「応挙の藤花図と近世の屏風」展 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館ではコレクション展、「応挙の藤花図と近世の屏風」が
開かれています。
会期は8月26日(日)までです。

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円山応挙(1733-95)の「藤花図屏風」を始めとして、近世の屏風絵の展示です。

『草花図屏風 「伊年」印』 6曲1隻 江戸時代 17世紀
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「伊年」印の捺された屏風は俵屋宗達の工房の作と云われ、これはその中でも
初期の作とされています。
右に桜草、蒲公英、菫、菜の花、中央に竹、風車、蕗、山吹、芥子、紫蘭、
ドクダミ、左には芥子、杜若、蓮、オモダカなどが描かれています。
多種類の草花を写実的に描くのは中国の本草学への関心も背景にあるとのことです。
修理を終えて、今回初公開されたもので、紙の破れ目も見える古びた感じに
趣きがあります。

「藤花図屏風」 円山応挙 6曲1双 安永5年(1776) 重要文化財
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右隻
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左隻
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一筆で描く「付立て」という技法で幹や枝を一気に描いていますが、
枝の重なり具合など予め計算された筆の運びです。
葉も墨で付立てで描いた上に緑色の絵具を塗っているらしいとのことです。
花弁は白、青、紫を重ねて華やかな色彩の響きを見せています。

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「赤壁図屏風」 長沢芦雪 6曲1双 江戸時代 18世紀 重要美術品
北宋の詩人、蘇軾(蘇東坡)が「前赤壁賦」と「後赤壁賦」に詠んだ景色です。

右隻
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月夜に舟を浮かべて遊ぶ「前赤壁賦」の情景です。

左隻
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「後赤壁賦」に表された冬の赤壁です。

左右並べると、中央に広々とした空間が開けています。

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長沢芦雪(1754-99)は円山応挙の弟子ですが、いかにも上手い絵を描く応挙と
まるで違って、奔放で型破りです。

「花鳥図屏風」 椿椿山 6曲1双 江戸時代 嘉永5年(1852)
椿椿山(つばきちんざん:1801-54)は槍奉行同心の子で、谷文晁や渡辺崋山に
学んでいます。
肖像画や花鳥画を得意として、渡辺崋山や高野長英の肖像画で有名です。

右隻
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桃に柳の間を飛び交う燕です。

左隻
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梅、芦に雁を取り合わせています。

ともに風を感じさせる、動きのある画面です。


展示室5のテーマは「南蛮・島物の茶道具」です。

南蛮とは、中国より南の国々の文物、島物とは東シナ海に点在する島々から
渡ってきた文物とのことで、茶人に愛好されています。
素朴な味わいで、ちょっとゆがんだりしているところに愛嬌があります。

「海老耳水指」 焼締陶器 ヴェトナム 16−17世紀
藤001

海老の形をした耳が付いているのがポイントです。


展示室6のテーマは「涼一味の茶」です。

夏の茶事は、まだ涼しい夜明け前に始まり、朝日が上がる前に終わる朝茶事と、
夕方から始まる夕去りの茶事があります。

「和歌短冊」 正徹 室町時代 15世紀
正徹(1381-1459)は室町時代の臨済宗の僧で歌人です。
夏らしい朝顔の歌です。

 隣槿 
 かきほよりこなたに枝を引きとるや
 人つまならぬあさかほの花

「三島礼賓茶碗」 高麗茶碗 朝鮮時代 16世紀
元は朝鮮で皿として使われていた物を夏茶碗に仕立てています。
皿の中心に「礼賓」の文字があり、外国施設の接待所で使われていたようです。
とても底が浅いので、お茶を立てるのも飲むのも難しそうです。

「古染付葡萄絵水指」 景徳鎮窯 明時代 17世紀
江戸初期に茶人の注文で景徳鎮で焼かれた品です。
白地に藍色の葡萄の絵が涼しさを誘います。
水を入れるとさらに涼しく見えることでしょう。

「織部手桶茶入」 美濃 江戸時代 17世紀
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小さな茶入ですが、水を運ぶ手桶の形をしています。

「瑠璃釉桔梗型茶器」 肥前 江戸時代 17世紀
小さな縦長の容器で、上がやや広がって桔梗の花のように五角形になっています。
深い瑠璃色が鮮やかです。


「一重切花生 銘 藤浪」 小堀遠州 江戸時代 17世紀
太い竹を切って作った、高さ30cmほどの花生で、小堀遠州から松平不昧に
伝えられています。
内箱に藤を詠った和歌の書付があります。

 ちはやふるかもの社の藤浪は
 かけてわするるときのなきかな


夏の盛りの庭に出るドアが開くたびに蝉の声が飛び込んできます。

根津0039


展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「平家物語画帖 諸行無常のミニアチュール」です。
会期は9月8日(土)~10月21日(日)です。
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【2012/08/05 00:15】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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根津美術館で開催中の 「応挙の藤花図と近世の屏風」展に行って来ました。 http://www.nezu-muse.or.jp/ 根津美術館のお宝と言えばまっ先に尾形光琳の「燕子花図屏風」(国宝)が頭に浮...
【2012/08/05 16:10】

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