「毛利家の至宝 大名文化の精粋」展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では、サントリー美術館・東京ミッドタウン5周年記念、
「毛利家の至宝 大名文化の精粋」展が開かれています。
会期は5月27日(日)までです。

毛利001


東京ミッドタウンのある場所は江戸時代は毛利家長州藩の下屋敷のあった所です。
毛利家は源頼朝に仕えた大江広元に始まり、中国地方を支配した毛利元就を経て、
江戸時代は長州藩として存続し、明治維新の中心となった長州閥を生んだ、
長い歴史を持つ家です。
長州閥は政治の世界では昭和を越えて平成の時代までその流れが続いています。

そこで、東京ミッドタウン5周年を記念して、山口県防府市の毛利博物館の所蔵品を
中心にして、毛利家ゆかりの美術品、資料など約130点が展示されています。

『木印 「日本国王之印」』 室町時代 重要文化財
足利義満は日本国王として明から冊封を受け、金印を授かっています。
後に金印は失われ、木印が作られて代用され、中国地方の守護大名、大内氏が
明との勘合貿易に利用していましたが、大内氏の滅亡により、毛利氏の手に
入っています。 

「灰吹銀」 元亀元(1570)年
毛利氏の経済を支えた石見銀山の銀の板です。
毛利氏と尼子氏は石見銀山の所有を争って戦いを繰り返しています。

「色々威腹巻 兜・大袖・喉輪付」 室町時代 重要文化財
毛利009

毛利家を有数の戦国大名に育てた毛利元就(1497-1571)の鎧です。
腹巻は背中で引き合わせる鎧で、動きやすいように草摺の数も多く、元は下級武士が
着けていました。
やがて上級の武士も着るようになり、兜や袖が付いたりします。
鉄砲に対応した当世具足より前の時代の鎧で、威糸の色が華やかです。

「毛利元就自筆書状(三子教訓状)」)」(部分) 弘治3(1557)年 重要文化財
毛利004

毛利元就が長男毛利隆元・次男吉川元春・三男小早川隆景に与えた教訓状です。
筆まめだったという毛利元就が、兄弟が心を合わせて毛利家を支えるようこまごまと
書き記しています。

「毛利氏織田信長和戦対策書」 室町時代 重要文化財
織田信長の攻勢を前にして、合戦しなかった場合と合戦に及んだ場合の問題点を
列挙した文書です。
公方様(足利義昭)のこと、領内の結束への不安など、毛利家の置かれた状況が
生々しく伝わります。
和戦両方のケースで宇喜多直家の動向を気にしていることも分かります。
関ヶ原の戦いでは宇喜多直家の子の秀家が果敢に戦ったのに、毛利の軍勢は動かず、
後で毛利家の危機を招いたというのは皮肉なものです。

「豊臣秀吉自筆書状写」 慶長3(1598)年 重要文化財
豊臣秀吉が臨終に際して、秀頼の行く末を毛利輝元や徳川家康などの五大老に
頼みこんでいる書状です。
「秀よりの事 なり立ち候やうに...」とあります。

「井伊直政・本多忠勝連署起請文」 慶長5(1600)年 重要文化財
関ヶ原の戦いの直前に徳川家康の重臣の井伊直政と本多忠勝が書いた起請文で、
家康が毛利輝元の地位を保証している旨が書かれています。
実際には戦後に毛利家は取り潰されそうになり、結局は長門周防2カ国に
押し込められています。
もしこの時の毛利家の当主が元就のような人物だったら、こんな風に家康に
騙されることは無かっただろうにと思います。

「四季山水図(山水長巻)」(部分) 雪舟等楊 文明18(1486)年 国宝
毛利002

雪舟等楊(1420-1506)の代表作で、長さ約16mの巻物をすべて展示してあります。
中国風の四季の風景が描かれ、ところどころに木の緑、水の色、紅葉の赤などの
彩色がされています。
山の庵、高楼、漁村、里の賑わい、城壁、雪を被った山々などが緩急を付けた画面に
次々に描かれ、気力の充実した作品です。

雪舟は大内氏の庇護を受け、明に渡った後、主に山口で描いていました。
大内氏の滅亡後、毛利家の所有となっています。

「紅萌葱地山道菊桐文様片身替唐織」 桃山時代 重要文化財
毛利003

毛利輝元が豊臣秀吉から拝領した品とのことです。
左右で色の違う片身替で、菊文と五七の桐文をあしらい、菊文は色を変え、
桐文も一つの文の中で違う色を使っています。
とても豪華ですが、上品な色合いです。

「古萩茶碗」 江戸時代
毛利007

口のすぼまった形で、高台は高く、李朝の祭器に近い姿とのことです。
萩焼最初期の作品で、李朝の陶芸に連なることを示す数少ない遺品とされています。

「出雲茶碗 銘 山里」 伝倉崎権兵衛 江戸時代 
毛利008
倉崎権兵衛は2代藩主毛利綱広が松江藩に送った萩焼の陶工で、出雲焼の祖と
されています。
口縁は薄く、胴にろくろ目が見えます。
素朴な味わいのある作柄です。

松江藩、松平不昧公夫人の自筆の箱書があるとのことです。

  山さとはものの寂しきことにそあれ世の憂きよりは住よかりけり

「江戸麻布邸遠望図」 谷文二 江戸時代
毛利006

江戸の下屋敷から東の方を眺めた景色です。
左遠方に江戸城が見え、その右手に江戸の街が広がり、江戸湾も見えます。
火の見櫓や寺院の大屋根も描き込まれています。

屋敷の図面によれば、サントリー美術館のある場所は女中の住む長局だったようです。
長州藩下屋敷は幕末の蛤御門の変により、幕府に接収され、破却されています。


日本の歴史の中で大きな役割を果たした毛利家についての数多くの興味深い資料を
観ることの出来る展覧会でした。

展覧会のHPです。

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【2012/04/19 03:39】 美術館・博物館 | トラックバック(2) | コメント(0) |
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