「マックス・エルンスト フィギュア×スケープ 時代を超える像景」展 横浜美術館
みなとみらい
chariot

横浜美術館では「マックス・エルンスト フィギュア×スケープ 時代を超える像景」展が
開かれています。
会期は6月24日(日)までで、休館日は木曜日です。

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シュルレアリスムの代表的作家として知られるマックス・エルンスト(1891-1976)の
作品を、エルンストのよく用いたフィギュア(像)とスケープ(風景)を手がかりにして
展示するという展覧会です。
油彩や版画、彫刻など約130点が展示されています。

「自由の賞賛」 1926年頃  メニル・コレクション、ヒューストン
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マックス・エルンストの作品にはしばしば鳥が登場します。
少年時代に、飼っていたインコが死んだ翌日に妹が生まれたことから、妹は鳥の精気を
吸い取って誕生したと信じるようになったという、有名な逸話があります。
この作品では白い小鳥が暗い森の中にいます。
鳥籠も一緒に描かれていますが、籠の中にいる訳ではありません。
ドイツ生まれのエルンストは森の神秘さに特別の思いを持っていたということです。
この小鳥はなぜここに居るのか気にかかる絵です。

「ユークリッド」 1945年 メニル・コレクション、ヒューストン
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ユークリッドは古代ギリシャの数学者で、ユークリッド幾何学で有名です。
図形を意識した背景で、幾何学の集成であるピラミッドの形の顔をしていて、
ギリシャのアカンサス模様のような顔面です。
エルンストは幾何学にも強い興味を持っていたそうです。

「三本の糸杉」 1951年 ポンピドゥ・センター 国立近代美術館、パリ
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画面は4つに分割され、3本の木が別々に描かれています。
エルンストのよく使っていたコラージュ(切り貼り)の技法です。
左側は影響を受けたキリコの絵に似ています。
右側の木には星座のようなものが描かれ、1日の中の時間を表しているようにも見えます。

「ポーランドの騎士」 1954年 愛知県美術館
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レンブラントの「ポーランドの騎手」に拠っている作品とされています。
背景部分は、デカルコマニーという、ガラス面などに絵具を塗り、乾かないうちに
その上に紙などを当てて写し取る技法を使っています。
馬の頭部は様式的ですが、鳥が描かれていたりして、画面はコラージュ風に
とても重層的に構成されています。

「美しき女庭師の帰還」 1967年 メニル・コレクション、ヒューストン
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マックス・エルンストの作品はナチスに否定され、その一部は1937年にナチスの開催した
「退廃芸術展」に出品されています。
フランスに住んでいたエルンスト自身も1941年にアメリカに渡っています。

この作品は、1923年の「イヴの誕生、あるいは美しき女庭師」が「退廃芸術展」に出品され、
その後行方不明になったため、新たに自由に再制作されたものです。
「イヴの誕生、あるいは美しき女庭師」も1921年のコラージュの小品、「聖対話」に
拠っていて、「聖対話」は今回展示されています。

庭作りは追放された楽園を再建する営みとされ、その役目はイヴの後身であるマリアの
役割とされているそうです。
この作品では、マリアではなく、イヴその人が女庭師として描かれているということです。
たしかに均整の取れた姿の若い女性で、手には小鳥を持ち、花や果物も描かれています。
果物はイヴの象徴、背後の線描の人物はアダムでしょうか。

マックス・エルンストの作品にはいろいろなイメージが重なっているので、観ていると
さまざまなことが思い浮かびます。
それがシュルレアリスムということでしょう。

展覧会のHPです。




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【2012/05/10 01:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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