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日本橋 「META II 2009」展 後期 
日本橋
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日本橋高島屋の美術画廊Xで8月3日まで、「META II 2009」展が
開かれています。
META II は、新しい日本画を意欲的に追求している11人のグループ
とのことです。

前期は7月20日まで、出品作家は以下の通りです。

岡村桂三郎、竹内啓、長沢明、樋口広一郎、峰岡正裕

後期は7月22日から8月3日まで、出品作家は以下の通りです。

梶岡俊幸、斉藤典彦、佐藤裕一郎、山本直彰、吉田有紀

前期の12日のギャラリートークに行った時の記事はこちらです。

後期の26日のトークは、META展会友で練馬区立美術館主任学芸員の
野地耕一郎氏の司会で、発言順に、

佐藤裕一郎 「shadow in soil」
濃い紫の面が、藤色がかった白へと変わっていくグラデーションです。
日本的な色彩感覚で、鎧の紫裾濃(むらさきすそご)の縅糸を思い出します。

「以前、山形にいた時は、地中、自然、植物といった物をテーマに、
土を塗りこめたり、板を打ち付けたり、物質感の強い絵を描いていた。
自然環境が目の前にあったので、表面的テクスチャといったものの
影響を受けていたと思う。
3年前に関東に出てきてから、景色が変わったことによるのか分からないが、
薄塗りになってきた。
作品の内部を考えるような、内面的なものを描こうとするように変わってきた。
生命といったもの、精神的な心象風景を描いて行きたい。
紫色は染料を使って出した色で、気に入っている。」

住んでいる場所によって、考えや興味の持ち方が変わるというのは、
前期のトークで岡村桂三郎氏も発言していました。

吉田有紀 「Groove Line -inside-」
4枚続きのパネルで、黒い雲形の枠の中の赤紫の地に、濃い紫の丸い玉が
散らばっています。
ぼやけた形の玉もあって、画面に埋まっているようにも見えます。

「最近は、丸を集めて、何かに見えるが、何か分からない、化学変化か
細胞分裂の過程を描いている。
その何かは、自分でもよく分からない。
試験管の中のホルマリンの実験体のようなもの。
描いている内に、思いがけない表情の出ることがあり、どこまで描いたら
終りかは分からない。
今回は人体をイメージして、丸を並べてある。
バス停で待っている人を見て、形を取った。
絵に枠があると、パネルを何枚も縦にも横にも合体、増幅がしやすい。
この世で見えるものの多くは直線的だが、その中で丸は不安定で
興味がある。
小さい頃から、ガスタンクの丸い形が好きだった。
日本画の顔料のざらざらした質感は好きではない。
日本画は、ただ塗るだけで何となく味わいが出てしまう。
洋画で描けばよいようなものだが、自分は日本画の画材に慣れている。
出来るだけ粒子の細かい顔料を使い、表面に膜があるようなつるつるした
画面に仕上げている。」

パネルの合体による平面的な広がり、丸い玉が画面の奥にもあるかの
ような立体感、化学変化や細胞分裂という時間の経過、作者は時間と
空間への関心が深いように思えます。

息抜きに、東京駅近くの和田倉噴水公園の噴水です。

噴水_0212


斉藤典彦 「はるおか」
淡い赤色の色面に煙がたなびくように赤い線が流れ、緑色も少し
混じっています。
大理石の模様のようにも見えます。

「家の近くの春の丘のイメージを描いた。
木々の葉が揺れている空気の感じを出したかった。
成るに任せて描いているのではなく、エスキース(試し描き)を
引き伸ばしている。
具体的な形を写したデッサンではなく、あくまでイメージによる
エスキースである。
顔料にはたっぷり胡粉を使っている。
以前は絹地に描いていたが、絹という素材が前に出てくるので、
土佐和紙を使うようになった。
画面の数センチ奥に空間があるように描きたいので、紙と紙との
境目が気になる。
出来るだけ目立たなくしたいが、そこに手を入れすぎると全体の
雰囲気を壊してしまうので難しい。」

作品の狙っているものは前期の竹内啓氏とよく似ているのですが、
竹内氏が文字通り成るに任せて描いているのに対し、こちらは
エスキースを描いているというのは対照的です。
竹内氏の言っていたフリージャズ感覚に対して、こちらは楽譜から
起こしている訳です。
画面の数センチ奥の空間という表現は面白いと思いました。

山本直彰 「帰還」
今回は欠席です。
白い画面の中で、黒い大きな玉が破裂しているように見えます。
躍動感のある画面です。

梶岡俊幸「黙視」
今回は欠席です。
一面漆黒の画面ですが、黒はつやがあって美しく、近づいてみると、
水の流れのように細かく描き込まれています。
墨で描いた上に鉛筆の線を入れているとのことです。


作者の画題への思いや、技法の工夫を聴くことが出来て、とても面白い
トークでした。
それぞれが自由に発想して描いていることが分かり、観る側も自由に
観てよいと納得しました。

8月2日(日)の午後3時からもギャラリートークがあります。

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【2009/07/31 13:48】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
神田 神田珈琲園神田北口店
神田
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「神田珈琲園神田北口店」はJR神田駅北口の高架下にあります。
場所は千代田区鍛冶町2-13-12です。

コ1


コ4


コ5


カウンター席を入れて20席ほどの、天井の低い、古くて小さな店内ですが、
自家焙煎のお店で、2階席もあります。
お店の人も気持ち良い応対をしています。

BGMはクラシックのピアノ曲でした。

コ2


コ3

モーニングはサンドイッチやホットドッグなど何種類かあります。

チキントーストサンドセット577円です。
たっぷり入ったチキンはやわらかく、薄味で美味しいです。
コーヒーは濃くて、やや酸味もあり、とても美味しく、お替りも出来ます。

新聞も各種揃えてあり、常連さんは読み終わると、きれいに畳んで
元の棚にしまっていました。

常連さんも近所の人はカウンター席、スーツ姿の人はテーブル席と、
居場所が決まっています。

カウンターでは世間話で盛り上がっていました。
プロ野球の話、神田祭の神輿かつぎの話、、、、、。

お店のHPです。

HPによれば北海道と山口に姉妹店があるとのことです。
かなり遠方の姉妹です。


【2009/07/29 22:53】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
東京国立博物館 「染付-藍が彩るアジアの器」展
上野
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上野の東京国立博物館平成館で9月6日まで開かれている、
「染付-藍が彩るアジアの器」 に行ってきました。

不忍池の蓮池は葉が繁って、花が咲いていました。

そ1


そ2


展覧会のポスターです。
特別展「伊勢神宮と神々の美術」も同時に開催されています。

そ3


染付とは、陶磁器の白い地にコバルト顔料を使って絵を描いてから焼き、
藍色を出す技法です。
元、明、清、ベトナム、朝鮮、日本と、長い期間と広い地域にわたる
染付陶磁器約180点を展示しています。
1点毎に解説が付いていて、とても参考になります。

3番 青花蓮池魚藻文壷 中国・景徳鎮窯 元時代 14世紀
青花とは染付の中国での呼び方です。
染付の技法は元時代に景徳鎮で完成したとのことです。
ポスターにもなっている作品で、会場の入口で迎えてくれます。
どっしりした形の広口の壷に、くっきりした発色で蓮や魚が活き活きと
描かれ、これぞ染付といえる作品です。

4番 青花明妃出塞図壷 中国・景徳鎮窯 元時代 14世紀
匈奴の王に嫁いだ王昭君の物語を絵にしています。
蓮の葉の形の大きな蓋が付いています。

37番 青花鹿山水図大皿 ベトナム 15~16世紀
お皿の真中で飛び跳ねている鹿に躍動感があります。
ベトナムの染付は柔らかみがあって、親しみやすさを感じます。

49蕃 青花秋草文筆筒 朝鮮時代 18世紀
小さな筒に、さらさらと秋草を描いてあります。
おだやかな秋の風情を感じます。
朝鮮の染付は、模様を区切っていた境界線が無くなり、図柄が
伸びやかになります。

84番 古染付御所車図六角手付鉢 中国・景徳鎮窯 明時代 17世紀
日本からの注文による製品なので、青花でなく、古染付となっています。
茶人好みの形と図柄ですが、お手本を写し損ねて、御所車は変な形を
しているし、人物の冠は閻魔大王のようで、中国風です。
元の絵を写し違えるというのは、よくあることのようで、出光美術館の
「陶磁の東西交流展」でも、中国の絵柄をヨーロッパで描く時に起きているのを
見たことがあります。

106番 染付草花図輪花大皿 伊万里 17世紀
皿の中央の草花が柔らかく描かれ、余白が生きています。
和様と言えるスタイルが確立しています。

108番 染付蓮鷺文三足皿 鍋島 17~18世紀
佐賀鍋島藩の直営窯で製作された作品です。
蓮の葉と3羽の鷺ですが、全体にむらなく薄く顔料が塗られ、鷺は白い
生地を残して描かれています。
鍋島焼は大名への贈答用に使われたとのことで、デザインがすっきりと
モダンで、スキがありません。

129番 染付蜃気楼図稜花大皿 伊万里 19世紀
蜃気楼は大きなハマグリが吐き出すという伝説を図案化しています。
ハマグリと青海波模様の海は白いレリーフ、マンガの吹き出しのように
吐き出される蜃気楼を染付で描く、楽しいデザインです。

172番 染付洗象図大皿 伊万里 18~19世紀
何人もの人がブラシで象を洗っています。
明や清の時代には、旧暦6月に宮廷で飼っている象を洗う行事があった
とのことです。
日本の動物園でもよく見る風景です。

会場一杯に並んだ作品は、同じ染付といっても多様な変化があって、
観ていて飽きません。
羊歯の葉模様の伊万里の大皿に茸を、網目模様の大皿に海老や貝を
盛り付けてみた展示もあります。

青と白の世界はとても涼しげで、外の暑さを忘れます。
夏にふさわしい、さわやかな企画です。


【2009/07/28 06:54】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
日本橋 「META II 2009」展 前期 
日本橋
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日本橋高島屋の美術画廊Xで8月3日まで、「META II 2009」展が
開かれています。

め


META II は、新しい日本画を意欲的に追求している11人のグループ
とのことです。

前期は7月20日まで、出品作家は以下の通りです。

岡村桂三郎、竹内啓、長沢明、樋口広一郎、峰岡正裕

後期は7月22日から8月3日まで、出品作家は以下の通りです。

梶岡俊幸、斉藤典彦、佐藤裕一郎、山本直彰、吉田有紀

毎日曜日の午後3時からは、それぞれの画家によるギャラリートークも
行なわれるので、12日に行ってきました。

発言順に、

岡村桂三郎 「百鬼」
屏風のような大きな画面で、黒の地のほとんどを灰色の人の顔の上半分が
占め、顔の輪郭や目鼻立ちは粗い線描です。
額に黒い突起があり、角を表しています。
そして、岡村桂三郎の作品に特有の、不気味なウロコ模様が顔の全面を
覆っています。
ただ、表情はそれほど恐ろしげではありません。

「META II は、日本画の色々な展開を望んで、ゆるい方向性を持った
グループで、汗臭いタイプの男の集まり。
最近、自分のこだわって描いているウロコは、水生、湿度、量の多さ、
生命力の象徴。
自然と自分たちの暮らしを象徴する動物を描いてきた。
今までは山形に居たが、今年の春に東京に出てきて、人間の有象無象を
見るようになった。
百鬼は百鬼夜行の意味で、人間社会の醜さの象徴。
最初は沢山の鬼を描いていたが、途中から一匹になり、顔もだんだん優しく
なってきた。」

私が岡村桂三郎氏の作品を初めて観たのは、去年、岡村氏が大賞を受賞した
「第4回 日経日本画大賞展」を観に行った時です。
その時から、あのウロコは何だろうと気になっていましたが、作者の解説を
聴いて納得しました。


長沢明 「トブトラ」
長沢氏も第4回日経日本画大賞に入選していて、そのときは思い切った
直線で、牛か虎のような動物の絵でした。
今回は大きな画面で、人のようなものが横になっているのを、太くて
大胆な筆遣いで描いています。

山形在住の長沢氏は、12日のギャラリートークは欠席とのことで、
岡村桂三郎氏による解説がありました。
「男っぽいタイプで、絵のセンスの良い人で、線のバランスが上手い。
最近はよく虎を描いていて、今回も『トブトラ』の題名から見て、虎が
空を飛んでいる絵のようだ。」

人では無くて、虎でした。
飛ぶ鳥ならぬ飛ぶ虎という訳です。
よく観れば、尻尾のような物があります。
前足は翼のようにも見えます。
全体に黄土色が塗られ、空を表すのか、数ヶ所の青色がアクセントに
なっています。
長沢氏は絵具に土も使うので、土壁のような独特の色彩が観られます。


竹内啓 「大満PM23 23/APR,2009」
大きな木綿の布全体に薄い青系統の絵具が一面に塗られています。
川のように流れた跡も見えます。

「午前中は田んぼで農作業をしていた。
これは大満村という所の田んぼの畦で描いた。
構想を立てたりせず、ほとんど即興で、その場所のイメージを描いている。
その土地の土を絵具として使うこともある。
元々、顔料という物は岩や土で出来ている。
夕方の明るい時から暗い時へ移る、不安定な時間が面白い。
空の様子が変わると同時に自分の気持も変わる。
時間の進行と自分の気持が連動している。
フリージャズの感じと言っていい。
題名の数字は筆を置いた時間。
外で絵を描き上げて、乾かすため、一晩地面に置いておく。
すると、絵具が流れたり、雨が降ったり、冬だと凍ったり、車が通ってタイヤの
跡が付いたりと、思わぬ出来事があって面白い。」

画面に大きな升目模様の塗りむらのような物が見えるので作者に訊いたところ、
下に敷いたビニールシートの折り目が映ったとのことでした。


文章が長いので、息抜きに花の写真を1枚。

花



峰岡正裕 「鳥男の堕落」
頭が鳥の形をした男が羽根を広げて、仰向けに落ちていきます。
羽根や足は、孔雀のように派手な色に覆われています。

「人間、現代人のドロドロとした欲望を描いている。
満員電車の中で、自分の中に閉じこもっている人たちの堕落への罰を表した。
散らばっている青いかけらは、砕けた氷。
色はうるさい位に使った方が、観る人を動揺させる効果があると思っている。」

作者は1970年生まれで、メンバーの中でも一番若い方でしょう。
現代社会への違和感を、鋭い形で表しています。
思想性の強い絵を描く人は、年齢を重ねるにつれ、どんな作品を生んでいくか
楽しみです。


樋口広一郎 「宇宙樹-universal tree」
大きな画面に力強く青色や水色を塗りつけ、右側には黒いかたまりを
置いています。

「最初のうちは風景画を描いていたが、自分の興味の共通性に気が
付くようになった。
そこで、描きたい要素だけを描くようになってきた。
大きな空間といった物を描き出したい。
絵具が流れたり、垂れたりしても、面白いと思うようになってきた。
絵としてつじつまの合わないものも含めて、実感のあるものを出したい。」

初め、見ただけでは何が描いてあるか分からない抽象画ですが、
「宇宙樹」という題を知ると、観方が変わります。
右側の黒いかたまりは、空に伸びている巨木の幹、青は繁った枝葉と空で、
それを下から見上げている構図にも見えます。
そうすると、絵の中に広々とした空間を感じることが出来ます。
作者に訊いたところ、最初から題を考えて描いた訳ではなく、絵をどう解釈
するかも、観る人の自由にしてよい、ということでした。


作品全体として、自然への親和性と、社会への問題意識という、
二つの特徴を感じます。
日本画らしい題材、というものはありません。
洋画との違いは、絵具に顔料を使っていることでしょうか。
長沢氏や竹内氏は土も使っており、顔料を溶いて絵具にする日本画の技法は、
自然に近づくという姿勢にふさわしいのかもしれません。
絵具が流れたり、垂れたりするのをそのままにするというのも、顔料を使う
日本画だから出来ることでしょう。

こうやって作者のギャラリートークを聴くと、それぞれの作品への観方も深まり、
興味も増してきます。
ただ、絵を観る時はいつも作者の解説が付いている訳ではなく、画面そのものを
読むしかありません。
読み違えても、それはそれで面白いのかもしれません。


【2009/07/26 14:51】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
神保町 カフェコンフォート
神保町
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「UCCカフェコンフォート三省堂書店神田神保町本社ビル店」という、
長い名前のお店は神保町の三省堂の2階にあります。
場所は千代田区神田神保町1-1です。

こん1


4月に開店したばかりのお店で、店内は明るくあっさりしています。

こん3


分煙になっていて、禁煙席は正面の靖国通りに、喫煙席は裏の
すずらん通りに面しています。
禁煙席は三角形のスペースで、少し狭いですが、喫煙席は窓の
すぐ外に並木の緑が見えて、居心地良さそうです。

こん2


三省堂につながっているので、本を買った後に一休みするのに、
ちょうど良い具合です。
一休みついでに、居眠りしているお客さんもいました。
若い店員さんの応対もきびきびとして、気を配ってくれています。

カフェなので、食事やデザートのメニューも充実しています。

玉子とハムのサンドイッチセット800円です。

こん5

玉子、ハム、チーズ、トマト、キュウリ、レタスと、盛り沢山に入って、
とても美味しいです。
付け合せにレタスとピクルスもあります。

暑い日だったので、アイスティーにしましたが、すっきりと美味しく、
ぐいぐい飲んでしまいました。

コーヒーはサイフォン式で、席でカップに注いでくれます。
カウンターで淹れているサイフォンのフラスコに光が当たって美しく、
小さな男の子が興味深そうに見つめていました。

こん4


【2009/07/25 23:57】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
神田白十字
神保町・水道橋
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喫茶店「神田白十字」は白山通りを神保町駅から水道橋駅に向かって歩いて
左側にあります。
場所は千代田区西神田2-1-3です。

教会風の背の高い正面です。

は1


は2


は3


半地下と2階があって、奥行きも深いお店です。

は1


古くからの純喫茶風の店内で、両側の壁には絵が飾ってあり、奥には
ステンドグラスもあります。

は2


街に馴染んだ、まったく気取りの無いお店で、のんびりとしていられます。

お店の人の応対も気持ち良いです。

ランチのカレーライスとアイスコーヒーのセット、850円です。
テーブルには白い十字がはめ込んであります。

は3


常連らしいお客さんはハンバーグライスセット1000円を注文していました。
ライスは丼に入っていました。

レシートには「名曲珈琲Park神田白十字」と印刷されています。
「白十字」という名前も、いかにも懐かしい響きです。
むかしは、神田・御茶ノ水には「ウイーン」「田園」「丘」という喫茶店が
ありましたが、いつの間にか無くなってしまいました。

マスターに訊いたところ、こちらは62年前から営業しているとのことです。
62年前といえば終戦直後ですから、長い歴史のあるお店です。
「おかげ様で何とかやっています」とのことでした。
神田の歴史の一つとして、これからも続いて欲しいお店です。


【2009/07/22 06:20】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
新古今集 式子内親王 ほととぎす
ほととぎす
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ほととぎすそのかみ山のたびまくらほのかたらひし空ぞ忘れぬ  

斎院に仕えていた昔、ほととぎすの鳴いていた神山で、わずかの間
語り合ったときの、その空を忘れはしません。

新古今集1486番、雑の部の歌で、作者は式子内親王です。

式子内親王(1149~1201)は後白河法皇の子で、平安から鎌倉にかけての、
新古今集を代表する歌人です。
少女時代に賀茂神社の斎院として奉仕した後、生涯を独身で過ごしています。

今、ほととぎすの鳴くのを聞いて、ふと空を見上げ、むかし、斎院の神事のため
神山で過ごした時に、ほととぎすを聞いた空を思い出しています。 

昔と今との時間の隔たりは、ほととぎすの鳴く空という空間によって
結び付けられています。

「そのかみ山」は、「その昔」と、地名の「神山」をかけています。

また、「ほととぎす」の「ほ」と、「ほのかたらひし」の「ほ」が柔らかく響きあいます。

そして、幸せだった少女のころを想い、「空ぞ忘れぬ」と、我に言い聞かせますが、
その幸せが儚いものだったことを、「ほの」は暗示しています。


昼顔


【2009/07/22 06:09】 文学 | トラックバック(0) | コメント(2) |
東日本橋 カフェ415
東日本橋・馬喰横山
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「カフェ415」は地下鉄東日本橋駅の上、清杉通り沿いにあります。
場所は中央区東日本橋3-7-7 です。

か1


か2


年中無休で、平日は7時30分から、土日は11時30分からです。
クリーム色と薄茶色でまとめた店内は、二方が窓なので、明るく、
やわらかい雰囲気です。

か3


小さなお店ですが、椅子や、真中に置いてあるソファも、考えて
配置されていて、居心地良く出来ています。
自動車のミニチュアも飾ってあります。

か5


か8


か4


BGMはボサノバっぽい曲でした。

お店の方に「カフェ415」の名前の由来を訊いたところ、店長がこの店を
開店するのを決めた日が4月15日だったそうです。


マキアートと玉子サンド600円です。
マキアートにはチョコレートが付いています。
モーニングタイムはドリンクが100円引きになります。

か6


ハート模様のマキアートは見た目も楽しいですが、泡がクリームのように
滑らかで、マキアートとはこんなに美味しいのかと思いました。

か7


ランチメニューも美味しそうです。
女性向きの雰囲気のお店ですが、朝は男性客が多いようです。
お店を出る時は、明るい声で送り出してくれました。

東日本橋あたりは特徴のある店の少ないところですが、そんな町の中で、
こちらは貴重なお店です。


【2009/07/19 17:48】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
本郷 「喫茶ルオー」でモーニング
本郷三丁目・東大前
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本郷の「喫茶ルオー」に、ソトアサに行ってきました。
場所は文京区本郷6-1-14です。

お店の中から外の「ルオー」の看板が見えます。

る2


カレーで有名なお店ですが、モーニングも美味しいのです。

モーニングセット550円です。

コピー ~ る3

バターを塗った、やや厚切りのトーストには×印の切り目が入っています。
サラダにはゆで卵が半分入っています。
コーヒーはやや薄味です。

9時30分開店なので、平日には使いにくいですが、新聞も各種そろっていて、
土曜の朝はクラシックを聴きながらのんびりしていられます。

る5


こちらのお店は「ルオー」というだけあって、あちこちの展覧会の前売券が
置いてあります。
人気のある展覧会のは早めに無くなってしまうそうです。


【2009/07/18 00:02】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
銀座 「安西大個展」
銀座
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銀座の東邦アートで7月10日まで開かれていた、「安西大(あんざいひろし)」
個展に行ってきました。

あ1


安西大(1970~)は細密な油彩画を描く画家で、今回は20点ほどが展示
されていました。

すべて、植物がテーマで、多くは金地を使った、日本画の琳派のような画法で、
牡丹、花菖蒲、紫陽花、クレマチスなどが明るく、華やかに描かれています。

他は蓮の連作です。
装飾的な花の絵とは違って、木陰の浅い池に咲く蓮を、抑えた緑の色調で
描いています。

蓮の葉の日光に当たる明るい部分、それが裏から透けて見える部分、
陰の部分が、ていねいに描き分けられています。

葉にたまった水玉には蝶が集まっています。
咲く花の白と、飛び交う蝶の白や黄色がアクセントになっていて、よく観ると、
蜻蛉、アメンボ、鯉、蛙、おたまじゃくしなども描き込まれています。
また、アメンボや鯉がいることで、水面のあることが分かります。

一つの画面の中に多くの小さな生き物を描き込むというのは、画家の生き物
へのいとおしみの気持の表れだと思います。
その気持に大乗的な心を感じました。

安西大のHPやblogもあります。

上野不忍池に咲いた蓮です。

はす1


【2009/07/17 23:59】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
日本橋 「西村画廊35周年記念展」
日本橋
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日本橋の西村画廊で7月25日まで開かれている、西村画廊35周年記念展に
行ってきました。

西村画廊は高島屋の左を入った奥の左にあります。

に2


に1


出展している作家は、以下の7名で、こちらの画廊のレギュラーメンバーと
いうことです。

押江千衣子、小林孝亘、曽谷朝絵、樋口佳絵、舟越桂、町田久美、三沢厚彦

押江千衣子 「鏡の中」
画面の上は数本の木、下は池の水面に映った林です。
地上部分は白っぽく日の当たる地面と、木の幹なのに、水面に映る林は、
枝が自由に伸び、緑の葉が濃く薄く繁って、水面を覆い尽くしています。
景色と、その水鏡に映った姿の違いや、さかさまになった林を観るという、
面白い絵です。
押江千衣子の絵は、伸びやかで、植物への優しさが感じられます。

小林孝亘 「Tent」森の茂みの中に白いテントが一つ張ってあります。
茂みや地面にも、テントにも木洩れ日が指して、模様のように見えます。 
光の作る一瞬の面白さを捉えています。
小林孝亘の絵は、スクリーンを掛けたような、淡く柔らかな色調で、
形は単純化され、静かな落ち着きを持った画面になっています。

曽谷朝絵
6点が展示されています。
鏡か何かの反射光が壁に当たり、様々の色を見せています。
形はほとんど無く、壁や床らしい平面があるだけです。
曽谷朝絵は、光そのものの多彩さと美しさを描き出そうとしています。

樋口佳絵 「遠回りはしたくない」同じ服を着て、同じ顔をした男の子が8人、歩いています。
みなが右目に眼帯をして、眼帯には201から208までの番号が振ってあります。
フォークを持っている子がいるので、これから食堂へでも向かうのでしょうか。
口を開けている子が多いので、揃って何かを叫んでいるようにも見えます。
何を言っているのか聴いてみたくなる絵です。

舟越桂
裸婦のデッサンが1枚展示されています。
こちら向きに座った姿勢で、肩をすくめるようにして、右手は何かに
掴まっています。
形を捉えにくそうなポーズですが、的確に描き出しています。
彫刻を観ていても思うのですが、形を掴み出す力はさすがです。

町田久美 「止まり木」
くっきりした線描で、横棒の上に向こう向きに腰掛けている二人の
子供を描いています。
白いシャツがフードになっていて、上半身はダルマさんのようです。
一人の頭と、もう一人の背中には小さな赤い突起が付いています。
これは鶏冠ではないでしょうか。
また、二人の足のかかとからは爪のような物が伸びています。
すると、これは蹴爪でしょう。
これで、「止まり木」という題の意味も分かります。
部分は的確な線描を使いながら、全体では不思議な造型になっています。

三沢厚彦
兎、犬、猫の木彫です。
鑿(のみ)の跡を残した上に彩色されていて、完全な写実ではなく、何となく
ユーモラスな姿をしています。
目にはガラスか石が入っているので、表情が活き活きしていて、
子供に喜ばれそうです。

展覧会のHPです。


【2009/07/15 08:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
人形町 「かふぇ あっぷる」
人形町
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「かふぇ あっぷる」は人形町の交差点を日本橋に向かってすぐの
右側にあります。
場所は中央区日本橋人形町3-4-13です。

か5


カウンターを含め、25席ほどの小さなお店で、全席禁煙です。
白い壁にダークブラウンの柱の店内は、カウンター後ろにはいろいろな
カップが並んでいます。
スタンドや明かり窓にアールヌーボーやアールデコをあしらい、奥に
は掛時計が掛かっていて、落ち着いた雰囲気です。

か2


か3


BGMはバロック(多分ビバルディ)でした。
開店は27年ほど前とのことです。

ブレンドコーヒー600円と手作りケーキ550円です。

か4


ブレンドはソフト、ストロング、アメリカンがあり、ソフトはすっきりしていて
コクもあり、とても美味しいです。

アンズのタルトはしっかりしたタルト地に、程よい甘味と酸味のアンズの
甘煮が載っていて、とても良い味です。

マスターにケーキのことを訊ねたら、横の奥さんを指して、ややはにかんだ
口調で、「手作りでして」と解説してくれました。

カップはウエッジウッドです。
奥さんによれば、このあたりは高齢のお客さんも多いので、厚手で取っ手も
持ちやすいウエッジウッドやローゼンタールが使いやすいとのことです。

マスターに、同じ人形町の「快生軒」のコーヒーは酸味が強いという話をしたところ、
「快生軒」や須田町の「ショパン」は昔ながらの、浅く煎ったコーヒー豆をたくさん
使う淹れ方をしているからという、ショパンのマスターの話していたのと同じことを
話してくれました。

マスターも奥さんも愛想が良く、とても居心地の良いお店です。


【2009/07/14 23:40】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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