「神秘のひといろ-中国の単色釉磁」 松岡美術館
白金台
chariot

白金台の松岡美術館では、「情熱と憂愁-パリに生きた外国人画家たち」と一緒に、
「神秘のひといろ-中国の単色釉磁」が開かれています。
会期は9月23日(日)までです。

「情熱と憂愁-パリに生きた外国人画家たち」展の記事はこちらです。

松岡美術館の中庭です。
単0089


展示品の解説をまとめてみました。

釉(うわぐすり)は、古代中国で土器の表面にかかった薪の灰が溶けて光るのに
気付いたことに始まります。
やがて灰を泥水に溶いて器にかける灰釉(かいゆう)が生まれます。

この灰釉が長い間に改良されて青磁釉となり、3世紀から5世紀にかけて浙江省を
中心にした越州窯では黄緑・黄色系の青磁が作られます。

「青磁 四耳壷」 越州窯 西晋時代 3-4世紀
単0046


また北宋時代に盛んだった陝西省の耀州窯の器では、模様の溝に溜まった釉が
オリーブ色の濃淡を生み出しています。

「青磁印花唐草文 小鉢」 耀州窯 北宋時代 11-12世紀
単0049


白磁は青磁の釉の鉄分を取り除いた透明な釉薬で、白い土で作った器にかけて
高温で焼きます。

「白磁劃花蓮花文 盤」 定窯 北宋時代 11-12世紀
単0052


逆に鉄分が多い釉薬をかけて焼くと、濃い褐色や黒色になります。

「黒釉梅瓶」 金時代
単0058


越州窯は北宋時代中期から衰え、代わって龍泉窯が盛んになります。
鎌倉時代から日本にも大量に伝わります。

砧青磁は、焼成時に土や釉から噴き出した水蒸気やガスの細かい気泡、
溶けきれなかった石英などの微小な破片が釉の厚い層の中に閉じ込められて
光を反射し、複雑な色を見せるものです。

「青磁貼花牡丹唐草文 瓶」 龍泉窯 南宋時代 13世紀
単0062


元時代後期には全面に文様を貼り付けたり彫ったりする大型の製品が作られ、
釉も深緑色になります。

「青磁劃花人物図 壷」 龍泉窯 元時代
単0060


澱青釉は珪酸分の多い灰を使うことで釉薬が乳濁して月の光のような青さが
現れるので、月白釉とも呼ばれています。
厚くかけた釉薬が下に垂れると生地の色が見えてきます。

「澱青釉 碗」 鈞窯 金/元時代
単0065


明清時代には宮廷の陶磁器を制作する御器工廠が江西省の景徳鎮窯に設けられます。
清時代には歴代皇帝が景徳鎮窯を保護し、新しい陶磁器の開発を進めています。

清の康熙年間には、酸化焔で緑色、還元焔で紅色の現れる銅の特性を活かした
「桃花紅」が開発されます。

「桃花紅 太白尊」 「大清康熙年製」銘 景徳鎮窯 清時代 18世紀
単0069


「炉鈞釉 長頸瓶」 景徳鎮窯 清時代
単0076


茶葉末は還元焔焼成後にゆっくり冷ます過程で、釉の中の鉄と珪酸分が結晶となって
現れるものです。

「茶葉末 瓶」 「大清乾隆年製」銘 景徳鎮窯 清時代 18世紀
単0074


「火焔紅 長頸瓶」 景徳鎮窯 清時代
単0072


「火焔青 管耳方瓶」 「大清乾隆年製」銘 景徳鎮窯 清時代 18世紀
単0080


清時代の単色釉は色も鮮やかで、もう古陶磁といった雰囲気はありません。
単色釉も素朴な灰釉から始まり、徐々に技術が高度化していく様子がよく分かります。

展覧会のHPです。

関連記事

【2012/07/18 05:45】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/1447-44c4e4ac

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |