「アール・デコ 光のエレガンス展 」  パナソニック汐留ミュージアム
新橋
chariot

新橋のパナソニック汐留ミュージアムでは、「アール・デコ 光のエレガンス展」が
開かれています。
会期は9月23日(日)までです。
休館日は毎週水曜日と8月11日(土)~8月16日(木)です。

デコ001


「ルネ・ラリック、ドームを中心に」という副題が付いていて、1920年代のアール・デコ
様式のガラス器、陶磁器、照明器具や資料、約170点が展示されています。
パナソニックのミュージアムによる企画なので、特に照明との関係に焦点を当てた
展示になっています。

第一部 プロローグ―カラフル

パート・ド・ヴェールと呼ばれる、砕いたガラスを鋳型に入れて窯の中で溶かす
技法による作品の展示です。
パート・ド・ヴェールは古代にあった技法で、1880年代のアール・ヌーヴォー期の
フランスで再興され、次のアール・デコ期に続きます。
色ガラスを使うと多彩な色の作品を作り出すことができます。

ガブリエル・アルジョイ=ルソーによる常夜灯、ランプ、パフューム・ランプ、花器などを
中心にした展示です。
1878年に発明された白熱電球を照明器具にも取り入れています。

色彩豊かで自然をテーマにしている点で、アール・ヌーヴォーと似た雰囲気を
持っています。

第二部 サロン―シック

サロンを飾ったさまざまなアール・デコの作品の展示です。
キュビズムや抽象芸術から影響を受けたアール・デコは、幾何学模様や色数を抑えた
シックなデザインを特徴としています。
また、材質を重視するので、明るさや角度を調節できる電気の光は素材の魅力を
最大限に引き出せるとして好まれています。

ジャン・デュナン 「球形花瓶(金・赤)」 1925年頃 東京国立近代美術館
デコ006

ジャン・デュナンは金工家で、日本の漆と出会い、作品に取り入れています。
鍛金によって打ち出した形に色漆を塗って幾何学的な模様を描き出していて、
日本の現代工芸を見るようです。

ドーム 「花文花瓶」 1925年 ベル・デ・ベル南青山
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ドーム兄弟はエミール・ガレとともにアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家ですが、
第一次世界大戦後のアール・デコ期にはデザインを刷新しています。
展示されている作品はどれも大型で厚みがあり、ボリューム感にあふれています。

ローゼンタール 「聖母子」 原型:ゲルハルト・シュリープシュタイン 
 1920-30年頃

デコ008

デコ010

ローゼンタールはドイツの磁器メーカーです。
高さ53cmの純白の像ですが、見事にキュビズム的なアール・デコの作品で、
聖母子もアール・デコになるのだと思いました。

第三部 ダイニング・ルーム―モノトーン

カラー印刷の普及で色遣いというものに高級感を感じなくなった都会のエリート層は
白と黒、あるいは白だけのモノトーンによるインテリアを好むようになります。

アール・ヌーヴォー期に宝飾デザイナーとして活躍したルネ・ラリックはアール・デコ期には
ガラス工芸を手がけ、電気を利用した光と影によって新しい空間をつくり出しています。

ルネ・ラリック 「常夜灯 インコ」(部分) 1920年 北澤美術館
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チラシに使われている作品で、高さ47cmあり、香水瓶の形を応用したティアラ型という
ルネ・ラリック独特の造形です。
鋳型に溶けたガラスを流し込んでからプレスする技法で作られています。
インコやオウムは大航海時代に異国情緒のある生き物として愛玩されていたものが、
植民地経営の盛んなアール・デコ期に再び注目されるようになったということです。

ルネ・ラリック 「テーブルセンターピース 三羽の孔雀」 1920年 北澤美術館
デコ004

テーブルの中央に置く装飾品で、厚さは2cmほどしかありません。
電灯が組み込まれていて、孔雀の姿が光によって浮き上がります。

ジャン・ピュイフォルカ 「喫茶セット」 1925年 東京国立近代美術館
デコ005

銀器のセットで、持ち手の部分は紫檀を使っています。
ジャン・ピュイフォルカはフランスの銀器デザイナーで、アール・デコの幾何学的で
モダンな面をよく表しています。
メタリックに黒という取り合わせは、現在の家庭電気製品にもよく見られるデザインです。

第四部 エピローグ―レディエンス

光とスピードを主題にした展示です。

1935年に就航したフランスの豪華客船、ノルマンディー号のポスターや備品などが
展示されています。
ノルマンディー号はイギリスのクイーン・メリー号とスピードを競った客船で、
アール・デコ様式の内装でも有名でした。

ルネ・ラリック 「カーマスコット 勝利の女神」 1928年
デコ003

カーマスコットは自動車のラジエーターキャップに付けた装飾です。
髪を翼のように風になびかせて、まさにスピードを象徴しています。
ルネ・ラリックはいろいろなデザインのカーマスコットを制作しています。


展示品のうち照明器具は点灯しており、その他の展示品にも作品を引き立てる照明が
当てられています。
光によってアール・デコの魅力を引き出してくれる、夏にふさわしい、すずやかな企画です。

展覧会のHPです。


アール・デコ様式で有名な目黒の庭園美術館の建物一般公開の時の記事はこちらです。

庭園美術館は朝香宮邸として1933年に当時流行のアール・デコ様式で建てられています。




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【2012/07/17 03:34】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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