「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展が
開かれています。
会期は6月10日(日)まで、4月23日(月)のみ休館です。

レオナルド001


レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)の作品、「ほつれ髪の女」や、弟子との共作、
弟子やレオナルド派の作品、資料など約90点の展示です。

「岩窟の聖母」 レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子 1495-97年頃 個人蔵
レオナルド002

個人蔵のため公開される機会の少ない作品とのことです。

「岩窟の聖母」はパリのルーヴル美術館蔵とロンドンのナショナル・ギャラリー蔵の
2つがよく知られています。
レオナルドは1483に祭壇画の注文を受けますが、作品の受け取りについて依頼主との
間で揉め事が起こり、25年後の1608にようやく決着して引き渡されています。
これがナショナルギャラリー版です。

ルーヴル版は制作の経緯が分かっていません。
ルーブル版では右側の天使はこの絵を観ている人の方を見ながら左側の幼児を
指差しています。
ナショナルギャラリー版では天使の手は描かれず、視線もこちらを向いていません。
また、3人の頭には光輪が加えられ、左の幼児には十字架を持たせて、こちらの子が
洗礼者ヨハネであることが分かるようにしています。
ただ、ルーブル版で天使が指差しているということは、左の子がイエスとして描かれて
いたのではないかとも言われています。

先ず、ルーブル版が描かれ、その後に左の子を洗礼者ヨハネとする形に再製作されて、
依頼者に渡されたのではないかとされています。
私も天使がそこに居ることに意味のあるルーブル美術館版が先であり、左の子が
イエスであるように思えます。
合掌する左の子が祝福のポーズを取る右の子を礼拝しているようにも見えることからも
図像の解釈に混乱が起きているようです。

今回展示されている作品はほぼルーブル版と同じ形ですが、聖母に光輪が付き、
背景もナショナル・ギャラリー版に近くなっているので、両者の中間に描かれた作品
なのかもしれません。
当時の画家は工房で弟子たちとともに描くのが普通で、同じような図柄が何点も
描かれたりしています。

「レダと白鳥」 レオナルド周辺の画家 16世紀 ボルゲーゼ美術館蔵
ボ1-17-2010_003

ギリシャ神話の、ゼウスが美しいレダを誘惑しようと、白鳥に身を変えて近づいた
という話で、今は失われたレオナルドのオリジナル作品に依っているとされています。
レオナルドらしく、レダの表情はどこか謎めいています。

足元の鳥や草花は長谷川潔の版画によく似ていると思いましたが、これは後の加筆で、
フランドル派風の描き方とのことです。

この作品は2010に東京都美術館で開かれていた、「ボルゲーゼ美術館展」にも
出品されていました。

「アイルワースのモナ・リザ」 16世紀 個人蔵
レオナルド003

イギリスのアイルワースで発見されたことからこの名が付いています。
この展覧会で一番驚いたのがこの作品です。
「モナ・リザ」の顔が若々しくなっているのです。
しかも、一緒に並んでいる模写や模倣の「モナ・リザ」とまったく違って、
繊細で気品があり、組んだ手の表現も巧みです。
もしレオナルドが若い「モナ・リザ」を描いたらこうだろうと思わせるものがあります。

「モナ・リザ」のモデルとされる女性は描かれた当時、20歳代半ばだったとのことで、
年齢的にも合います。
レオナルドが制作中の「モナ・リザ」をラファエロが模写した素描に描かれている
両側の柱もこの絵には描かれています。
なぜか背景は未完成の状態です。

ただ、「モナ・リザ」とあまりにも似ているので、ちょっと不思議な気もします。
この作品がレオナルドが最初に描いていた「モナ・リザ」かどうかは分かりませんが、
とても魅力のある作品です。

「ほつれ髪の女」 レオナルド・ダ・ヴィンチ 1506-08年頃 パルマ国立美術館蔵
レオナルド005

この展覧会で確実にレオナルドの描いた作品とされるのはこの絵を含め数点の
習作のみです。

ほつれた髪は大まかに表したままで、うつむいた顔には光による陰翳を付け、
かすかな憂いを帯び、慈愛に満ちた伏し目の表情を描き出しています。
聖母像の習作かとも思われますが、古典的優雅さと人間的感情の溶け合った作品で、
ルネサンス絵画の到達点を観る思いがします。

2010年12月から2011年2月まで日比谷公園の特設会場)で開かれていた、
「特別展 ダ・ヴィンチ~モナリザ25の秘密~」の記事はこちらです。

関連記事

【2012/04/08 04:00】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/1406-a3a5c211

blog_name=【弐代目・青い日記帳 】 ♥   「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」
 
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の 「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展に行って来ました。 展覧会公式サイト http://davinci2012.jp/ 静岡市美術館、福岡市美術館と巡回しやっと
【2012/04/08 21:04】

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |