「美術館で旅行!―東海道からパリまで―」 山種美術館
恵比寿
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恵比寿の山種美術館では、所蔵作品による夏休み企画、「美術館で旅行!
―東海道からパリまで―」が開かれています。
会期は9月23日(日)までです。

旅001


「旅」をテーマにした展覧会で、美術館に居ながらにして旅行気分が
味わえるという企画です。

第1章 広重と歩く東海道と名所

歌川広重の保永堂版東海道五拾三次の展示です。
8月26日までの前期は日本橋から掛川まで、8月28日からの後期は袋井から
京師・三條大橋までです。

第2章 日本を旅する ~北海道から沖縄へ~

岩崎英遠の「カムイヌプリ」(1977年)に始まって、川崎鈴彦の「沖縄の家」
(1970年)で終わる、日本列島を縦断した作品の展示です。

「久能山真景図」 椿椿山 1837(天保8)年 重要文化財
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久能山は徳川家康を祀った久能山東照宮のある所です。
松林の下の参道を赤い着物のお坊さんと青い着物の従者がトコトコと
登って行きます。
真景図とは写生を元に描いた絵という意味ですが、この絵は上からと下からの
視点が混じっていて、東洋画の大らかさを感じます。

椿椿山(つばきちんざん:1801~1854)は槍奉行同心の子で、谷文晁や
渡辺崋山に学んでいます。
肖像画に秀でた画家で、渡辺崋山や高野長英の肖像画で有名です。
椿椿山は師の渡辺崋山にならって各地を旅行し、写生していて、この絵も訪れて
10年後に描いたそうです。

「天の橋立」 麻田鷹司 1971(昭和46)年
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雪の朝の天の橋立に感動して描いた作品とのことで、冷たく張りつめた空気まで
感じられます。
麻田鷹司(1928~1987)は松島、厳島、那智の滝、竹生島、高野山などを
訪れて描いています。

他に吉田善彦、小茂田青樹、横山操、石本正、山本丘人らの作品もあります。

「鳴門」 1959(昭和34)年
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塗りを何度も重ね、近景の動と遠景の静が一体となった、重厚な作品で、
塗り重ねによる堅牢な画面造りは、奥村土牛の特徴です。
連絡船に乗っていて、たまたま渦潮に出会い、当時の小さな船の上から、
奥さんに帯を掴んでもらって渦潮を覗き込んで写生したということです。


第3章 世界を旅する ~マンハッタンからパリへ~

「巴里風俗」のうち、「サンタル門外所見」 結城素明 1925(大正14)年
旅006

結城素明(1875~1957)が文部省留学生として渡欧した時の作品です。
肩をすくめる子供のしぐさを珍しく思って描きとめています。

同じ「巴里風俗」の「ルーブル美術館」では作品を鑑賞する人たちを
描いていますが、特に最新のファッションの女性に興味を持っています。
鑑賞している絵は何だろうかと思いましたが、ルーベンスの
「マリー・ド・メディシスの生涯」のようです。

「埃乃土人ノ灌漑」 速水御舟 1931(昭和6)年
欧州旅行で見かけた、エジプトの情景です。
2つの跳ね釣瓶を使って、2人の褐色の肌の男が、半裸で向き合って
水を汲んでいます。
人物の姿は古代のエジプト絵画風で、1人は赤い腰巻に白い鉢巻、
1人は白い腰巻に赤白の鉢巻です。
左右対称の面白い構図で、烏が1羽、のんびり止まっています。
肩の力を抜いた、楽しい絵です。

日本画家の描く外国風景は洋画家の描くのとはどこか違った面白さがあります。

佐伯祐三 「レストラン(オ・レヴェイユ・マタン)」 1927年
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油彩画も何点か展示されています。
亡くなる前年の作品で、パリの小さなレストランを正面から描いています。
佐伯の特徴の看板の文字や窓の中の様子も描きこまれています。
灰色の空の下、裏町の風情があり、人の暮らしの懐かしさを感じます。

他に平山郁夫、西郷孤月、千住博らの作品も展示されています。


山種美術館のHPです。

山種美術館の次の展覧会は「没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち」展です。
会期は9月29日(土)から11月25日(日)までです。
代表作の「班猫」や村上華岳の「裸婦図」も展示されます。

竹内002

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【2012/08/29 00:10】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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