「近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象派旗挙げの前後―」展 泉屋博古館分館
六本木1丁目
chariot

六本木の泉屋博古館分館では、分館開館10周年記念展Part IIIとして、
「近代日本洋画の魅惑の女性像―モネ・印象派旗挙げの前後―」展が
開かれています。
会期は9月23日(日)までです。

泉001


泉屋博古館の近代洋画のコレクションは住友家15代、吉左衛門友純(号・春翠)の
明治30年(1897)の欧米旅行がきっかけになっているそうです。
その時にクロード・モネの「サン=シメオンの農場への道」「モンソー公園」を
購入していますが、これが日本に印象派の作品の伝わる最も早い例とのことです。

和田英作 「こだま」 1903年
泉003

和田英作(1874-1959)のフランス留学時代の作品です。
黒田清輝の師であるラファエル・コランに師事していますが、ドイツで興った
世紀末の絵画運動のベルリン分離派の作品にも感銘を受けています。
ムンクの「叫び」(1893年)に似ていますがムンクもベルリン分離派に加わって
いたので、和田英作もムンクの作品を知っていたのでしょう。

山下新太郎 「読書の後」 1908年
泉006

山下新太郎(1881-1966)のフランス留学時代の作品です。
フランスではラファエル・コラン、続いてフェルナン・コルモンに師事しています。
逆光を使ったおだやかな雰囲気の作品です。
山下新太郎はルノワールに傾倒しますが、彼に会うのはこの作品の後とのことです。

藤島武二 「幸ある朝」 1908年
泉004

藤島武二(1867-1943)はフランス留学中はフェルナン・コルモンや
カロリュス=デュランに師事しています。
こちらも逆光の中の室内で、若い女性が朝の光の中で手紙を読んでいます。
良い便りのもたらす幸福感を鎧戸からの光、花瓶の花、女性の表情で表した
ロマンチックな作品です。
藤島武二は和田や山下より年長で、東京美術学校では山下を教えていますが、
フランス留学は遅く、そのためかラファエル・コランには就いていません。

岡田三郎助 「五葉蔦」 1909年
泉005

岡田三郎助(1869-1939)は1897年にフランスに留学し、ラファエル・コランに
師事しています。
画風は綿密でしっとりとしていて、着物姿の女性を好んで描いています。

「二人麗子像」 岸田劉生 大正11年(1922年)
泉002

洋画で、重厚な塗りの背景の前に娘の麗子を二人、ずっしりと存在感のある姿に
描いています。
特に左の麗子は実際より幅広くなっています。
二人の着物の黄色味のある濃厚な赤色に目を奪われます。

鵠沼にあった自宅近くの漁師の娘さんが麗子の遊び相手で、二人を見ていて
想を得たのだろうということで、麗子を二人にして描いたのはこの作品だけ
とのことです。
岸田劉生は東洋画も描いているので、この作品も禅画の寒山拾得の趣きが
あります。

小磯良平 「踊り子二人」 1968年
泉007

小磯良平のよく描いたモチーフのバレリーナです。
上半身以外はざっくりと描いていて、背景はキュビズム風です。
赤と黒のショールが色彩に変化を与えています。


クロード・モネ 「サン=シメオンの農場への道」 1864年
泉002

サン=シメオンはノルマンディーのオンフルールにあった農場で、ここの宿に
ブーダン、クールベ、ヨンキントなどが集い、モネも加わっています。
彼らは戸外で、移り変わる自然を描き、サン=シメオン派と呼ばれています。
印象派発祥の地とも言える場所です。

クロード・モネ 「モンソー公園」 1876年
泉005

パリのモンソー公園の風景です。
1874年の第1回印象派展の2年後の作品で、光を意識した印象主義の作風に
なっています。


他に、浅井忠、坂本繁二郎、梅原龍三郎、正宗得三郎、児島善三郎、岡鹿之助、
小杉放庵、熊谷守一、香月泰男らの作品も展示されていて、いろいろ楽しめる
展覧会です。


展覧会のHPです。


泉屋博古館分館の次回の展覧会は、「泉屋博古館分館開館10周年記念展Part IV
特別展 中国絵画―住友コレクションの白眉―」です。
会期は10月13日(土)から12月16日(日)までです。

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【2012/09/02 04:46】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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