「悠久の美―唐物茶陶から青銅器まで」展 出光美術館
日比谷・有楽町
chariot

日比谷の出光美術館では、「悠久の美―唐物茶陶から青銅器まで」展が
開かれています。
会期は6月10日(日)までです。

悠久001


出光美術館は中国の青銅器のコレクションも充実しています。
普段はあまり展示されませんが、今回は13年ぶりに開かれる展覧会で、
約60点の青銅器を含め、約160点が展示されています。

4月12日には学芸員の方による列品解説があったので、行ってきました。

展示は以下の章に分かれています。

第1章 唐物荘厳―まだ見ぬ中国文化に憧れた日本
第2章 三代憧憬―いにしえの古代王朝に思いを馳せた中国
第3章 源流遡上―古代中国工芸の精華

第1章 唐物荘厳―まだ見ぬ中国文化に憧れた日本

日本では昔から中国からの輸入品を珍重し、特に鎌倉時代以降に
禅宗文化と共にもたらされた品を唐物(からもの)として尊んできました。

「青磁下蕪瓶」 修内司官窯 南宋時代 重要文化財
茶4-6-2010_002

ふっくらとした形の青磁の瓶です。
藤色をした貫入(釉薬のヒビ)が適度にあって、景色になっています。
最近、これと同じ形の陶片が杭州市の修内司(しゅうないし)官窯跡から
発見されたので、この瓶も修内司官窯製と特定されたとのことです。
官窯(宮廷の窯)の製品だけあって、上品な姿です。

「青磁浮牡丹不遊環耳瓶」 龍泉窯 南宋時代
悠久003

古代青銅器の形を模していますが、耳に付けた環は釉薬によって器に
貼り付いて動かないので、「不遊環」の名が付いています。


中には中国では容器などの生活雑器として使われていた物の中に日本の茶人が
美を見出し、茶入や茶壺などの茶道具として珍重した品もあります。

「唐物茶壷(黒褐釉四耳壷)」 銘 羽衣 大名物 福建又は広東系 
 明時代 

茶003

高さ32cmの大きな壷で、大らかな姿をしています。
飴色の釉薬には薄く雲のような黒色が浮かんでいます。
生活雑器だった物ですが輸入され、茶壷として使われました。
加賀前田家に伝来した品です。

大名物(おおめいぶつ)とは出雲の大名、松平不昧の編集した
「雲州名物帳」で最高位に選ばれた品のことです。


第2章 三代憧憬―いにしえの古代王朝に思いを馳せた中国

外来系の王朝だった唐が滅び、五代十国の混乱を経て漢民族の王朝の
宋時代になると、古代の漢民族王朝への関心が高まります。
特に夏・商(殷)・周への憧憬から三代憧憬と呼ばれ、青銅器や玉器が復元されます。

陶器など異なる素材を使った「倣古(ほうこ)」作品も製作されます。
第1章に展示されている南宋時代の「青磁浮牡丹不遊環耳瓶」もその一つです。

用途を変えて、いけにえの肉を煮る祭器だった鼎の形は香炉になったりもします。

我々の目になじんだ唐物の陶磁器にも古代青銅器の面影が残っているということです。


第3章 源流遡上―古代中国工芸の精華

古代中国の玉器や青銅器の展示です。

殷や周の時代には、大きな目をした不気味な顔の饕餮(とうてつ)文を刻んだ
青銅器がさかんに作られます。
会場にも饕餮(とうてつ)文の青銅器が何点も展示されています。

象を描いた青銅器もあって、中国もこの時代は象が生息していたことが分かります。

「鴟鴞卣(しきょうゆう)」 商(殷)時代後期 重要美術品
悠久002

祭器で酒を入れる器です。
背中合わせになったフクロウかミミズクの形をしていて、広げた翼もあります。
元は吊り下げる紐も付いていたはずですが、今は失われています。
胴と蓋にはCの字の形をした虺龍(きりゅう)も付いています。

やがて殷、周の王朝が滅びると、饕餮(とうてつ)も廃れます。
替わって、饕餮に従う下級の存在だった虺龍(きりゅう)などが龍に進化して、
さかんに用いられるようになったということです。


根津美術館には大型の青銅器が多く所蔵され、常設展示されていますが、
出光美術館もこれだけの優れた作品を所蔵しているとは知りませんでした。
この展覧会はそれらをまとめて鑑賞できる滅多と無い機会です。

展覧会のHPです。

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【2012/04/15 04:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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