「ザ・タワー~都市と塔のものがたり~」展 江戸東京博物館
両国
chariot

両国の江戸東京博物館では「ザ・タワー~都市と塔のものがたり~」展が
開かれています。
会期は5月6日(日)までです。

タ001


5月22日の東京スカイツリーの開業にちなんでの特別展で、約370点の
版画などの資料が展示されています。

「塔」はサンスクリット語の「ストゥーパ」が語源で、元は釈迦の遺骨の仏舎利を
納めるお墓でした。
やがて五重塔のような塔に変化していきます。

「谷中天王寺」 はがき版錦絵 井上安治 明治時代前期 江戸東京博物館
タ002

五重塔は寛政3年(1791)の再建で、高さ約34mありました。
幸田露伴の「五重塔」の舞台ともなりましたが、昭和32年(1957)に放火心中事件により
焼失してしまいました。
井上安治(1864~1889)は小林清親に師事した浮世絵師、版画家で、風景画を
得意としましたが夭折しています。

「金銅舎利容器」「銅経塚」 江戸時代 護国山天王寺
谷中天王寺の五重塔の心礎に埋納されていた品です。
舎利容器は元は心礎に置かれていたのが時代が下るにつれ塔や金堂内に安置される
形が多くなりましたが、天王寺では珍しく心礎に置かれていました。

「江戸一目図屏風」 六曲一隻 鍬形蕙斎 文化6年(1809) 津山郷土博物館
3月19日までの展示です。
隅田川の東岸の空の上から見たように江戸の街を描いた有名な屏風で、
東京スカイツリーの展望台から見た景色に近いとのことです。
鍬形蕙斎(くわがたけいさい)(1764~1824)は浮世絵師で、後に津山藩の
御用絵師にもなっています。

「東京府金龍山浅草寺五重塔修復之図」 錦絵 3代歌川国貞 
 明治19年(1886)  江戸東京博物館
タ004

1855年の安政江戸地震で損壊した浅草寺五重塔の修復に際して、料金を取って
工事用の足場に見物人を上らせました。
凌雲閣(浅草十二階)などの、料金を取って上らせる高層建築のきっかけになった
ということです。
上手いことを考えた人もいたものです。

「浅草公園凌雲閣登覧寿語六」 木版双六 3代歌川国貞
 明治23年(1890) 江戸東京博物館
 
タ009

凌雲閣は明治23年(1890)に開業した高層建築で、10階までは煉瓦建て、
上2階は木造でした。
高さは約52mあり、中は物品販売所になっていました。
浅草のランドマークでしたが、大正12年(1923)の関東大震災で崩壊してしまいました。

平常展に展示されている凌雲閣の模型です。
江1626

煉瓦建てなので、何となくバベルの塔を思い出します。

「風船乗評判高楼(ふうせんのり うわさのたかどの)」 錦絵 3代歌川国貞 
 明治24年(1891) 江戸東京博物館

タ010

明治23年(1891)年にイギリス人のスペンサーが気球に乗って高く上がり、
そこからパラシュートで飛び降りるというパフォーマンスを披露しています。
上野公園での実演では、一目見ようと浅草の凌雲閣にまで見物人が押しかけた
ということです。
五代目尾上菊五郎はこれに魅了され、河竹黙阿弥に台本を依頼して歌舞伎に
仕立て上げ、舞台ではスペンサーに扮して宙乗りを見せています。

「大阪 通天閣」 絵葉書 昭和20年以降 江戸東京博物館
タ003

明治45年(1912)に第5回内国勧業博覧会の跡地に建てられた初代の通天閣です。
高さ約75m、パリのエッフェル塔と凱旋門を合わせたようなデザインで、ライオン歯磨の
広告が付いています。
太平洋戦争中の昭和18年(1943)に火事のため損壊したため、鉄材を軍需物資として
供出するため、解体されました。

「エッフェル塔のサーチライト」 リトグラフ ジョルジュ・ギャレン
 1889年 オルセー美術館

タ011

月の夜空から万博会場のパビリオンをサーチライトで照らし、新しい都市景観を
見せています。

エッフェル塔は建設時の高さ312m、1889年のパリ万国博覧会に合わせて
建設されています。
近代工業技術の象徴ですが、パリの街と良く調和しています。
それでも建設時には反対論も多かったそうです。

「1900年パリ万博の全景」 リトグラフ G.グリベル 1900年 オルセー美術館
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1900年に開かれたパリ万国博覧会ではエッフェル塔の改造計画が立てられ、
さまざまな案が出されましたが、結局は原型通りとなりました。
改造案を見ると、脇に小さな塔を付けたり、東南アジアの寺院風に仕立てたりと、
面白いアイデアが出されています。

「東京タワー」 木版 笠松紫浪 昭和34年(1959) 江戸東京博物館
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ランプが点灯し、サーチライトに照らされた東京タワーです。
夜の景観を柔らかく叙情的に描いています。
笠松紫浪(1898~1991)は鏑木清方に師事し、版画家として活躍しています。

東京タワーは昭和33年(1958)の完成で、高さは333mあります。
初めて上って展望台から見渡したとき、東京の街のあまりの広さに
軽くめまいがしたことを覚えています。

「東京スカイツリー全景写真」
タ007

高さ634m、ムサシ(武蔵)と言う通り、関東平野の遠くからでも見えるランドマークです。
東京スカイツリーによって東京の風景は大きく変わりました。

江戸東京博物館から見た東京スカイツリーです。
江1644

会場では展覧会のPRキャラバン隊、「えどはくタワーズ」のパフォーマンスが
披露されていました。
週末を中心に登場するそうです。
江戸0006

左から「凌雲閣さん121歳」「エッフェル塔さん122歳」「通天閣くん55歳」
「東京タワーくん53歳」です。

「通天閣くん」の司会は大阪弁が入っています。
江戸0002

展覧会のHPです。

銀座で見かけた歌舞伎のポスターです。
中村勘九郎の襲名披露の口上の場にも東京スカイツリーが居並んでいます。
江戸0106


人間の、高い所への憧れ、そこに上りたい欲望というのはバベルの塔以来、
現在まで続いていて、尽きることは無いようです。

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【2012/03/03 04:21】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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