「国宝 古今和歌集序と日本の書」展 大倉集古館
六本木一丁目・神谷町
chariot

虎ノ門の大倉集古館では、特別企画展、「国宝 古今和歌集序と日本の書」が
開かれています。
会期は9月30日(日)までです。

古001


3ヵ年の修理を終えた国宝、「古今和歌集序」を初公開し、併せて和歌の書や
古写経も展示しています。

「大般若経第一百二十三(和銅経)」 奈良・和銅5(712)年
 重要美術品 特種東海製紙株式会社
 
古002

文武天皇の供養のため従弟の長屋王の発願により書写された
大般若波羅蜜多経600巻の一つです。
現存しているのは220巻です。
巻末に和銅5(712)年の願文があることからこの名があります。
長屋王(684-729)は天武天皇の孫で有力な皇族でしたが、
藤原氏の陰謀とされる長屋王の変で自害しています。

「百萬塔陀羅尼」 奈良時代・8世紀 特種東海製紙株式会社
古003

称徳天皇(在位:764-770)は 藤原仲麻呂の乱を平定した後、国家の安泰を
願って陀羅尼を100万巻印刷し、小型の木製の塔に納めて、東大寺・西大寺・
興福寺・薬師寺などの十大寺に奉納しています。
陀羅尼とはサンスクリット語の原文を漢字で音写した呪文のことです。
これだけの量を1つの木版で印刷するのは磨耗のため不可能であり、
複数の木版を使った筈で、金属版を使ったかもしれないとのことです。
並んだ小さな文字の濃淡のムラの具合はたしかに印刷であることを示しています。

「元暦校本万葉集 巻十二(高松宮本)」 平安時代・11世紀 
 国宝 東京国立博物館

古005

飛び雲文様という、雲の形をした藍色と紫色の小さな模様を漉き込んだ
鳥の子紙に書かれています。
書風から11世紀後半とされていて、20巻のうち14巻分が高松宮家と
古河家に所蔵されていました。

「久松切」 伝藤原行成筆 平安時代・12世紀 東京国立博物館
古006

和漢朗詠集の断簡で元は伊予松山の久松家伝来の品です。
上下2巻ありましたが、戦後に巻上が分割されて断簡になり、各所に分蔵され、
巻下は出光美術館に所蔵されています。
こちらも小さな飛び雲文様が漉き込まれ、金銀の砂子が撒かれています。
伝藤原行成筆ですが、書風から12世紀前半と考えられています。
藤原行成(972-1028)は能書家として知られています。

「古今和歌集序 藤原定実筆 平安時代・12世紀 国宝 大倉集古館
古004

古今和歌集の仮名序は、撰者の一人の紀貫之の作とされています。
「花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生きるもの、
いづれか歌をよまざりける。」の言葉が有名です。
白、朱、藍、緑などの色や地模様を変えた32枚の料紙に書かれていて、
色の濃い料紙の部分では字も太めになっています。
歌人として有名な藤原俊頼(1055-1129)の書と伝えられてきましたが、
現在では藤原行成の曾孫の藤原定実とされています。
巻子本古今和歌集と呼ばれる20巻のうち、巻子の形で現存しているのは
この巻だけで、他は断簡が散在しています。

「和歌巻」 本阿弥光悦筆 安土桃山時代・17世紀 東京国立博物館
古007

雌日芝(めひしば)という草を描いた地に、古今集巻五秋歌下の紀淑望
(きのよしもち)の歌を散らし書きしています。

 紅葉せぬときはの
 やまは吹風の
 をとにや秋を
 聞わたるらむ

王朝美を受け継ぐ琳派調の意匠です。


書にも表れた王朝の雅を味わえる展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2012/09/21 00:09】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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