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「茶の湯」展 東京国立博物館
上野
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上野の東京国立博物館平成館では特別展、「茶の湯」が開かれています。
会期は6月4日(日)までです。
会期中、細かい展示替えがありますので、博物館のHPでご確認ください。

茶の湯0


第1章 足利将軍家の茶湯─唐物荘厳と唐物数寄

足利将軍家などに唐物として珍重された中国の美術品の展示です。

「曜変天目」(稲葉天目) 建窯 宋時代・12~13世紀 東京・静嘉堂文庫美術館 国宝
三002

5月7日までの展示です。
徳川家光から春日局に下され、子孫の稲葉家に伝えられたのでその名があります。
曜変天目は日本に数点あるだけの大変珍しい品で、特にこの稲葉天目は有名です。
小さな天目茶碗ですが、見込みの斑文は星のように輝き、観る角度によって
その色も微妙に変わり、小さな宇宙を観るような景色です。
もし手に持って観られたらさぞ素晴らしい眺めでしょう。

「油滴天目」 南宋時代・12~13世紀 建窯 大阪市立東洋陶磁美術館 国宝
東002

器の内も外も焼成中に現れた油の粒のような輝く斑文で覆われています。
光を当てられた油滴は口縁に施された金の覆輪と共に、落着いた色合いで
きらめいています。
油滴は器の奥に向かうほど小さく、観ていると吸い込まれるようです。
建窯は福建省にあった窯で、北宋から元時代にかけて天目茶碗を生産していました。
南宋時代は抹茶文化の流行によって、茶の色の映える黒釉の茶碗が盛んに
作られるようになったそうです。
豊臣秀次が所持し、西本願寺、北三井家、若狭酒井家と伝来しています。

「玳玻盞 鸞天目」 吉州窯 南宋時代・12~13世紀 三井記念美術館 重要文化財
室町三井010

玳皮盞(たいひさん)とは天目茶碗の一種で、外側にタイマイの甲羅(べっ甲)のような
模様の出ている物を言います。
この茶碗は見込に二羽の尾長鳥と蝶、底に梅花が描かれ、鸞天目(らんてんもく)
とも呼ばれています。
見込の細かい地模様の華やかな茶碗です。
小堀遠州の所持していた品で、堀田相模守、朽木家、赤星家、益田栄作、室町三井家
と続いています。

「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」 龍泉窯 南宋時代・12~13世紀 東京国立博物館 重要文化財
平005

平重盛の所持と伝えられる品ですが、制作の時代はもっと新しいようです。
足利義政の所有となったときにひび割れが生じたので、明に送って代わりの品を
求めたところ、今ではこのような品は作れないとのことで、鎹(かすがい)を打って
修理してきたとの言い伝えがあります。
その鎹を大きな蝗(いなご)に見立てた命銘です。
ごく薄手の茶碗で、澄み切った青色をしており、優美な逸品です。

茶席に掛ける軸物も展示されています。

「六祖破経図」 伝梁楷筆 南宋時代・13世紀 
デ009

4月23日までと5月9日からの展示です。

六祖図とは中国禅宗で達磨を初祖として六番目の慧能(えのう)(638-713)を描いた
図像をいいます。
この絵では慧能が経典を破り捨てています。
禅宗では書かれた経典に頼らないという、不立文字(ふりゅうもんじ)の教義があり、
それを表しています。
慧能は歯をむいて嬉々としてお経を破っていますが、慧能の伝記にはこのような話は
無いそうです。
梁楷は南宋の画家で、山水や人物を得意としており、日本で最も高く評価されている一人です。
足利義満の「道有」印があり、足利将軍家、豊臣秀吉、西本願寺、松平不昧、
新町三井家と伝来しています。

同じ梁楷筆の「六祖截竹図」(東京国立博物館蔵:重要文化財)とともに展示されています。

「観音猿鶴図」 牧谿筆 南宋時代・13世紀 京都・大徳寺 国宝
茶の湯3

茶の湯4

5月7日までの展示です。
牧谿は宋末から元初にかけての禅僧で、描いた絵は早くから日本で珍重され、
長谷川等伯などに強い影響を与えています。
大きな三幅対で、特に手長猿の絵は有名です。


第2章 侘茶の誕生─心にかなうもの

14世紀末になると、京都の町衆により唐物ばかりでなく、朝鮮の日常雑器などにも注目する、
侘茶の精神が生まれます。

「唐物肩衝茶入 銘 遅桜」 南宋時代・12~13世紀 三井記念美術館
室町三井009

4月25日からの展示です。
高さ9cm弱で、肩衝茶入の特徴のきりっとした端正な姿をしています。
肩衝とは肩の部分が水平に張っていることをいいます。

足利義政の所蔵で、同じく義政の所蔵の「初花」より遅れて日本に渡来し、
義政によって命名されています。
金華集に載っている藤原盛房の歌に依った銘です。

  夏山の青葉まじりのおそ桜初花よりもめずらしきかな

伝来は、義政、篠原宗久、藤堂高虎、蒲生忠郷、徳川将軍家、松平忠明、
徳川将軍家、松平徳松、徳川将軍家、徳川宗家、室町三井家と続き、
三井記念美術館にたどり着いています。

「唐物肩衝茶入 松屋肩衝」 南宋~元時代・13~14世紀 根津美術館 重要文化財
中007

胴の真中に2本の線が入り、下の方は釉の掛け残しがあります。
元は足利義政の所持とされ、奈良の塗師、松屋源三郎家に伝わったことから
この名があります。

4月23日までは德川記念財団所蔵の「初花」(南宋~元時代・13~14世紀:重要文化財)も
展示されています。

「大井戸茶碗 喜左衛門井戸」 朝鮮時代・16世紀 大徳寺孤篷庵 国宝
井002

4月28日からの展示です。
井戸茶碗として唯一、国宝に指定されています。
大井戸茶碗は井戸茶碗の中でも大振りのものを云います。
元は大坂の町人、竹田喜左衛門の所持で、後に本多忠義に渡ったので、
本多井戸とも呼ばれています。
松平不昧の所持となり、その死後に夫人により大徳寺孤篷庵に寄進されています。
高台の力強さが眼を惹きます。
孤篷庵は小堀遠州の建てた庵で、火災による焼失後、小堀遠州を崇敬する
松平不昧によって再建されています。

「青井戸茶碗 柴田井戸」 朝鮮時代・16世紀 根津美術館 重要文化財
井004

青井戸茶碗は釉が青色がかったものを云いますが、実際には青色に限らず、
色に変化があります。
織田信長から柴田勝家が拝領したとされることから、この名があります。
胴が真直ぐにすぼまり、強くろくろ目の出ている、くっきりした姿で、
上の方がやや青みがかっていて、全体に明るい印象の茶碗です。
賤ヶ岳の戦いに敗れた柴田勝家は北ノ庄城の天守閣に火を掛けて自害して
いますが、この茶碗はどのようにして伝わったのでしょうか。

「小井戸茶碗 銘 忘水」 朝鮮時代・16世紀 根津美術館
井005

小井戸茶碗は小振りの井戸茶碗のことを云います。
小堀遠州の所持していた茶碗で、忘水(わすれみず)とは野を人知れず細々と流れる
水のことです。
文字通り小さく、可愛い姿をしています。

井戸茶碗は、16世紀に朝鮮半島で生活雑器として焼かれた器が日本に渡来して、
茶人に愛好された高麗茶碗の一つです。
生活雑器を茶器に見立て、珍重するという日本人の美意識は不思議なものです。

「斗々屋茶碗 銘 かすみ」 朝鮮時代・16世紀 三井記念美術館
室町三井003

素朴ですが、すっきりした色と形をした茶碗です。
ととや茶碗は高麗茶碗の一種で、薄手でろくろ目が付き、薄く釉が
掛かっているのが特徴です。
「ととや」の意味は、境の豪商斗々屋が所持していたからとも、
千利休が魚屋で見付けたからとも言われています。


第3章 侘茶の大成―千利休とその時代

侘茶の大成者、千利休にゆかりの品を中心にした展示です。

「赤楽茶碗 銘 無一物」 長次郎 安土桃山時代・16世紀 兵庫・頴川美術館蔵 重要文化財
中002

5月7日までの展示です。
千利休が長次郎に作らせたとされる茶碗で、松平不昧が所持していました。
ふっくらとした素直な姿で、使い込まれた跡が肌の景色になっています。

「黒楽茶碗 銘 俊寛」 長次郎 安土桃山時代・16世紀 重要文化財
室町三井004

楽茶碗としては薄手に作られ、見込みには枯れた味わいがあります。
千利休が薩摩の門人の求めで送った三つの茶碗のうち、これだけが
送り返されなかったので、この名が付けられました。
平家によって俊寛ら三人が薩摩の鬼界ヶ島に流され時、他の者は赦免が
かなって帰ったのに俊寛だけ島に残された故事によるものです。

「黒楽茶碗 銘 ムキ栗」 長次郎 安土桃山時代・16世紀 文化庁 重要文化財
茶の湯1

四角い胴と丸い底の部分をつなぎ合わせた、面白い形に作られた茶碗です。

「志野茶碗 銘 卯花墻」 美濃 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 三井記念美術館 国宝
室町三井002

白い釉を垣根に咲く卯の花に見立てています。
切り立った形で、歪みを持たせ、へらの跡も付け、桃山風の豪快な姿を
しています。
ぷつぷつと気泡の浮いた肌も鮮やかで力強さがあります。
日本で焼かれた茶碗で国宝に指定されているのは、これと本阿弥光悦作の
「白楽茶碗 銘 不二山」の二つだけです。

卯花墻(うのはながきの)名は箱の裏蓋に貼られた色紙に書かれた、茶人大名の
片桐石州の歌に拠っています。

  山里の卯の花墻のなかつ道 雪踏み分けし心地こそすれ

「鼠志野茶碗 銘 山の端」 美濃 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 根津美術館 重要文化財
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化粧掛けを掻き落として文様を付け、白釉を掛けています。
 
  五月雨ははれんとやする山端にかかれる雲のうすくなりゆく

花園天皇(1297-1348)の歌にちなんだ銘です。
花園天皇は実感に基いた歌風を旨とする京極派の歌人で、
この歌にもその姿勢がうかがえます。


第4章 古典復興―小堀遠州と松平不昧の茶

「きれい寂び」の茶を生み出した小堀遠州と茶人大名、松平不昧にかかわる品を
中心にした展示です。

「古銅象耳花入 銘 キネナリ」 明時代・14~15世紀 東京・泉屋博古館分館
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首の上の部分に獣面文、下に斜格子花模様が入り、象の鼻の形の耳が付いています。
全体に漆が塗られ、色も形もすっきりした趣味の良い姿です。
古くから日本に伝わり、茶人に喜ばれています。
小堀遠州、松平不昧が所持し、住友家15代当主、住友春翠が入手しています。

「小井戸茶碗 銘 六地蔵」 朝鮮時代・16世紀 東京・泉屋博古館分館
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4月25日からの展示です。
井戸茶碗は朝鮮時代の日常雑器で、日本の茶人が茶器に見立てたものです。
小振りの井戸茶碗を小井戸と呼びます。
小堀遠州の愛蔵の品で、京都の六地蔵で見出したことからこの名が付いています。
元が日常品なのであっさりした姿をしていて、高台に釉の固まったカイラギが見えます。

「彫三島茶碗 銘 木村」 朝鮮 李朝時代・16~17世紀 東京国立博物館
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東京国立博物館の平常展での写真です。
朝鮮に注文して作られた茶碗で、三島手という、線や花模様を彫った象嵌の技法が使われています。
線に力強さがあり、素朴さと華やかさを一緒に備えています。
小堀遠州は三島茶碗を茶席に用いています。

「粉引茶碗 三好粉引」 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 東京・三井記念美術館
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粉引茶碗は高麗茶碗の一種で、生地に白化粧をした上に釉をかけていて、
粉を吹いたような肌をしています。
釉の掛け残しの火間(ひま)がくっきりと付いています。
戦国時代の武将、三好長慶(1522-1564)が所持していたので、この名があります。
粉引茶碗は作例が少なく、「三好粉引」「松平粉引」「津田粉引」が代表例とのことです。

「祥瑞蜜柑水指」 景徳鎮窯 明時代・17世紀 大阪・湯木美術館
茶の湯2

祥瑞(しょんずい)とは、日本の茶人の好みに応じて、景徳鎮で作られた
染付磁器のことです。
胴のふくらんだ形は蜜柑に似ていて、安定感があります。
山水の描かれた胴は向かい合う2か所がくぼめられています。


第5章 新たな創造―近代数寄者の眼

茶の道を追求した明治の実業家4人、藤田香雪、益田鈍翁、平瀬露香、原三溪の紹介です。

4月23日までは藤田香雪を紹介しています。

「交趾大亀香合」 中国・漳州窯 明時代・17世紀 大阪・藤田美術館
藤田005

4月23日までの展示です。
元奇兵隊士で関西の財界の大立者だった藤田傳三郎(香雪)は多くの美術品を収集し、
そのコレクションは現在、藤田美術館に収蔵されています。
交趾とは、中国の広東地方で焼かれ、ベトナム南部の交趾支那(コーチシナ)との
貿易船によって運ばれてきた陶器を言います。
背中の甲羅の色合いの面白い、可愛い香炉です。
藤田香雪が亡くなる10日前に入手しています。

会場には薮内流宗家、藪内家の茶室、燕庵の実物大模型も展示されています。
燕庵は元は古田織部の屋敷内にありました。

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多くの茶器などにより、唐物の時代から明治まで、茶の湯の歴史を見渡せる、
とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2017/04/22 19:17】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「平成28年度台東区長奨励賞」 上野中央通り地下歩道
上野・上野広小路
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台東区では東京藝術大学の優秀な卒業制作や大学院修了作品の制作者に対して、
「台東区長奨励賞」を授与しています。
受賞作品は上野中央通り地下歩道にある展示ブースに、受賞後の3月から
1年間展示されています。

以下は平成28年度台東区長奨励賞受賞作品です。

「Therianthrope」 漆畑勇気 樟 彫刻科
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Therianthropeは獣人という意味です。
半人半馬のケンタウロスに対して、こちらは半人半羊です。

「里親募集」 日吉智子 テラコッタ 彫刻科
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さまざまな毛色の雑種の猫たちが里親を待っています。
それぞれの性格まで名札に書かれています。

「kuu」 久保あずさ 和紙原料 デザイン科
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新潟県長岡市に滞在していたときに見たもの、感じたものを手漉き和紙で表現しています。
雪のような風合いです。

「芸大生が装備描きました。」 新居俊浩 鉛筆、紙、インク デザイン科
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色々な人にアンケートをして、その人に関係するものを装備した姿を描いています。

「ときのおと」 山田賀代 磁土、木 工芸科
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風化し、朽ちていく自然というものを磁土の形によって表しています。

乾漆蒔絵飾り壺「自律雅量」 田中舘亜美 
 漆、麻布、木、炭粉、銀、白蝶貝、顔料 工芸科

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乾漆で作った壺に螺鈿と蒔絵で装飾しています。

「平成27年度台東区長奨励賞」の記事です。


【2017/04/20 20:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「インターメディアテク(IMT)」 2017/4 東京
東京
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丸の内のJPタワーの2.3階にある、JPタワー学術文化総合ミュージアム、
インターメディアテク(IMT)に行ってきました。
東京大学総合研究博物館と日本郵便株式会社が協働して運営を行なうミュージアムで、
入場は無料です。

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2016年12月3日から特別展示として、「医家の風貌」が行なわれていて、
東京大学病院内科講堂の壁に飾られていた歴代教授の肖像画や写真が
展示されています。
戦前の人物の在職期間を記した銘板は西暦ではなく、皇紀で表しています。

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和田英作 「青山胤通肖像」 1912年
医家1

青山胤通(1859-1917)は東京帝国大医科大学校長を務めています。
生涯、脚気の原因を感染症としていました。
原因がビタミンB1の欠乏であることを発見した、東京帝国大学医学部附属医院長、
島薗順次郎(1877-1937)の肖像写真も展示されています。

他に黒田清輝や中村研一の描いた肖像画もあります。



1月31日からは「ケ・ブランリ・トウキョウ、異邦の至宝――砂漠の民のトライバル・ジュエリー」も
併せて開かれています。
ケ・ブランリ・トウキョウはパリのケ・ブランリ美術館と東京大学総合研究博物館の
共同企画による展示です。

インター4-4-2017_001


中東やアフリカ北部に住む民族の世俗装飾品が何点か展示されています。
材料は銀、貴石、エナメル、ガラス、珊瑚、古銭などで、ずっしりとした重量感があります。
マリア・テレジア銀貨を使った装飾品もあります。
オーストリアのマリア・テレジアの即位後に鋳造されたマリア・テレジア銀貨はこの地域で
長く流通し、そのままの形で装飾品にしたり、熔かして銀の材料として使われています。


【2017/04/18 19:42】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「草間彌生 わが永遠の魂」展 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では国立新美術館開館10周年、「草間彌生 わが永遠の魂」展が
開かれています。
会期は5月22日(月)までで、火曜日は休館日です。

草間0


草間彌生さん(1929-)が2009年から描き始めたシリーズ、「わが永遠の魂」を中心に、
初期から現在までの作品、約130点が展示されています。

草間さんは1957年にアメリカに渡り、前衛芸術家として活躍を始めています。

「No.AB.」 1959年 豊田市美術館
草間1

びっしりと隙間なく、点々が描き込まれていて、画面の区切りもありません。

草間さんが絵を描き始めたのは、自分の中にある強迫観念への対抗の手段として
だったとのことで、延々と埋められた画面を観ると確かにそう感じます。

その後、1973年に帰国し、活動を続けます。


「自殺した私」 1977年 東京都現代美術館
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この頃の作品はかなり陰鬱です。


「黄樹」 1992年 秋田・フォーエバー現代美術館
草間2

びっしりと埋められた画面は同じですが、雰囲気は明るくなってきます。


「わが永遠の魂」シリーズの展示は携帯での撮影が可能です。
隙間なく並んで、壁を埋め尽くしています。

草DSC_0001

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「真夜中に咲く花」 2016年
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原色にあふれた、エネルギーいっぱいの作品が並んでいて、圧倒されます。
びっしり描き込むという形は初期と同じですが、気分はまるで違って、明るくなっています。
年月を経る間に、草間さんの内面に大きな変化があったのでしょうか。


「南瓜」 2007年 秋田・フォーエバー現代美術館
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草間さんと言えば水玉模様とカボチャです。
屋外展示場に置かれ、中にも入れて、子どもたちにも人気です。

立ち木も草間モードで装っています。

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展覧会のHPです。


【2017/04/15 20:26】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「大英自然史博物館展」 上野 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では特別展、「大英自然史博物館展」が開かれています。
会期は6月11日(日)までです。

自然史0


ロンドンにある大英自然史博物館は1881年に開館した、博物学標本約8000万点を所蔵する
世界有数の科学博物館です。
展覧会では博物館の歴史の紹介と共に、約370点の標本が展示されています。

展示室は一部を除いて撮影可能です。

最初の展示室は教会建築のような自然史博物館の内部を模してあります。

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私は以前、ロンドンに行った時、ロマネスク風の壮麗な石造建築を見て、これが博物館とは知らず、
どこの教会だろうと不思議に思ったことがあります。

サファイアのターバン用ボタン
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おそらくインドの品で、サファイアは31.5カラットあります。
所蔵者だったハンス・スローン(1660-1753)は医者で、蒐集した動植物や考古遺物などの
膨大なコレクションは政府に買い取られ、自然史博物館のコレクションの基礎となっています。

リチャード・オーウェンの肖像
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リチャード・オーウェン(1804-1892)は高名な解剖学者で、恐竜類(Dinosauria)という名前の
名付け親でもあります。
また、増え続ける大英博物館の収蔵品を収容するため、新しい博物館の建設を政府に働きかけ、
自然史博物館の設立に漕ぎ着けています。
そして、誰でも気軽に入館できる博物館を目指し、展示品には説明文を書いたプレートを
添えることも提案しています。
一方で、リチャード・オーウェンは大変に性格の悪い人で、他人の功績を横取りしたり、
抹殺したりしており、ダーウィンとは極めて仲が悪かったそうです。
人相も悪かったようで、この絵はかなり美化されています。

ダーウィンの「種の起源」草稿
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フィンチの標本
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チャールズ・ダーウィン(1809-1882)はビーグル号の航海でガラパゴス諸島に寄り、
そこに多様なフィンチが生息していることを知って、進化について研究を深めています。
ダーウィンとフィンチについては、2014年に同じ国立科学博物館で、「ダーウィンフィンチ展」が
開かれています。

「ダーウィンフィンチ展」の記事です。

モアの全身骨格
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ニュージーランドにかつて棲息していた巨大な鳥です。
リチャード・オーウェンはこの鳥の骨の一つを調べて、飛べない絶滅鳥類であることを
正確に予測しています。

始祖鳥の化石
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脳や三半規管の形が詳細に復元出来る化石はこのロンドンの標本だけとのことです。

リョコウバト
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かつて北アメリカに生息し、鳥類史上最も数の多い鳥とされていますが、乱獲のため激減し、
1914年に動物園で最後の1羽が死んで、絶滅しています。

ウィリアム・スミスのイギリス地形図
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ウィリアム・スミス(1769-1839)は高等教育を受けていない測量技師で、地層というものの
存在を発見し、1815年には世界最初の地質図を完成させています。

メアリー・アニングの肖像
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愛犬のトレイと一緒に描かれています。
メアリー・アニング(1799-1847)はドーセット州の海岸の崖で化石を集めて、売っていました。
世界初の魚竜(イクチオサウルス)やプレシオサウルスの化石も最初に発見しています。
彼女はShe sells sea shells by the sea shore.という早口言葉の元になっていると言われています。

メアリー・アニングが発掘した魚竜の化石
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リチャード・オーウェンやダーウィン、メアリー・アニングのことはビル・ブライソン著、
「人類が知っていることすべての短い歴史」(新潮文庫)の上巻でも触れられています。

ハマゴウ属のスケッチや水彩画
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ジェームズ・クック(1728-1779)はタヒチ島での金星の太陽面通過を観測するため、
1768年にプリマス港からエンデヴァー号で大西洋経由で南太平洋に向かっています。
この探検に同行した科学班のリーダーのジョゼフ・バンクス(1743-1820)が、
植物学者のダニエル・ソランダー(1733-1782)と共にタヒチやニュージーランド・
オーストラリア東海岸・ジャワなどで採集した植物標本を基に743点の彩色銅版画
「バンクス花譜集(植物図譜)」を制作しています。
図譜はバンクスの生前には完成されず、後に自然史博物館によって完成されています。

植物画を描いたのはシドニー・パーキンソン(1745頃-1771)ですが、自身は航海中に
亡くなっています。

2015年にBunkamuraザ・ミュージアムで開かれた、『キャプテン・クック探検航海と
「バンクス花譜集」』展の記事
です。


トリング分館はロスチャイルド家の嫡男で、動物の研究家だった、ライオネル・ウォルター・
ロスチャイルド(1868-1937)の収集した大量の動物や鳥の標本を所蔵する博物館です。

シマウマに牽かせた馬車に乗るウォルター・ロスチャイルド
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ヒクイドリの標本
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ウォルター・ロスチャイルドは飛べない鳥への関心が高く、自宅に多数を飼育していました。

中には日本からの標本もあります。

薩摩(九州)隕石
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1886年に落下した隕石です。

タカアシガニ
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世界最大のカニです。

第2会場では、自然史博物館にゆかりの人たちの業績や著書が紹介されています。

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ミュージアムショップです。

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左はウィリアム・スミスのイギリス地形図です。
右はロバート・スコット(1868-1912)の南極探検隊のエンブレムをあしらっています。
スコットの探検隊は南極点への到達競争でノルウェーのアムンセン隊に敗れ、
帰途に全員が遭難死しています。

とても興味深い展覧会ですが、人気が高く、整理券が配られます。
混雑状況は展覧会のHでご確認下さい。

私のもらったのはモアの整理券でした。

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展覧会のHPです。


【2017/04/13 19:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

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