「一掃百態図」にも、寺子屋の先生と、
ふざける子どもたちが描かれていて、画家には恰好の題材だったようです。


国こそ違え、人々の生活は同じものということを実感させてくれる、面白い展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の特別展は、特別展「没後150年 坂本龍馬」です。
会期は4月29日(土・祝)から6月18日(日)までです。

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【2017/03/18 19:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

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