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「日本赤十字社所蔵アート展」 損保ジャパン東郷青児美術館
新宿
chariot

新宿の損保ジャパン東郷青児美術館では「日本赤十字社所蔵アート展」が
開かれています。
会期は2月19日(日)までです。
東日本大震災チャリティー企画による展覧会で、観覧料は日本赤十字社に
寄付されるとのことです。

日001


日本赤十字社は1877年(明治10年)の西南戦争の時に、佐野常民と旧大名の
大給恒(おぎゅうゆずる)らによって熊本に設立された博愛社を前身としています。
佐野はパリ万博に佐賀藩から派遣された折に赤十字社の存在を知り、西南戦争では
佐賀で医師や看護人を雇って各地で負傷者の救護に当たっています。
日本は1886年にジュネーヴ条約(赤十字条約)に加盟し、1887年に博愛社は
日本赤十字社に改称しています。

「アンリ・デュナン肖像」 増田誠 1981年頃
日011

赤十字社の創設者、アンリ・デュナンの像です。
こちらに向かって大きく描かれた手が印象的です。

増田誠は東郷青児がデュナンの業績に感銘を受け、デュナンが赤十字社を設立する
きっかけとなった1859年のソルフェリーノの戦いを題材にした作品も描いたのを見て、
自分も同じテーマの作品を描いています。
ソルフェリーノの戦いはイタリア独立戦争の1つで、フランスおよびサルデーニャ王国の
連合軍とオーストリア軍との間の戦いです。

T.UCHINO 「博愛社救護所」 制作年不明
日005

西南戦争での救護所の様子で、民家を使った救護所に負傷兵を運び込んでいます。
まだ髷を結っている人も見えます。
この頃の博愛社のマークは日の丸の下に赤の一文字です。

東郷青児 「ナース像」 1974年
日003

戦時の救護服を着た看護婦の姿で、モデルは日赤の看護学生です。
背景は異国の山河を象徴しているのでしょう。
日赤の依頼で描かれた作品で、東郷青児スタイルで描かれていますが、実際の
スカート丈はもっと長かったそうです。

日赤の所蔵美術品の多くは1977年の創立100周年を記念して美術家たちから
寄贈された作品で、そのきっかけは東郷青児による寄贈とのことです。

藤田嗣治 「佛印メコンの廣野」 制作年不明
日006

従軍画家として佛印(フランス領インドシナ)に派遣されたときの作品と思われます。
水戸徳川家13代当主で日本赤十字社7代社長の徳川圀順(とくがわくにゆき)が
社長室に飾り、退任に際して日本赤十字社に寄贈した作品とのことです。
広々とした空ですが南国にしては暗めの色彩で、パリで人気画家だった頃の藤田の
画風とは雰囲気が異なります。

小磯良平 「集い」 1977年
日002

小磯良平らしい安定した画面の群像で、左の背景を暗く、右を明るくして変化を
付けています。
色彩も落着いていて、女性の持つ帽子とリュートを持つ男のシャツの赤色が
眼を惹きます。

東山魁夷 「晴れゆく朝霧」 1979年
日004

黒部峡谷が題材で、霧の中に浮かび上がる深山を水墨画のように描いています。

パブロ・ピカソ 「アトリエの画家」 1963年
日008

梅原龍三郎は新作を寄贈しようとしたものの高齢と体調不良のため断念し、
代わりにピカソから贈られたこの作品を寄贈しています。
ピカソ晩年の自由な境地の作品です。

梅原龍三郎 「パリス審判図」 1939年
日007

梅原龍三郎自身の作品の寄贈が無くなったことを知った日赤関係者の寄贈した
作品とのことです。

杉本健吉 「牡丹」 1977年 
日009

豪華な牡丹の絵で、背景の金地には和の趣きがあります。

結城天童 「爛漫(月山)」 制作年不明 
日010

近景に山桜、遠景に残雪の月山をみずみずしく描いています。
結城天童は山形県出身で、桜の春には思い入れが深かったことでしょう。

石踊達哉 「秋涼」 1995年
日012

新しい作品も展示されています。
桔梗、萩、薄、女郎花に月を配した、装飾性にあふれた作品です。


日本赤十字社の歴史や現在の活動も知ることの出来る興味深い展覧会でした。

展覧会のHPです。

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【2012/01/20 04:16】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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