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「古代アンデス文明展」 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では特別展、「古代アンデス文明展」が開かれています。
会期は2018年2月18日(日)までです。

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会場は一部を除き、撮影可能です

南米アンデス地域で、先史時代に始まり、16世紀にスペイン人によって滅ぼされた
インカ帝国で終わるさまざまな文化を紹介する展覧会です。
約1500年間、南北4000㎞、標高差4500mという時間空間の中で興亡した代表的な
9つの文化を中心にした展示です。

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パイハン文化(紀元前1万1000年~前7800年)の槍先型尖頭器です。
日本では縄文時代に当たります。
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カラル文化(紀元前3000年頃~前2000年頃)
ペルー中部海岸の漁労を中心とした文化です。

先土器文化で、この(土偶)も焼成されていません。
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チャビン文化(紀元前1300年頃~前500年頃)
ペルー北部高原の文化で、各地域の文化や宗教を統合した最初の文化とされています。

チャビン・デ・ワンタル遺跡の地下神殿の壁に嵌め込まれた石像で、コカの葉を噛んだ
人間の顔が神に変容していく様を彫っていると思われています。
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幾何学文様の入った石製すり鉢で、神聖な行事に使われるトウモロコシやイモを
加工するのに使われたようです。
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チャビン文化と同じ頃、チャビンの北にクピスニケ文化が興っています。
自分の首を刃物で切断している土器で、頸の血管まで表現されています。
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ナスカ文化(紀元前200年頃~紀元650年頃)
ペルー南部の乾燥地帯の文化で、地上絵で有名ですが、土器や織物にもすぐれています。

首の絵の描かれた壺で、口を開け、目が上を向いていることなどから、狩った首級か
奉納される首と思われるとのことです。
アンデス地域の文化では首に特別の力があるものとして重視されていました。
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髪の毛とスポンディルス貝で作った首飾りで、スポンディルス貝は金よりも貴重と
されていたそうです。
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モチェ文化(紀元200年頃~750/800年頃)
ペルー北部海岸の文化で、黄金製品と面白い形の土器で有名です。

胸飾りの一部と思われ、黄金に象嵌が施されています。
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ネコ科動物の毛皮を模した儀式用ケープで、首に掛け、背中に垂らしていたようです。
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チチャと呼ばれるトウモロコシ酒を造っている男女です。
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リアルな人面とあっさりと描かれた手足の組み合わせで、アンクルトリスのフィギュアを
思い出します。
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海の神(冥界の神)がいけにえを連れていて、魚の造形が見事です。
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トウモロコシの穂軸の形をした神の姿です。
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死者がシカを担いでいて、モチェでは死者が生者と一緒の世界にいることを示しています。
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ティワナク文化(紀元500年頃~1100年頃)
ティティカカ湖周辺で栄えた文化で、石造建築で知られています。

木製嗅ぎタバコ皿と吸入用パイプで、皿にはスポンディルス貝やくじゃく石が嵌められ、
パイプはヤクの骨で出来ています。
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耳飾りや口ピアスのような物を着けた成人男子の像で、アマゾン低地の住民の
可能性があります。
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金製の儀式用装身具で、くじゃく石が嵌めこまれています。
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ワリ文化(紀元650年頃~1000年頃)
ティワナク文化と同じ頃に、その北側に栄えた文化で、武力で領域を拡大し
他民族を支配した、アンデスで最初の帝国とされ、インカ帝国の軍事征服の
原型となったともいわれています。

文字を持たないアンデス文明では、結び目のある縄で情報を伝達するキープという物を
使っています。
インカの10進法に対してワリのキープは5進法を好んで使っていたそうです。
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高さ約70㎝の大きな香炉で、アンデスの貴重な家畜のリャマをかたどっています。
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飲酒儀礼に使われた大きな多彩色壺と鉢で、杖を持った神が描かれています。
儀式の後、念入りに割られて埋められていました。
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男性用のチュニックと思われ、階段の形をしたパーツをつなぎ合わせています。
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シカン文化(紀元800年頃~1375年頃)
南イリノイ大学教授の島田泉博士を中心にして研究された文化で、シカン文化の名も
島田教授の命名によるものです。
ペルー北部の文化で、在来のモチェ文化と外来のワリ文化を取り入れています。
多神教的なアンデス文明の中で、シカンは一神教の神、シカン神を信仰していました。

金合金の板を叩いてシカン神を打ち出した儀式用の飲料容器と、ヒ素青銅に
金メッキを施した儀式用ナイフです。
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金の板を叩いて作った同じデザインの65個のパーツを集めた胸飾りです。
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仔犬をくわえた親犬を表した土器で、繁殖や再生への関心を示しています。
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ロロ神殿「西の墓」の中心被葬者の仮面と頭骨で、共に赤い辰砂が塗られています。
頭骨は歯がしっかり揃っています。
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2009年に同じ国立科学博物館で開かれた、「黄金の都シカン展」の記事です。


チムー王国(紀元1100年頃~1470年頃)
アンデスの2つの文化中心地のうち、北部海岸を制した王国で、シカンの文化を吸収し、
強力な国家となっています。
しかし、もう一つの中心地、南部高地に興ったインカと1470年頃に戦い、敗れています。

チャンチャン遺跡の王宮の入口近くの壁に埋め込まれていた木像です。
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儀礼用の木杯で、貝殻や鉱石による細かい装飾が施されています。
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葬送行列の木製のミニチュア模型で、卵形の物は死者を布で包んだ葬送包みです。
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インカ帝国(紀元15世紀早期~1572年)
インカ帝国はスペインによる征服以前のアンデスの最大、最強、そして最後の政体ですが、
大規模な国家改造の途中の不安定な時期にフランシスコ・ピサロの率いる
スペイン軍に攻撃され、滅ぼされています。
インカ帝国の滅亡した時、日本は戦国時代で、織田信長が武田信玄や浅井朝倉と
戦っていた頃です。

インカのキープで、総延長4万㎞に及ぶインカ道をチャスキと呼ばれる飛脚がこれを
持って走っていました。
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アリバロ壺という、インカの儀礼に欠かせないチチャ(トウモロコシ酒を入れる、
インカ特有の容器です。
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いけにえの儀式で子供たちと共に神々に捧げられた、金合金の男女の小像です。
インカの金はスペインによって徹底的に略奪され、溶かされたため、残っている金製品は
数も少なく、小さいそうです。
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アンデス文明は長大な地域に長期間にわたって興亡したさまざまな文化の集合
ということで、観ていても知らない文化ばかりで、とても興味深いものがありました。
特にモチェ文化の土器は造形が面白く、すばらしいものでした。

ミュージアムショップには、リャマの人形やナスカの地上絵を彫った石もありました。

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展覧会のHPです。


【2017/10/31 19:49】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ガーデンハウス カフェ」 東京駅
東京
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「ガーデンハウス カフェ」は東京駅グランスタ丸の内にあります。
JR丸の内口の地下1階の駅の外にあり、改札に入らずに利用できます。

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鎌倉の「ガーデンハウス」の出しているベーカリーカフェで、今年8月のオープンです。
東京駅横のお店らしく朝7時から開いていて、モーニングセットもあります。

「ガーデンハウス」以外の評判のパンも販売していて、美味しそうなパンが
並んでいます。

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オリーブオイルやバルサミコ酢も販売されています。

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セルフのお店ですが、フードは席まで持ってきてくれます。

ピーナッツバターバナナトースト420円とコーヒー380円です。

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ピーナッツバターが効いて、しっかりした味わいです。
コーヒーは上島珈琲とのことです。

こちらはシナモンバタートースト380円です。

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お客さんの出入りも多く、東京駅らしい活気のあるお店です。


【2017/10/29 17:55】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」 東京都美術館
上野
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上野の東京都美術館では特別展、「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が開かれています。
会期は2018年1月8日(月・祝)までです。

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浮世絵や日本に高い関心を寄せていたフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の作品が
展示され、そのゴッホにあこがれ、終焉の地のオーヴェル=シュル=オワーズを訪れた
日本人たちについも紹介されています。


「花魁(溪斎英泉による)」 1887年 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
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1886年の「パリ・イリュストレ」誌の表紙を飾った溪斎英泉の浮世絵を基に描かれています。
背景は別の浮世絵から借りていて、この頃には浮世絵に強い興味を持っていたことが
分かりますが、赤、黄、青、緑と色彩は強く、ゴッホになっています。

溪斎英泉 「雲龍打掛の花魁」 
 1820~30年代 (文政後期~天保前期) 及川茂コレクション

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溪斎英泉(1791-1848)は武士の子で、美人画を得意としています。
「パリ・イリュストレ」誌の表紙では絵が左右反転していて、ゴッホもそれを写しています。

『「カフェ・ル・タンブラン」のアゴスティーナ・セガトーリ』 1887年 
 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

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パリ時代の作品で、モデルはゴッホの出入りしていたカフェのマダム、
アゴスティーナ・セガトーリです。
お店の名前の由来になった、タンバリンのようなテーブルに肘を置き、
煙草を手にしています。
パリの画塾で知り合ったロートレックに絵具の薄塗りを勧められて描いたそうで、
ゴッホにしてはさらりとしています。
テーブルと、変わった形の帽子の赤が印象的で、背景に浮世絵も見えます。
ゴッホはこの店で浮世絵展を開いたこともあるそうです。

「種まく人」 1888年 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
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木を画面の手前に大きく描くという、はっきりと浮世絵の影響の分かる作品で、
歌川広重に倣っています。
ミレーの「種まく人」のテーマへの関心はゴッホの初期の頃から続いています。
沈む太陽と、これから芽生える種という、生命の連環を表現しているとのことです。

歌川広重  「名所江戸百景/ 亀戸梅屋舗」 1857(安政4)年 中右コレクション
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「夾竹桃と本のある静物」 1888年 
 ヘンリー&ローズ・パールマン財団 (プリンストン大学美術館長期貸与)

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花も葉も花瓶から広がり、夾竹桃の生命力を感じさせる作品です。
ゴッホ特有のある種の息苦しさもあります。

「寝室」 1888年 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
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ゴッホの代表作で、自身がアルル時代の最良の作品と認めているとのことです。
「ここでは色彩がすべて」と、手紙にも書いているそうです。
きっぱりと明るい色遣いで、まったく影も無く、特にベッドの黄色が目を惹きます。
水色と黄色など、大胆な色の対比はゴッホの魅力です。
実際の部屋は台形で、右側の壁の方が長く、窓のある壁は斜めになっていたそうです。
建物は第2次世界大戦中の1944年にローヌ川にかかる橋を連合軍が爆撃した時に
損壊したということで、現存していません。

「タラスコンの乗合馬車」 1888年 
 ヘンリー&ローズ・パールマン財団 (プリンストン大学美術館長期貸与)

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タラスコンはアルルの北にある、ローヌ川沿いの町です。
南仏の明るい日の光を意識して白が強調され、影まで描かれています。

「ポプラ林の中の二人」 1890年 シンシナティ美術館(メアリー・E・.ジョンストン遺贈)
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亡くなる少し前に、終焉の地、オーヴェル=シュル=オワーズで描かれた作品です。
木々が一列に並んで奥行きがあり、二人の男女は林に溶け込むように
たたずんでいます。
真ん中に木の幹を据えるという思い切った構図ですが、これも浮世絵の影響が
感じられます。


ゴッホの死後、多くの日本人がゴッホに惹かれ、オーヴェル=シュル=オワーズを
訪れています。
ゴッホと交流があり、ゴッホの最期を看取った医師、ポール・ガシェ(1828-1909)の
遺族を訪ねた日本人の芳名録によって、ゴッホへの傾倒の強さが分かります。

佐伯祐三(1898-1928)や前田寛治(1896-1930)という、ゴッホと同じ早世の画家や、
日本画家の結城素明(1875-1957)の名前が見え、同じく日本画家の橋本関雪
(1883-1945年)が訪れた際のフィルムも上映されています。
日本でのゴッホ研究者として知られる、精神科医の式場隆三郎(1898-1965)に
ついての資料も展示されています。

前田寛治 「ゴッホの墓」 1923(大正12)年 個人蔵
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オーヴェル=シュル=オワーズのゴッホ兄弟の墓を訪れた前田寛治は
赤い花弁を摘んで、この絵に塗り込めたそうです。

佐伯祐三 「オーヴェールの教会」 1924(大正13)年 鳥取県立博物館
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ゴッホが描いたのと同じ教会を描いています。
最初にフランスに渡り、オーヴェル=シュル=オワーズに住むヴラマンクを
訪ねた頃の作品で、ヴラマンク風の荒々しさが見えます。
ヴラマンク自身、ゴッホの強い影響を受けた画家です。


ゴッホは浮世絵とわずかな文献などによって、現実とは異なる理想境としての
日本を思い描いていました。
日本では白樺派によってゴッホが紹介され、理想化され、憧れの対象となっています。
双方に共通して思い入れの強さのあるのは、なかなか興味深いところです。

展覧会のHPです。


次回の特別展は「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」です。
会期は2018年1月23日(火)から4月1日(日)までです。


上野広小路の証券会社のパンダもハロウィーンで盛り上がっています。

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【2017/10/28 16:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「SPLENDOR COFFEE」 田原町
田原町
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「SPLENDOR COFFEE」は東京メトロ田原町から浅草通りを東に行った所にあります。
場所は台東区寿4-13-10です。

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2016年のオープンで、20席ほどの店内は全席禁煙、入口側は大きなソファが
置いてあります。

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ブルックリンの雰囲気をイメージしているとのことで、壁に自転車が飾ってあります。
ナチュラルであることの象徴でしょうか。

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有田焼のカップが並んでいます。

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ホットドッグセット1100円は鎌倉ハムのソーセージをペリカンのパンに
挟んであるということで、活きの良い美味しさです。

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コーヒーはエチオピアシダモにしました。
さわやかな酸味です。

こちらはチーズベークドマカロニトーストセット1000円です。

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コーヒーはプラス50円で、カプチーノにしました。
ややぬるめでした。

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蔵前あたりは最近、カフェが増えてきましたが、こちらも個性があって面白いお店です。


【2017/10/27 20:33】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「オットー・ネーベル展 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
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渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「オットー・ネーベル展」が開かれています。
会期は12月17日(日)までです。

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オットー・ネーベル(1892-1973)はベルリン生まれで、第一次世界大戦で戦死した
フランツ・マルク(1880-1916)の回顧展を観て感銘を受けたことがきっかけで、
戦後の1919年に画家となっています。
そしてワイマールに滞在し、バウハウスで教えていたワシリー・カンディンスキー
(1866-1944)やパウル・クレー(1879-1940)と親交を深めます。
後にカンディンスキーはネーベルの作品をニューヨークのグッゲンハイム美術館が
購入することに尽力しています。

展覧会では影響を与えた、シャガール、カンディンスキー、クレーの作品や
バウハウス関係の資料も展示されています。

2010年に三菱一号館で開かれた、「カンディンスキーと青騎士展」の記事です。

2011年に東京国立近代美術館で開かれた、「パウル・クレー おわらないアトリエ」展の記事です。


「アスコーナ・ロンコ」 1927年 
 水彩、グアッシュ・紙、厚紙に貼付 ベルン美術館

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アスコーナはスイス南部、イタリアとの国境に近いマッジョーレ湖沿いの町です。
赤い尖塔はジュゼッペ・モッタ広場近くの教会のようです。
初期の作品で、幻想的な雰囲気や色彩の使い方など、シャガールの影響を
受けています。

「イタリアのカラー・アトラス(色彩地図帳)」より、「ナポリ」 
 1931年 水彩・紙 オットー・ネーベル財団

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1931年にイタリアに旅行し、各都市の印象をスケッチブックにまとめています。
抽象画的な表現で、明るい色彩の単純な四角形を並べ、色調の違いで
各都市の違いを表しています。
青い丸はナポリ湾でしょうか。

ところがドイツでは1933年にナチスが政権を握ったため、ネーベルは逃れて
スイスのベルンに移住します。
パウル・クレーも迫害を受け、同じ年にベルンに移住しています。

「避難民」 1935年 グアッシュ、インク・紙 オットー・ネーベル財団
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迫害を逃れて旅をする家族で、矢印が行き先を告げています。
聖書の「エジプトへの逃避」のイメージがあります。

「ムサルターヤの町 IV 景観B」 1937年 グアッシュ・紙 ベルン美術館
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建築を学んでいたネーベルは都市の景観を単純化された形で再構成しています。

現実を写すのではなく、抽象化されたものを描こうとしたネーベルは音楽の
絵画化を試みています。
音楽の絵画化はカンディンスキーも行なった表現です。

「ドッピオ・モヴィメント(二倍の速さで)」 1936年
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 ラッカー塗料・紙 オットー・ネーベル財団

強弱のリズムを絵にしたような感じです。

ネーベルは抽象化を進めて、音楽の他、古代ゲルマンのルーン文字や
古代中国の易経、旅行した中東の印象などに想を得た作品を描いています。

「明るい黄色の出来事」 1937年 油彩・キャンヴァス オットー・ネーベル財団
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「満月のもとのルーン文字」 1954年 
油彩・板、はめ込み式の枠 オットー・ネーベル財団

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木々と木の葉のようで、ゲルマンの森を思わせます。

オットー・ネーベルの作品は親交のあったカンディンスキー、クレーに近いものが
ありますが、色調は優しく、楽しげです。
細かい点をびっしり並べて均一な画面をつくるという、几帳面な描き方をしていて、
この画面の特徴は実際に作品を間近に観るとよく分かります。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「ルドルフ2世の驚異の世界展」です。
会期は2018年1月6日(土)から3月11日(日)までです。

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【2017/10/26 19:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
アルベルト・ヨナタン「TERRENE」展 銀座 ポーラ ミュージアム アネックス
銀座一丁目
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは、アルベルト・ヨナタン「TERRENE」展が
開かれています。
会期は11月5日(日)まで、入場無料です。
場所は中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビルの3階です。
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アルベルト・ヨナタンさんは2007年にインドネシアのバンドン工科大学陶芸学部を卒業し、
2012年にバンドン工科大学院修士課程を修了し、現在は京都を拠点に活動しています。

TERRENEとはラテン語のterra(土)に由来していて、陶磁器を使った作品を中心にした
展示です。

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「Mandala Study #4」 2015年 砂、テラコッタ
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インドネシア、ジャワ島のボロブドゥール遺跡を思わせる造形です。
ボロブドゥールは大乗仏教の遺跡で、曼荼羅世界を表しています。

「Solar Worship」 2015年 テラコッタ
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太陽崇拝という意味で、日の光のように伸び広がっています。

「Earthly Radiance」 2016年 テラコッタ
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鳥が集まって、大きな同心円を作っています。

「Axis Mundi」 2015年 紙にガッシュ、水彩、金泥、インク
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Axis Mundiは世界軸という意味で、天と地を結ぶシンボルを表します。

展覧会のHPです。


【2017/10/24 19:22】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(3) |
「橋本不二子 作品展」 丸善丸の内本店 2017/10
東京
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丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、今年も「橋本不二子 作品展」が
開かれています。
会期は10月24日(火)までです。

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橋本不二子さん(1935~)は明るい透明な色彩の水彩やアクリルで
花の絵を描いています。
ガラス器や陶磁器などに活けられたバラやアイリス、アジサイ、ブドウなど
さまざまな草花の絵や版画、来年のカレンダーや絵葉書が展示販売されています。

パットオースティンとボビージェームズ
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キャンティとラプソディーインブルー
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丸善のギャラリーも来週からはカレンダーのセールが始まります。

2016年の「橋本不二子展」の記事です。

橋本不二子さんのHPです。


【2017/10/23 20:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「CAFE SOSEKI」 新宿区立 漱石山房記念館 早稲田
早稲田・神楽坂・牛込柳町
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「CAFE SOSEKI」は今年9月に夏目漱石の旧居跡に建てられた
新宿区立漱石山房記念館の1階にあります。
場所は新宿区早稲田南町7です。

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10時のオープンで、記念館の観覧料なしで利用でき、休みは記念館の
休館日に準じます。

大きなガラス窓に面して席が並んでいて、南側を向いているので、
晴れた日は硝子戸の中は、まぶしいくらいの日当たりの良さです。

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棚には漱石の著作や関連図書が並んでいます。

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セルフ式のブックカフェで、「吾輩は猫である」にちなんで、猫がデザインされていて、
グッズも売られています。

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抹茶は宇治の上林春松本店のお茶を使っているそうです。

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カップにも猫の絵が描いてあります。

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空也もなかセット600円と、バターケーキ400円、ほうじ茶350円です。

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広島の長崎堂のバターケーキは、ほんのりバターの香りがして、カステラのような
味わいで、ほうじ茶とよく合います。
コーヒーは京橋の珠屋小林商店の豆を使っているそうです。
銀座の空也もなかは毎日11時に届けられるそうですが、数に限りがあるようです。

漱石の好きだったジャムを使ったメニューもあると面白いでしょう。

新宿区立漱石山房記念館の記事です。

漱石山房記念館のHPです。


【2017/10/22 14:00】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「新宿区立漱石山房記念館」 早稲田
早稲田・神楽坂・牛込柳町
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新宿区立漱石山房記念館は今年9月に夏目漱石の旧居跡に建てられた、
夏目漱石の記念館です。
場所は新宿区早稲田南町7です。
東西線早稲田駅から徒歩約10分、神楽坂駅から徒歩約15分、都営大江戸線
牛込柳町駅から約15分です。

地下鉄大江戸線牛込柳町駅から外苑東通りを記念館に向かう途中に
草間彌生美術館(要予約)があります。

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漱石の旧居跡は新宿区立漱石公園となっていて、そこに漱石山房記念館が
建てられました。
夏目家の玄関は格子戸の所にありました。

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入口にある夏目漱石の像です。

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記念館は地上2階、地下1階で、展示室、図書室、講座室、ミュージアムショップ、
ブックカフェがあります。
館内には黒猫の案内板があり、エレベーターや車椅子用トイレも完備しています。
観覧料は一般300円、小中学生100円です。
ショップには可愛い猫グッズもあります。

庭の道草庵には愛媛県松山市観光俳句ポストが置かれ、俳句の投稿を
受け付けています。

ブックカフェについては次の日に記事をUPします。

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記念館の周りには漱石山房にも植えられていた芭蕉の他、桜、柘榴、金木犀や
さまざまな草花が植えられています。

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漱石が文机の前に座っている写真で有名な書斎も再現されていて、
こちらは撮影可能です。

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夏目漱石が晩年を過ごした漱石山房は昭和20年5月25日の空襲で焼失しています。
この日の空襲で、漱石を慕っていた泉鏡花の麹町の家も消失しています。

「吾輩は猫である」のモデルとなった猫の13回忌の大正9年に、夏目家で飼っていた
猫、犬、小鳥のために、漱石の娘婿の松岡譲によって建てられた供養塔です。

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空襲で漱石山房が焼失した際に損壊しましたが、残った石材を使って昭和28年に
再建されました。
この時、鏡子夫人は存命で、展示室では除幕式に元気な姿で出席しているフィルムが
上映されていました。
現存する唯一の漱石山房の遺構とのことです。

漱石が「吾輩は猫である」を書いたのは、文京区の千駄木に住んでいた時のことで、
その家は現在、愛知県の明治村に移築されています。

展示室には自筆原稿や手紙、俳句の短冊などが展示され、正岡子規や寺田寅彦など、
漱石を取り巻く人びとについても紹介されています。

「三四郎」の中に出てくる、美禰子を描いた絵を佐藤央育(さとうえいすけ)さんが
推定試作した「森の女」も展示されています。

漱石が好んだ漢詩の短冊もありました。
明治43年10月27日の作で、漱石は8月に修善寺で大吐血し(修善寺の大患)、
10月に長与胃腸病院に入院しています。
伊達政宗の晩年の詩、「馬上少年過 世平白髪多」に倣っていますが、この時、
漱石は43歳です。

 馬上少年老 鏡中白髪新
 幸生天子国 願作太平民

漱石山房記念館のHPです。


【2017/10/21 16:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「梟書茶房」 池袋
池袋
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「梟書茶房(ふくろうしょさぼう)」はEsola池袋の4階にあります。
場所は豊島区西池袋1-12-1です。

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パスタやスイーツのメニューも揃っています。

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ドトール系列のお店で、今年の6月にオープンしています。
書店と一体となった店内は広く、テラス席のみ喫煙可、クラシックな雰囲気で、
本の閲覧も出来ます。

本の売り場では、「かもめブックス」の柳下さんの選んだ約2000冊の本が
中身の分からないようにブックカバーで袋綴じされ、紹介文だけが書かれた
シークレットブックとして販売されています。
数量限定で、シーズンごとにコーヒーとシークレットブックをセットにした
メニューもあります。

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支払いはテーブルに置かれたキーの番号で済ませます。

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チーズケーキ486円とブレンドコーヒー540円です。

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コーヒーは飲みやすい味で、チーズケーキは濃厚で甘く美味しいです。

何だか書斎に居るような気持になる、ゆっくりくつろげるお店です。


【2017/10/20 20:17】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」展 内覧会
新橋・汐留
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汐留のパナソニック 汐留ミュージアムでは、「表現への情熱 カンディンスキー、
ルオーと色の冒険者たち」展が開かれています。
会期は12月20日(水)まで、休館日は水曜日ですが、12月6、13、20日は開館しています。
10月16日に内覧会があったので、行ってきました。

カンディンスキーimg078


ドイツ表現主義の画家で、抽象絵画の創始者の一人となったヴァシリー・カンディンスキー
(1866-1944)と、宗教的で精神性の高い作品を描いたジョルジュ・ルオー(1871-1958)の
関係に焦点を当てた展示です。
また、カンディンスキーと親交があり、バウハウスで共に教えたこともある、パウル・クレー
(1879-1940)の作品も併せて展示されています。

内覧会では富安玲子学芸員の解説を伺いました。
会場の写真は特別の許可を得て撮影しています。

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第1章 カンディンスキーとルオーの交差点

カンディンスキーはロシア出身ですが、ドイツのミュンヘンで法律家になる勉強をしていた
ところ、モネの「積みわら」を見て、その色彩の表現に驚き、画家を志しています。

ヴァシリー・カンディンスキー 「商人たちの到着」
 1905年 麻布、テンペラ 宮城県美術館

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1905年のパリのサロン・ドートンヌに出展された作品で、モスクワ川を商船が
やってきたところでしょうか、人々が大勢集まっています。
輪郭線は太く、鮮やかな色彩が散りばめられ、ステンドグラスのように
きらめいています。

この展覧会にマティスやヴラマンク、ドランらが出展した作品の強烈な色彩などにより、
「フォーヴィズム」という呼び名が始まっています。
サロン・ドートンヌは1903年にマティス、ルオー、マルケ、ヴィヤール、ボナールらによって
設立された美術展覧会で、カンディンスキーは1904年から出品しています。

ジョルジュ・ルオー 「町外れ」 1909年 麻布、油彩・デトランプ 姫路市立美術館
寂しそうな家並みの間に人物が立っています。
この展覧会のために修復されての出品とのことです。
ルオーも写実を求めるのではなく、深い精神性を色彩で表しています。

カンディンスキーは1906~7年に恋人のガブリエーレ・ミュンターと共にパリに出て、
ギュスターヴ・モロー美術館にも行っています。
モローに教わったルオーが館長を務めていて、この時、二人は会っていたかも
しれないということです。


第2章 色の冒険者たちの共鳴

カンディンスキーやクレーの他、ドイツ表現主義の画家の作品とルオーの作品が
展示されています。

左:「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬)
  1914年 厚紙、油彩 宮城県美術館

右:ガブリエーレ・ミュンター 「抽象的コンポジション」
  1917年 板、油彩 横浜美術館

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左はシボレーの創立者の一人、エドウィン・R・キャンベルのニューヨークの自宅に飾る
4枚の壁画の注文を受けて制作された習作です。
抽象化が進み、3原色がにぎやかに響き合っています。

右のガブリエーレ・ミュンターも画家で、カンディンスキーのパートナーでしたが、1916年に
別れた後、ナチスによるいわゆる退廃芸術弾圧時代にも彼の作品を守り続けています。

左:エーリヒ・ヘッケル 「木彫りのある静物」  1913年 麻布、油彩 広島県立美術館
中:マックス・ペヒシュタイン 「森で」 1919年 画布、油彩 高知県立美術館
右:ハインリヒ・カンペンドンク 「少女と白鳥」 1919年 画布、油彩 高知県立美術館
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左のエーリヒ・ヘッケル(1883-1970)はドイツ表現主義のグループ、「ブリュッケ」の
創立メンバーです。
ドイツ表現主義は20世紀初めにドイツで起こった芸術運動で、対象を写すのではなく、
自己の内面の表現を目指しています。
社会的不正の告発や不安の表出に特徴があり、暗めで荒々しさのある作品が
多いようです。

中のマックス・ペヒシュタイン(1881-1955)は「ブリュッケ」に参加し、南太平洋への旅行で
ゴーギャンの作品に影響を受けています。

右のハインリヒ・カンペンドンク (1889 – 1957)はフランツ・マルクの動物画の影響を受け、
動物もよく描いています。


第3章 カンディンスキー、クレー、ルオー —それぞれの飛翔

3人の作品の展示です。

中:ヴァシリー・カンディンスキー 「活気ある安定」
 1937年 麻布、混合技法 宮城県美術館

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整然とした画面で、色彩の対比も面白くまとめられていて、カンディンスキーも
ここまで来たか、という感じです。
カンディンスキーによれば、それぞれの形の間には緊張関係があり、
一方でそれを緩める作用も働いているとのことです。

左:パウル・クレー 「グラジオラスの静物」 1932年
 紙、水彩・インク、台紙に添付 宮城県美術館
右:パウル・クレー 「橋の傍らの三軒の家」 1922年
 紙、水彩、台紙に添付 宮城県美術館

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右はバウハウスでの講義ノートには、オレンジ色と青色を加熱と冷却に結び付けた
説明が書かれていたそうです。

左はナチスを逃れてスイスのベルンに亡命する前年の作品です。
グラジオラスを赤系統の色、花瓶を水色で表しています。

左:パウル・クレー 「綱渡り師」 1923年 紙、石版 宮城県美術館
右上:ヴァシリー・カンディンスキー 「素描」 1923年 紙、インク・ペン 宮城県美術館
右下:ヴァシリー・カンディンスキー 「素描」 1927年 紙、墨 宮城県美術館

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富安さんのバッグも右下の音楽的な素描をあしらったものでした。


会場の最後にはロシアの雑踏の中での撮影スポットもあります。
撮影端末に自分や背景が映っていて、画面にタッチすると撮影され、
画像を自分のPCからダウンロード出来ます。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「ヘレンド展 ― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯 ―」展です。
会期は2018年1月13日(土)から3月21日(水・祝)までです。

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【2017/10/19 19:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「シャガール 三次元の世界」展 東京ステーションギャラリー
東京
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東京駅の東京ステーションギャラリーでは、「シャガール 三次元の世界」展が
開かれています。
会期は12月3日(日)まで、入館料は一般1300円です。
10月22日までの前期と、24日からの後期で、一部展示替えがあります。

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マルク・シャガール(1887-1985)が晩年に数多く制作した彫刻に焦点を当て、
平面作品と対比する展覧会です。
約170点の展示作品のうち、50点は彫刻、10点は陶器などの立体作品です。

「誕生日」 1923年 AOKIホールディングス蔵
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1915年に描かれた作品の、シャガール自身による忠実な模写です。
1915年7月7日のシャガールの誕生日に花束を持って訪れた恋人のベラを迎える
シャガールです。
シャガールは浮遊して、ベラにキスし、その幸福感を表しています。
ユダヤ人だったシャガール夫妻はナチスの迫害を恐れて1941年にフランスから
アメリカに渡っていますが、ベラは1944年に病死しています。

「ふたつの頭部と手」 1964年 個人蔵
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1923年の「誕生日」と同じモチーフによる彫刻で、大切にされてきたモチーフである
ことが分かります。

「二重肖像」 1924年 名古屋市美術館
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パレットを持ち、キャンバスに向かうシャガールと、白いドレスに身を包み、
花束を持ってそれを見つめるベラです。
人物を重ねるようにして描くのは、シャガールの作品によく見られる特徴で、
花束とパレットの色も揃っています。す。

「たそがれ」 1938-43年 個人蔵
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故郷のヴィテブスクの冬景色が背景で、パレットも白色です。
シャガールの絵によく描かれるニワトリやロバもいます。
こちらも顔を重ねていますが、赤、白、青の三色なのは、活動の場だった
フランスを表しているのでしょうか。

「紫色の裸婦」 1967年 個人蔵
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月夜の情景で、紫色の裸婦、赤いアルルカン、青いヤギ、黄色い月光と、
色彩が輝き、特に紫色が印象的です。

「青いロバ」(背面/正面) 1954年 個人蔵
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シャガールは第2次世界大戦が終わり、フランスに戻った後の1949年から
陶器の制作を手掛け、約230点を制作したそうです。
壺などの形を基にしながら自由な造形で、多くは彩色されています。

「空想の動物(ロバ/空想の馬)」 1952年 個人蔵
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石膏像で、動物の体に抱き合う人物が彫り出されています。
ユダヤ教の中の神秘思想、ハシディズムでは罪人の魂は物言えぬ動物に
転生すると考えられていて、シャガールの作品に動物がよく登場するのは、
そのことが反映しているかもしれないそうです。

「地上の楽園」 1969年 個人蔵
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大理石の浅浮彫で、プリミティブな雰囲気は中世の教会建築の柱頭彫刻を
思わせます。

「ヤコブの梯子」 1973年 個人蔵
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ヤコブの梯子は旧約聖書創世記でヤコブが夢に見たという、天と地を結ぶ梯子で、
天使が昇り降りしていました。
神はその地をヤコブに与え、子孫の繁栄を約束しています。
シャガールはよく聖書の世界を題材にしています。

色彩豊かな絵画作品とともに展示された陶器や彫刻は、今まで知らなかった
立体作家としてのシャガールを見せてくれて、とても興味深い展覧会です。

2010年に東京藝術大学大学美術館で開かれた、「シャガール展」の記事です。

2012年に日本橋髙島屋で開かれた、「シャガール 愛をめぐる追想展」の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「鉄道絵画発ピカソ行き コレクションのドアが開きます」展です。
会期は12月16日(土)から2018年2月12日(月・祝)までです。


【2017/10/17 19:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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Author:chariot
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