「東洋文庫ミュージアム」 駒込
駒込・千石
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東洋文庫ミュージアムは駒込の東洋文庫の中にあります。
六義園の側の不忍通り沿いで、場所は文京区本駒込2-28-21です。

東1316

東1312


東洋文庫は三菱財閥の第三代当主岩崎久彌が1924年(大正13年)に設立した
日本で最古・最大の東洋学の研究図書館で、蔵書は約95万冊です。

東洋文庫ミュージアムは2011年10月に設けられた展示スペースで、国宝などの
貴重書や資料を展示しています。
館内は一部を除いて撮影可能です。

以前に行った時の記事をアップしないでいる内に、ミュージアムは展示替えのため
3月6日(火)まで休館になりました。
3月7日(水)からは企画展「東インド会社とアジアの海賊」が開かれるとのことです。


ミュージアムに入った所にあるオリエントホールです。
東1304

「広開土王碑拓本レプリカ」
東1224

高句麗の好太王(広開土王)の業績を称えるため、414年に建てられたとされる石碑で、
現在の吉林省にあります。
高さ約6.3mあり、碑文の中に「倭」についての記述があって、解釈が議論されています。
東1226

「満洲語本三国志」 1979年
東1240

満洲語による三国志演義です。
満洲文字はモンゴル文字を改良して作られ、左から右に読み進みます。
現在、満洲語は消滅の危機にある言語とのことです。

「新井白石遺書」 18世紀初め
東1233

新井白石のノートです。
聖徳太子の「冠位十二階」について書かれている部分です。

「難船人帰朝記事」 1852年
東1236

船が難破し、救助されてアメリカに渡ったジョン万次郎(仲濱萬次郎)の経験談の
聞き書きです。
英語の発音部分で、母はマーザ、子はチリレンとなっています。

「ロビンソン・クルーソー漂流記」 1719年
東1247

ダニエル・デフォーの小説で、初版と同じ年に出された本です。
主人公は自分のおかれた状況の悪い点、良い点を貸借対照表のように列挙して
みるなど、合理的な精神を示しています。

「国富論」 1776年
東1242

アダム・スミスの国富論の初版本です。

「見えざる手」の部分の記述で、「led by an invisible hand」となっています。
「s」の字体が「f」に近い形をしています。
東1244


2階に上がった所にあるモリソン書庫です。
東1293

1917年に岩崎久彌が北京駐在のモリソン博士から購入した約24000点の
書籍・資料が展示されています。
見上げるばかりの圧倒的な迫力です。

「死者の書」
東1298

チベット仏教の経典で、死後49日間の生と死の中間期に正しい仏の教えを聴くと
解脱出来るとするものです。
僧侶で探検家の河口慧海(1866-1945)が当時、鎖国状態のチベットに潜入して
持ち帰った品です。


ディスカバリールームは東洋と西洋との間の発見(ディスカバリー)についての展示です。
現在は「東アジアのキリスト教」と「激動の近代東アジア(辛亥革命百周年記念展示
含む)」の2つの展示です。

「ルター訳聖書」 1686年 ニュルンベルク刊
東1278

ラテン語だった聖書をルターがドイツ語に訳したもので、旧約、新約を一冊に
まとめてあります。
イエズス会はルターの宗教改革に対するカトリック側の対抗宗教改革の
運動を担いました。
フランシスコ・ザビエルはイエズス会士として日本に渡っています。

「イエズス会士書簡集(アントワネット旧蔵版)」 1780-83 パリ刊
東1282

フランスのイエズス会士の書簡集で、ヨーロッパの中国趣味(シノワズリ)に
影響を与えたとされています。
マリー・アントワネットの愛蔵本で、ブルボン家の紋章で飾られています。

「安政五箇国条約」
東1270

井伊直弼が結んだ日米修好通商条約です。
徳川将軍を日本大君と記しています。
いわゆる不平等条約で、この改正がその後の日本外交の懸案になりました。

同じ内容のイギリス、フランス、ロシア、オランダとの条約です。
東1272


「プチャーチン以下露国船来朝、戸田浦にて軍艦建造図巻」 1855年頃
東1283

東1285

東1286

東1287

デジタルブックになっていて、画面を操作して観ることが出来ます。
日本との条約締結のため来日したロシアのプチャーチン一行の乗船ディアナ号が
安政大地震に遭って損壊しています。
そのため伊豆の戸田(へだ)村で船大工たちがロシア人の指導で代船を建造した時の
模様を描いた絵巻です。
日本人が建造した初の洋式船で、1855年(安政2年)に完成し、戸田村にちなんで
ヘダ号と命名されています。
この絵巻ではヘダではなく、ヒコナとなっています。
皆が大喜びしている様子が描かれ、ロシアの軍艦旗の聖アンドレイ旗も見えます。
これから50年経った1905年(明治38年)に、日本海軍はこの旗を翻したロシアの
バルチック艦隊を日本海海戦で打ち破っています。


中国の辛亥革命関係の資料も何点か展示されていますが、ここは撮影禁止です。

「孫文・宮崎滔天の筆談残稿(宮崎家資料)」
宮崎滔天(みやざきとうてん)(1871-1922)は辛亥革命を支援した革命家として
知られています。

「毛沢東の手紙1917年3月(宮崎家資料)」
宮崎滔天に宛てた手紙で、「湖南省立師範学校学生 蕭植蕃 毛澤東」と連名に
なっていますが、毛沢東の字とのことです。
やや右肩上がりで丸みのある筆跡です。

「明徳親民(孫文軸)」
孫文の書を掛け軸にしたものです。

「蒋介石の近衛文麿宛の手紙(宮崎家資料)」
蒋介石関係の資料も何点か展示されています。


モリソン書庫の裏側の、回顧の路という細い通路の床です。
東1262

ここは照明を暗くして、クレバス・エフェクトという、通るのが怖い仕掛けがしてあります。

「甲骨卜辞片」 紀元前17-11世
東1264

動物の骨や亀の甲羅に刻んだ占いの文字で、漢字の原型とされています。


国宝の間には国宝が展示されています。
東1255

「文選集注 第四十八巻」 平安時代(10世紀頃) 国宝
東1250

文選集注(もんぜんしっちゅう)とは中国の詩文集、「文選」の注釈を集めたものです。
東洋文庫の所蔵品は日本で筆写されたものです。

「東方見聞録」 1845年 アントワープ刊
東1257

ラテン語に訳されたもので、刊本としては世界で3番目に古く、ヨーロッパで最初期の
活字本でもあります。
東方見聞録はヨーロッパに初めて日本がジパングとして紹介された書物です。

各種の東方見聞録のコレクションです。
東1261


館内には東洋文庫のオリジナルテーマソングがBGMとして流れています。
作曲はフォークソンググループ、ブラザース・フォーのボブ・フリック氏によるものです。
ブラザース・フォーは義和団の乱を題材にしたアメリカ映画、「北京の55日」の主題歌も
歌っています。
義和団の乱(1900年)は清朝末期に起きた反西洋の動乱で、東洋と西洋の衝突を
象徴する事件です。


ミュージアムショップには大英博物館のグッズもあります。
東1310


ミュージアムはさまざまの興味深い資料が揃い、知の世界を満喫できる空間でした。
特に日本と海外との関係、幕末以降の日本のアジアへの指向の様子を見せてくれる
展示でした。

東洋文庫ミュージアムのHPです。

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【2012/02/28 04:34】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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