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「彩り伝わる文様の世界」展 大倉集古館
六本木一丁目・神谷町
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虎ノ門の大倉集古館では館蔵品展、「彩り伝わる文様の世界」展が開かれています。
会期は12月18日(日)までです。
前期は11月13日(日)まで、後期は15(火)からで、一部展示替えがあります。

文様001


「能装束 紅地檜扇菊梅模様縫入長絹」 江戸時代 18世紀
文様002

前期の展示です。
金糸の刺繍で檜扇を縫い出し、菊を添えています。
裾には梅をあしらっています。
扇は末広がりということで、めでたい意匠としてよく使われています。
菊、梅も吉祥文として好まれています。

長生殿蒔絵手箱 鎌倉時代 13~14世紀 重要文化財
文様004

全面を扇面模様で埋め、紐金具も扇をあしらっています。
扇には秋草や流水が描かれています。

蓋の裏には長、生、殿、裏、春の字が芦手絵と呼ばれる絵の中の隠し文字で
書かれています。
和漢朗詠集に載っている平安時代の文人、慶滋保胤(よししげのやすたね)の
詩に拠っていて、作品名の元になっています。

  長生殿の裏(うち)には春秋富めり
  不老門の前には日月遅し

長生殿は唐の玄宗皇帝と楊貴妃が愛を語った所とされ、白楽天の「長恨歌」に
詠われています。

「網代に葡萄図屏風」 6曲1双 江戸時代 17世紀
文様003

左右の隻を前後期で入れ替えます。
濃緑の地に金で葡萄の葉と網代垣が描かれています。
葡萄の葉は厚く塗られ、葉脈も入っていて、立体感があります。
葡萄は実をたくさん付けるので、豊穣、多産の象徴とされています。

網代(あじろ)は杉や檜などの薄板を交互に編んだもので、天井や垣根などに
使われています。
幾何学文様の一つとしてもよく見られます。

池之端の「イングリッシュティーハウス ペコ」の天井も網代でした。
展「イングリッシュティーハウス ペコ」の記事です。

日本では扇面、植物、動物、幾何学文様などさまざまの装飾的な文様を生み出し、
我々の生活の中に取り入れていることが分かります。

展覧会のHPです。


【2011/10/31 05:00】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「KUA'AINA (クアアイナ) 丸ビル店」
東京
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「KUA'AINA (クアアイナ) 丸ビル店」は丸ビルの5階にあります。

クア0123


かなり目立つネオンサインです。
「KUA'AINA 」はハワイ生まれのハンバーガー店で、「田舎者」という意味だそうです。

クア0118


全席禁煙で、テラス席もあり、開放的なお店です。
広い共有フロアに面していて、そこでも飲食できます。
店員さんはアロハシャツ姿で、BGMは当然ハワイアンです。
平日の午後2時頃でしたが、お客さんで賑わっていました。

クア0116


パイナップルバーガーとコーヒー1230円です。

クア0110

パイナップルにも焼き目が入っています。
はみ出さないようにしっかり両手で挟んでかぶりつきます。
肉にパイナップルの甘さが混じって美味しく、食べ応えがあります。
かなりワイルドな食べ方になりますが、女性のお客さんも多いようです。

丸の内でハワイ気分というのも変わっていて、なかなか良いものです。


【2011/10/30 07:39】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「センチュリー文化財団 絵画コレクション展」 早稲田 センチュリーミュージアム
早稲田
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早稲田鶴巻町の「センチュリーミュージアム」では「センチュリー文化財団
絵画コレクション展」が開かれています。
会期は11月26日(土)までです。

セン001


センチュリーミュージアムは旺文社創業者の赤尾好夫のコレクションを展示する
美術館で、2010年に開館しています。

セ0015

場所は新宿区早稲田鶴巻町110-22で、早大通り沿いの小さな新しいビルの
4、5階にあります。
こちらは文字文化に関連する所蔵品の多さで知られています。

4階に絵画、5階に仏像、経典類が展示されています。

「紺紙金字観普賢経(平基親願経)」 1巻 平安時代・12世紀
セン004

元は法華経8巻と無量義経、観普賢経を合わせた10巻を1組として書写したもので、
今は他に東京国立博物館やMOA美術館、フリア美術館に1巻ずつ所蔵されている
とのことです。
他の巻は経師の書写ですが、この巻のみは平基親の自筆による書写です。
平基親は平清盛が後白河法皇の院政を停止し、院の近臣39名を解官した
治承三年の政変(1179年)で官を解かれた一人です。

この経巻は基親が官位を失い、苦悩の中にあった時に書写されています。
見返しには観音・勢至菩薩が描かれ、文字は金泥で書かれた、平安貴族の
美意識を示す優美な経巻です。

こちらは東京国立博物館の平常展に展示されていた紺紙金字無量義経です。
経文


「山水図」 雪舟等楊 双幅 室町時代・15世紀
セン002

セン003

掛軸になっていますが、元は天袋や地袋などの襖絵として描かれたものらしい
とのことです。
濃淡を使い分けた勢いのある筆捌きで風景を描き出しています。


「三十六歌仙図屏風」 近衛信尹賛 6曲1双 桃山時代 16-17世紀
セン005

三十六歌仙を描いた屏風に近衛信尹(このえ のぶただ)(1565-1614)が
それぞれの詠んだ和歌を書いています。
通常は歌仙図と和歌色紙を屏風に貼り交ぜる形が多く、屏風に歌仙の姿を
直接描いた上に、和歌も書き入れる例はとても珍しいそうです。
近衛信尹は後に関白になっていますが、能書家として知られています。

こちらの作品解説は詳細で、三十六歌仙すべての和歌も載っています。

右隻の右端です。
墨の濃淡も面白い、豪快な書き振りです。

 かぞふればわが身につもるとし月を をくりむかふとなに急ぐらん  平兼盛

 千年までかぎれる松もけふよりは 君にひかれてよろづ代や経ん  大中臣能宣

 岩はしのよるの契りもたえぬべし あくるわびしきかつらぎの神  小大君

 みよし野の山のしら雪つもるらし ふる郷さむくなりまさる也  坂上是則


他にも絵巻物、仏画、仏像など興味深い作品の多い展示です。

展覧会のHPです。


美術館の前の早大通りはケヤキ並木が続いています。
早0040

通り沿いにブロンズ像が置いてあります。
全部で28体あります。
早0034

早0037

砲弾を使った記念碑がありました。
早0012

早0014

銘板に「軍艦春日乗員一同 明治三十九年十二月」とあります。
軍艦春日はイタリア製で、1902年に進水し、1905(明治38)年の日露戦争の
日本海海戦にも参加しています。

早大通りを突き当たると早稲田大学です。
早0061

ゴシック様式の大隈講堂
早0056

大隈重信公の銅像
早0051

作詞者の相馬御風の自筆による早稲田大学校歌です。
早0055

隣接する早稲田中学校・高等学校です。
やはり稲穂のマークの校章です。
早0098

近くの蕎麦屋さんは大隈家御用のお店でした。
早0066

早稲田に因んだ名前のお店もあちこちにあります。
西北亭
早0008

早稲田軒
早0009

稲穂
早0065


近くの穴八幡宮の社殿です。
穴0073

穴0075

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江戸時代は徳川家により流鏑馬が奉納されていました。
穴0070

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石の鳥居は明治33年の建立で、正四位勲二等松本順拝書とあります。
松本順は幕府の奥医師で、後に初代陸軍軍医総監となります。
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社殿から早稲田通りを見下ろしたところです。
穴0088


【2011/10/29 01:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「横濱珈琲店」 横浜駅
横浜
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「横濱珈琲店」は相模鉄道横浜駅の横の小路にあります。
場所は横浜市西区南幸1-5-24で、横浜駅西口五番街の一角です。

お店の外には緑色のフェンスが張ってあります。

横0063


昔ながらの懐かしい雰囲気のお店で、1階席は20席ほど、広い2階席もあります。
テーブルも人造大理石です。
休日の昼過ぎで、次々お客さんが出入りしていました。

横0055


50年ほど前からの営業で、元はコーヒー豆の輸入商だったのが、1970年から
コーヒー店を始めたそうです。
BGMはクラシックでした。

ブレンドコーヒー420円です。

横0045

ずっしりした、濃くて酸味のある味です。
カップにはシンボルマークの汽帆船の絵が入っています。

このような縦長の形のカップは「イノダコーヒ東京大丸支店」や「銀座琥珀亭」でも
使われています。
「イノダコーヒ東京大丸支店」の記事です。
「銀座琥珀亭」の記事です。

お店の方によれば、以前は五番街には他にも喫茶店があったのが、今ではここだけに
なってしまったそうです。



【2011/10/28 05:36】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「藝大アーツイン 東京丸の内」 丸ビル
東京
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丸ビルでは「藝大アーツイン 東京丸の内」が開かれています。

芸001

ア0094


上野の東京藝術大学の学生さんにより、リサイタル、オリジナル・オペラの公演、
立体アート作品の展示、アニメーション上映など、いろいろのイベントが開かれます。
会期は10月25日(火)から30日(日)の5日間です。

1階マルキューブで開かれていた『「日本の心のよりしろ」仏像修復と日本歌曲」』の
様子です。

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仏像修復の写真が展示される中での対談があり、歌曲が歌われています。
「荒城の月」や「この道」が歌われていました。

3階回廊では「三菱地所賞2011 美術部門 受賞者作品展」が開かれています。

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2011年の卒業・修了作品展に出品された作品の中から、優秀立体作品7点を
展示するものです。
三菱地所賞は2008年から始まった賞で、今年は各作品に合わせて作られたた
オリジナル音楽を作品の横で聴くことが出来ます。

「夜の獣」 中里 勇太
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木彫による大きな白い狼です。
毛並みが波打っています。

「引分ケ、杜若」 中村 恒克
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能の「杜若」を装束と裸体で彫っています。
引分ケとは能の型の一つで、両手を左右に伸ばした形です。
着衣と裸体の取り合わせは平櫛田中の「鏡獅子」を思い出します。

「夕日に架かる街」 伊藤 航
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木とプラスチックで構成された都市の情景です。
小さなロープウエーも動いていて、遊び心のある作品です。

「アトカタ」 畑 友紀
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蝉の抜け殻のように衣服だけが残った、空ろな情景です。

「Moose」 大石 雪野
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映像を引き伸ばしたり、圧縮したような形のヘラジカです。

7階の丸ビルホールでは、10月29日(土)午後6:30から「藝大アニメーション・
音・ステージ2011」が開かれます。

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アニメーション作品の上映やヴァイオリン、ビオラ、ピアノなどの演奏で、
入場は無料です。


【2011/10/27 06:39】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「Natural Sweets どんぐりの木」 中村橋
中村橋
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「Natural Sweets どんぐりの木」は西武池袋線中村橋駅から中杉通りを
北に少し行った右側にあります。
場所は練馬区貫井2-2-7です。

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オーガニックな食材を使ったスイーツのお店で、シュークリームやロールケーキ
などが並んでいます。

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ハロウィンのお菓子もいろいろあります。

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イートインは14席で、全席禁煙です。
BGMは、「ドレミの歌」や「オブラディオブラダ」などの曲が流れていました。

ど0005


明るい店内の壁にはどんぐりの木の絵が描いてあります。

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待っている間、お茶をいただきます。

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評判の野菜シュークリーム241円とコーヒー420円です。

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可愛いスプーンとマットです。

コーヒー単品は500円ですが、200円以上注文すると420円になります。
コーヒーは味に丸みがあります。

砂糖はひふみ糖といって、羅漢果、オリゴ糖、メープルシュガー、甘蔗糖などを
ブレンドしたものとのことで、穏やかな甘さです。

野菜シュークリームは6種類の野菜を煮込んだクリームがカスタードクリームの
上に乗っています。

野菜のクリームはほんのりと野菜の味がして、食べやすく美味しいです。
他にもいろいろとスイーツがあって試したくなります。
シュークリーム、コーヒー、砂糖ともに優しい味で、ナチュラルの言葉通りです。

お店の方の応対も気持ち良く、お客さんが次々買っていきました。

お店のHPです。


【2011/10/26 01:05】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「彫刻の時間 継承と展開」展 東京藝術大学大学美術館
上野・根津
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上野の東京藝術大学大学美術館では「彫刻の時間 継承と展開」展が開かれています。
会期は11月6日(日)までです。

彫001


東京美術学校以来の藝大の彫刻コレクションと教員の作品を中心にした展示です。
また、橋本平八の作品17点と平櫛田中の作品29点も展示されています。

チラシは岡倉天心をモデルにした、平櫛田中の「五浦釣人」(昭和18年)の後姿です。

地下2階の展示室2は近代以前の彫刻で、飛鳥時代から江戸時代にかけての
仏像彫刻などの展示です。

「大日如来坐像」 快慶 鎌倉時代 12世紀末~13世紀初
彫002

高さ102.4cmの寄木造で、口は小さく、くっきりしたお顔をしています。
細身で、膝の辺りに金箔が少し残っています。

「毘沙門天立像」 肥後別当定慶 貞応3(1224)年
高さ86.8cmの堂々とした毘沙門像です。
踏みつけられている邪鬼にも大きな玉眼(水晶で作った目玉)が入っていて、
迫力があります。

肥後別当定慶は興福寺の国宝、「維摩居士坐像」の作者の定慶とは別人で、
運慶の次男ではないかとされています。

展示室1は近代の彫刻です。

「伎芸天」 竹内久一 明治26(1893)年
彫005

台座を含め281cmの巨大な彩色木彫で、シカゴ万国博覧会に出品された作品です。
仏像彫刻の伝統によっていますが、天井に咲く花(天華:てんげ)を持った姿は
すらりとして自然な佇まいです。

竹内久一(1857-1916)は初め、根付などの象牙彫刻(牙彫:げちょう)の修行を
しますが、奈良の仏像彫刻を観て感銘を受け、木彫に転じています。
後に岡倉天心の知遇を得て、東京美術学校の彫刻の初の教授として高村光雲とともに
指導に当たっています。
伎芸天は技芸を司るので、美術学校の守護神の意味で制作したのかもしれません。

「人体骨格」 旭玉山 明治時代
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こちらは鹿の角製の小さな人体骨格で、身長33.7cmです。
自由に動かせるようになっていて、吊り下げる環が頭に付いています。
会期中ずっと立っているのは疲れるので、ヴィクトリア朝の椅子に座っています。

旭玉山(1843-1923)は牙彫作家で、東京美術学校の教授も勤め、人体骨格について
松本良順に学んでいます。
松本良順(1832-1907)は初代陸軍軍医総監です。

高村光雲の回顧談によれば、明治時代の彫刻といえば牙彫が中心で、
木彫は少なかったそうです。

「坑夫」 明治40(1907)年 鋳造1969年
荻009

高さ47.7cmのブロンズ像で、ロダン風の作品です。
荻原碌山(本名:守衛 1879-1910)は初め洋画家を志し、1901年にニューヨークに
渡って絵画を勉強しますが、パリでロダンの「考える人」を観て強い衝撃を受け、
彫刻家を目指すことになります。
パリで彫刻を学んだ後、1908年に帰国し、ロダニズム彫刻を日本に紹介します。
その後、代表作の「女」などを制作しますが、1910年に突然の吐血のため、30歳で
亡くなっています。

2010年にこちらの美術館で開かれた、「明治の彫塑 ラグーザと荻原碌山」展の記事です。

「鏡獅子」 平櫛田中 昭和15(1940)年
彫003

高さ50.4cmの彩色木彫で、六代目尾上菊五郎(1885-1949)の当り芸、
「春興鏡獅子」を写した作品です。
左腕を後ろに伸ばし、腰を落として体を前に押し出した姿には力と動きがあります。
この像の前に作った、同じポーズを取る菊五郎の下帯一つの裸体を彫った
試作品も展示されています。
菊五郎は九代目市川団十郎から裸で稽古を付けてもらい、自分も裸で弟子に
稽古を付けていると聞いて、先ず裸体を彫っています。
六代目菊五郎はこの頃50台半ばで、お腹の出た体型をきっちり写し取っています。

この「鏡獅子」を元に平櫛田中の代表作となる高さ2mの「鏡獅子」が昭和33(1958)年に
完成し、現在は三宅坂の国立劇場のロビーに展示されています。
戦争による中断もあって20年掛かって作られた作品は力が篭もり、とても華やかですが、
制作は裸体の像から始めるというリアリズムには驚きます。

平櫛田中(1872-1979)は人形師出身で、岡倉天心に師事し、後に東京美術学校の
教授も勤めています。

「花園に遊ぶ天女」 橋本平八 昭和5(1930)年
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高さ121.7cmの木彫で、全身に花模様が浅く線彫りされ、唇は赤く彩色されています。
近代的な雰囲気をたたえた作品で、モダンなアールデコ風のヘアスタイルをしています。
右足を少し上げた姿は軽やかです。

「裸形の少年像」  橋本平八 昭和2(1927)年
高さ154.2cmの木彫で、黒く彩色されています。
一歩前に踏み出した姿や顔は古代エジプト彫刻のようです。

橋本平八(1897-1935)の作品は近代的で、象徴性があるのが魅力です。
「石に就いて」(昭和3年)や「牛」(昭和9年)などは小さな木の塊で、抽象彫刻を
思わせます。
惜しいことに38歳で早世しており、107歳の長命だった平櫛田中とは対照的です。

3階の展示室3,4は現代彫刻で、教員の作品の展示です。

エレーベーターを出てすぐ左の一面ガラス壁の明るい休憩コーナーには北郷悟、
「From the sky 2010」(2010年)が置かれています。
白っぽい半円形のテラコッタで、細い襞で覆われています。

右側の展示室の一番奥には深井隆、「月の庭-星が降りた日-」(2011年)が
置かれています。
高さ2.5mの木製の馬の像で古代中国の青銅器を思わせる色と形をしています。

奥まで見通せる広い展示空間の一番遠くの、暗い照明の中に浮かび上がる青い像は
幻想的です。
入口側の明と奥側の暗を対比させた、とても印象的な展示で、彫刻とは空間の中に
在る物ということを認識させます。

「そりのあるかたち97-4」 湯川喜一 平成9(1997)年
彫007

高さ223cmのケヤキで、すっきりとしたオブジェです。

仏像彫刻や牙彫、人形から始まった近代彫刻もここまで来たのかと思います。


橋本平八の作品をまとめてみることが出来、また現代彫刻の展示方法が印象的な
展覧会でした。

展覧会のHPです。


不忍池のサギです。
上野公園にはいろいろな鳥がいるので楽しめます。

上0047


上野広小路のパンダもハロウィン姿です。

上0068


【2011/10/25 05:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」展 国立西洋美術館
上野
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上野の国立西洋美術館では、「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」展が開かれています。
会期は2012年1月29日(日)までです。

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国立プラド美術館の所蔵するゴヤの油彩25点、素描40点など、ゴヤの作品123点が
展示されています。

フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)はサラゴーサで絵の修行をした後、1774年に
マドリードに出て、王立タペストリー工場の原画制作に携わります。

「日傘」 1777年
ゴヤ004

マドリードの下町のお洒落な若い男(マホ)と女(マハ)を描いています。
タペストリーの原画なので画面は大きく、色彩もはっきりしています。
赤、水色、黄、緑、白が艶やかに輝いています。
日の当たった男の顔、日陰の女の顔もうまく描き分けています。
膝には犬も乗っていて、屈託の無い情景です。

「洗濯女たち」 1779-80年
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同じくタペストリーの原画で、赤、緑、青の色彩が鮮やかです。
ゴヤの油彩は衣服の色が艶やかです。
風俗画ですが、背景の山や川の表現も見応えがあります。

「猫の喧嘩」 1786-87年
ゴヤ010

幅193cmの長い画面の中で、2匹が耳を伏せ、背中を盛り上げ、うなり声を
上げています。
毛を逆立てた猫の姿は曇り空の逆光の中に浮かび上がっています。
ゴヤが描くと猫の喧嘩も何かの寓意に見えてきます。

ゴヤは1786年になってスペインの宮廷画家の地位を得ます。

「ガスパール・メルチョール・デ・ホベリャーノスの肖像」 1798年
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ゴヤの後援者だった政治家、ホベリャーノスは啓蒙派の知識人で、この頃法務大臣を
勤めています。
知識人の典型的なスタイルとして、憂い顔で机に肩肘を突き、奥には知恵の女神
ミネルヴァの肖像も見えます。
沈んだ金色を中心にした上品な色彩で、ゴヤのホベリャーノスへの敬意を示しています。

「アルバ女公爵と”ラ・ベアタ”」 1795年
ラ・ベアタとは信心深い女と言う意味とのことです。
アルバ女公爵は当時のスペイン宮廷で美貌と機知を詠われた女性で、ゴヤとも
私的な関係があったと伝えられています。
小品で、後ろ向きのアルバ女公爵がいたずらで信心深い老召使に珊瑚の魔除けを
押し付けて、怖がらせています。
召使は片手に十字架を握って身をのけぞらせています。

信仰と魔術の対立を表しているとのことですが、ゴヤは女公爵の性格や、そのような
場面をゴヤに見せるほどの関係まで描き出しています。
女公爵の長い黒髪、衣装の白、装飾品のきらめきなど、色彩も調和した作品です。

「スペイン王子フランシスコ・デ・パウラの肖像」 1800年
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有名な「カルロス4世の家族」の習作の1つです。
「カルロス4世の家族」では母親のマリア・ルイサ・デ・パルマと手をつないでいます。
子供らしい愛らしい表情ですが、習作なので上半身だけていねいに描き込まれています。

「マリア・ホセファ内親王」 1800年
同じく「カルロス4世の家族」の習作の1つで、カルロスの姉、マリア・ホセファ・カルメラを
描いています。
目を見開き、硬直した表情の老女の顔で、ゴヤは王族を描くときも容赦がありません。

「着衣のマハ」 1800-07年頃
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この展覧会の呼び物です。
「裸のマハ」の後に描かれた作品で、観る人は「「裸のマハ」を重ね合わせて観ることに
なります。
特に体の線に沿った流れるような白い衣服の描写が見事です。
モデルが誰か議論になっている作品で、アルバ女公爵という説や、絵の所有者だった
マヌエル・デ・ゴドイの愛人という説があります。
実際に作品を観ると、同時に展示されている「アブランテス公爵夫人」などの肖像画と
比べて目など顔の描き方が平板で、特定の人の肖像という描き方はしていないように
思えます。

隣のフランスでは既に1789年にフランス革命が始まり、ゴヤが「カルロス4世の家族」や
「マハ」を描いている頃にはナポレオンが権力を握っています。
そして、1808年にナポレオンのフランス軍はスペインに侵攻し、カルロス4世は幽閉されて
しまいます。
スペインではフランスの支配に対する抵抗運動が始まり、イギリス、ポルトガルを
巻き込んだスペイン独立戦争となります。

「戦争の惨禍 7番 何と勇敢な!」 1810-14年制作 1863年初版
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「ゲリラ」という言葉が生まれたのもこの戦争のときで、フランス軍の弾圧も激しく、
イギリス、ポルトガルの介入もあって国中が悲惨な状態に陥ります。
その有様を目にしたゴヤが描いたのが80点の版画、「戦争の惨禍」です。
20点ほどが展示されていて、この絵では死体の山を踏み越えて女性が大砲に点火
しようとしています。
黒一色で描かれた残酷な場面の連続は、戦争の悲惨さを超えて人間存在の
不条理を見せ付けています。
そこには時代を超えたゴヤの今日性があります。

結局、フランス軍はナポレオンの失脚によりスペインから撤退し、カルロス4世の子、
フェルナンド7世が復位します。

「アブランテス公爵夫人」 1816年
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復活したスペイン宮廷での作品です。
ゴヤの筆力は健在で、若々しい肌、柔らかな表情の公爵夫人を描き出しています。
ざっくりとしたタッチで描かれたショールが印象的です。

ゴヤは「戦争の惨禍」以前から、版画による作品を大量に描いています。

「ロス・カプリーチョス(気まぐれ)」シリーズ 1797-98年 1799年初版
全80点のうち、30点ほどが展示されています。
社会風刺の作品ですが、風刺と言うにはかなり毒の強い表現です。
特に堕落したカトリック修道士に対しては容赦の無い描き方をしています。
教会の権力の強い時代のため自分でも描き過ぎには気を付けていたようで、
修正の跡も見られます。

「闘牛技」シリーズ 1816年初版
闘牛ファンだったゴヤは闘牛も版画にしています。
10点ほどが展示されていますが、
華やかな場面ばかりでなく、悲惨な事故や牛に倒されたピカドールも描いています。
単なるファンの目ではない、ゴヤの冷徹な目があります。

「蝶の牡牛 素描帖G 53番」 1824-28年
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ゴヤは晩年まで素描帖にさまざまの絵を描いています。
スケッチや風刺、さらに幻想的ものなど内容は多様です。
素描帖Gは晩年のもので、「蝶の牡牛」は背中に蝶の羽を生やした牡牛と、
蝶の羽を付けた人の顔です。
ゴヤの幻想には動物や妖怪がさかんに登場しています。

「自画像」 1815年
ゴヤ009

70歳近くの自画像です。
仕事着を着て画家であることを示し、ぼさぼさ頭は天才の象徴として描かれている
とのことです。
自負心にあふれた自画像ですが、悲惨なスペイン独立戦争を経た後のためか、
暗く沈んだ目をしています。

ゴヤは朝廷画家の職を続けますが、啓蒙思想に共感していたため、独立戦争の後に
復活した宗教保守派ににらまれます。
「裸のマハ」を描いたことで異端審問に呼び出されてもいます。
そのため、半ば亡命するような形で1824年にフランスに移り、そこで1828年に82歳で
亡くなっています。

スペイン絵画の影響を受け、「草上の昼食」や「オランピア」を描いて非難を浴びた
エドゥアール・マネが生まれたのは少し後の1832年です。
マネへの非難は芸術上の問題ですが、ゴヤの場合は異端審問です。
それだけ中世的なスペインの時代は長く、ゴヤの幻想も深くなったのかもしれません。

展覧会の題名の「光と影」にある通り、宮廷画家としての「光」と、素描や版画によって
描き出した、現在にも通じる人間の内面や不条理の「影」の両方を見せています。

私は展覧会へは初日の朝一番に行きましたが、会場はかなりのお客さんでした。
小品の素描や版画は観辛くなるので、早めに行かれることをお奨めします。

このゴヤ展について、かんべえさんがblogに興味深い記事を載せておられるので、
ご紹介します。


【2011/10/24 07:12】 美術館・博物館 | トラックバック(3) | コメント(2) |
「ブルー・ブリック・ラウンジ」 青山
表参道
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「ブルー・ブリック・ラウンジ」は地下鉄表参道駅から根津美術館に向かう道の
右側にあります。
場所は港区南青山5-3-3です。

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青色の建物はすぐ見付けられます。
こちらは「 ヨックモック青山本店」のカフェで、青山本店の出来たのは1978年、
リニューアルされたのは2年前とのことです。

すっきりとした店内は40席ほどで禁煙、中庭に30席ほどのテラス席もあります。
ピカソの陶器も飾ってあります。
BGMはクラシックでした。
根津美術館に行く前の朝10時の開店と同時に入ったので、まだお客さんは
誰もいません。

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お茶やケーキの他に、ランチにはガレットもあります。

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少し高くなった窓から通りを見下ろせます。

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コーヒー840円です。

ブ0101

お茶請けにヨックモックの代表的なお菓子、シガールが付いています。
シガールの発売は1969年とのことです。
コーヒーは軽い苦味系であっさりしています。

根津美術館の帰りに通ると、お客さんで賑わっていました。

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【2011/10/23 06:03】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「橋本不二子 作品展」 丸善丸の内本店
東京
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、「橋本不二子 作品展」が
開かれています。
会期は10月25日(火)までです。

橋001


橋本不二子さん(1935~)は明るい透明な色彩の水彩やアクリルで花の絵を
描いています。
薔薇の花など約90点の展示で、一緒にカレンダーや麻のティーマットなども
販売されています。
昨年もこちらで展覧会が開かれていました。

「やさしい色調のバラを集めて・・・」
橋002


「鮮やかな色彩のバラと小さな苺」
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「さわやかな色調のグリーンを・・・」
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白を背景にしてさわやかに咲き誇っています。

今年は産地の福島が東日本震災の影響を受けて、なかなか白い薔薇が
手に入らなかったそうです。

橋本不二子さんのHPです。


【2011/10/22 02:56】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ティーサロン アボリータム」 横浜駅
横浜
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「ティーサロン アボリータム」は横浜駅東口を出て、右斜め前の崎陽軒本店ビルの
1階にあります。
場所は横浜市西区高島2-13-12です。

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崎陽軒は創業1908年という老舗ですが、本店ビルが建ってからは15年ということです。
横浜駅のすぐ近くという便利な場所です。

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50席ほどの店内は全席禁煙、床はじゅうたんで、吹き抜けになっていて広々としています。
BGMはショパンでした。

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「アボリータム(arboretum)」とは樹木園という意味で、観葉植物が置いてあり、
ふかふかのシートもモスグリーンです。

ア0013


スコーンセット950円です。

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お茶はニルギリにしました。
ポットに入っていて、すっきりした味です。

ジャムなどあれこれ塗って、たっぷりの紅茶で楽しむことが出来ます。

こちらにはアフタヌーン・ティーセットもあって、ちょっとぜいたくな気分を味わえるお店です。


【2011/10/21 06:22】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「第65回記念 二紀展」 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館で開かれている、「第65回記念 二紀展」に行ってきました。
会期は10月24日(月)までです。

二001


二紀会は1947年設立の美術団体で、絵画部と彫刻部があります。

「華揺らぐ」 中西勝
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中南米の風景で、テーブルに乗せたアルマジロを老人が人びとに見せています。
空には日、月、星が出ていて、童話のような世界です。
中西勝さん(1924~)の作品には土俗的な温かみがあります。

「アルカディア遠望」 生駒泰充
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アルカディアは古代ギリシャにあったとされる理想郷です。
広々とした幻想的な風景で、緑色と茶色の対比が印象的です。

「織られし白き糸」 遠藤彰子
二004

(部分)
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500号2枚続きの大作で、展示されているのは左半分だけですが、天井に
届くほどの高さです。
遠藤彰子さん(1947~)は大作を手がけていて、その作品はミケランジェロの
天井画のようです。
ただ、描かれている世界は神の支配では無く、自然の巡りということでしょうか。

遠藤彰子さんのHPにはこの作品の制作過程も載せられていて、かなり図柄を
変えながら完成していく様子が分かります。

遠藤さんは叙情的性のある懐古的な雰囲気の作品も多く描いています。

「水鏡」 赤羽カオル
カワセミと水面に写る森の木々を写実的に描いています。
赤羽カオルさん(1949~)は自然の風景を題材にしていて、作品は静かで
深みがあります。

「沈黙の春-2011年3月」 佐田尚穂
日本海沿いの道にポツンと立っている木造のバス停を正面から細密な
写実で描いています。
佐田尚穂さん(1952~)さんは昨年までは手を描いた連作でしたが、
今年は風景です。

「おいなりさん、おいなりさん、いいイコトありますよ~に!」 都丸直子
極端に大きく描いた女の子の顔を中心にノスタルジックな世界が広がっています。

「取り残されて」 水巻令子
小さな女の子が部屋の中でこちらを振り向いています。
窓の向こうには廃墟のような建物が一つ見え、震災を暗示しています。
水巻さんの写実には優しい柔らかさがあります。

「種を持つ」 吉岡正人
まばらに木の生えた野原に立つ女性は植物の種を一つ持っています。
中世絵画のような静謐な空間が広がっています。

「美徳のルール I」「美徳のルール II」 渡辺香奈
女性の後姿、花、果物、野菜、そして黒猫などが画面を渦巻いている、
躍動感あふれる作品です。
赤を中心にした色彩も鮮やかです。
渡辺さんは会員、同人ではありませんが、会場に入ってすぐの第1室に
展示されていました。

今年の春に銀座の日動画廊で開かれていた、「渡辺香奈展 流れにめぐるものたちへ」の記事です。


会場には、私のblogを訪問して下さる何人かの方の作品も展示されていて、
とても楽しめる展覧会でした。

二紀会のHPです。
委員・会員の過去の作品を見ることが出来ます。


【2011/10/20 05:38】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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