「マリー・アントワネット物語展」 横浜 そごう美術館
横浜
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そごう横浜店のそごう美術館では、「マリー・アントワネット物語展」が
開かれています。
会期は11月18日(日)までです。

マ001


フランス国王ルイ16世の王妃、マリー・アントワネット(1755-93)の
生涯をたどる展覧会で、史料約120点の他、当時の宮廷衣装も再現されて
展示されています。

マリー・アントワネットは神聖ローマ皇帝でハプスブルク家のフランツ1世と
マリア・テレジアの十一女で、フランスとの同盟をもくろむマリア・テレジアの
意向により、14歳でブルボン家のフランス王太子、後のルイ16世と結婚し、
ヴェルサイユ宮殿で暮らすことになります。

「オーストリア皇女マリア・アントニア」 
 C.F>フリッチュ 1770年頃 カルナヴァレ博物館蔵

マ003

14歳頃の姿です。
勉強嫌いの子で、正しく書けない字もあったほどだったので、母親のマリア・
テレジアは心配して毎晩いろいろと教えたそうです。

「サン=ベルナール河岸からの眺め」 
 ニコラ=ジャン・バティスト・ラグネ 1750年頃 カルナヴァレ博物館

マ004

パリの情景を描いた作品6点が展示されています。
そのうちの一つで、セーヌ川と左側にノートルダム大聖堂が見えます。

「マリー・アントワネット」 
 ヴィジェ・ルブラン 1778年 ブルトゥイユ城蔵

リーフレットに使われている作品で、23歳頃の姿です。
フランスで自分の気に入った肖像を描いてくれる画家がいないのを不満に
思っていたところ、同い年のヴィジェ・ルブランと出会い、以後は彼女を
お抱え画家として多くの肖像画を描かせ、個人的にも親しく接します。

この絵はマリア・テレジアに贈った全身像が評判だったので、それを元に
数点の半身像を描き、取り巻きの人たちに配ったうちの一つです。

丸の内の三菱一号館美術館では2011年に、「マリー=アントワネットの画家 
ヴィジェ・ルブラン展-華麗なる宮廷を描いた女性画家たち-」が開かれて
いました。
「ヴィジェ・ルブラン展」の記事です。

「マリー・アントワネットと子供たち」 
 ヴィジェ・ルブラン 1786-87年 ジャン・ド・ベアルヌ伯爵蔵

マ009

この作品の元になっている大作は現在、ヴェルサイユ宮殿にあります。
寄り添っているのは長女のマリー・テレーズ、膝に乗っているのは次男の
ルイ=シャルル王太子、揺り籠を指差しているのは長男のルイ=ジョゼフ王子です。
空の揺り籠は次女のマリー・ソフィー・ベアトリスが亡くなって間もない
ことを示しています。
長男のルイ=ジョゼフは結核のため1788年に亡くなり、次男のルイ=シャルルは
王太子となりますが、フランス革命によって幽閉されたまま、1795年に
亡くなっています。

現在のフランスは共和制で、爵位の制度はありませんが、旧貴族の一部では
爵位を私称しているそうです。

オーストリアとは文化の違うフランス宮廷に入ったマリー・アントワネットは
新しい環境になじめず、そのこともあってぜい沢で浪費的な生活を送るように
なります。
一方でオーストリアの宮廷文化をフランスにもたらす役割を果たしています。

「マリー・アントワネットの時計」 1770年頃 ジャン・ド・ベアルヌ伯爵蔵
マ007

結婚に際して、母親のマリア・テレジアが持たせた懐中時計です。
針はダイヤモンドで飾られ、手紙を封印する蝋に捺す、MAの字の入った
印判も付いています。

「香水入れ」 18世紀末 ナポレオン財団蔵
マ005

4本の小さな香水壜が入っています。
フランス宮廷に入浴の習慣を持ち込んだのはマリー・アントワネットとの
ことです。
それとともに香水も従来好まれた麝香のような動物性の香りから、
マリー・アントワネットの好んだ花の香りに変わっていきます。

「プチ・トリアノンのマリー・アントワネットの書庫の絹織物(復元)」 
 プレル社蔵

マ010

プチ・トリアノンはヴェルサイユ宮殿の中の離宮で、ルイ16世から与えられた
マリー・アントワネットは自分好みに改装して、ここで私的な時間を過ごして
いました。
これは椅子に張られていた布で、書庫らしく落着いた色合いと、優雅な
植物模様が特徴です。
書庫の蔵書は1930冊もありましたが、ほとんどが小説や戯曲だったそうで、
読書嫌いのマリー・アントワネットの趣味を表しています。

会場には復元された宮廷衣装も展示されています。
このコーナーは撮影可能です。

「引き裾の宮廷衣装」
マ0080

マ0084

盛装用の宮廷ドレスで、「フランス風ドレス」と呼ばれています。
スカートを重ね、リボンを沢山付けたたデザインはとても豪華で、
まさに「ベルサイユのばら」の世界です。

「フランス風舞踏会ドレス」
マ0107

1989年のテレビ映画、「フランス革命」で、マリー・アントワネット役の
ジェーン・シーモアが実際に着ていた衣装です。
当時の舞踏会はフォーマルなものの他に、少しくだけた仮面舞踏会があり、
そこではこのような身軽な衣装で踊っていました。

「シュミーズドレス」
マ0104

カリブ海地方からパリに移り住んだ女性たちの流行らせたファッションを
マリー・アントワネットが取り入れたものです。
プチ・トリアノンなどの私的な空間でしか着ていませんでしたが、
これを着た姿の肖像画をサロンに出展したところ、下着のようだと
ひんしゅくを買ってしまったそうです。
たしかに「フランス風ドレス」などと比べると、これは下着に見えて
しまうかもしれません。

「イギリス風ドレス」
マ0099

「フランス風ドレス」に比べるとかなりすっきりしています。
「シュミーズドレス」がイギリスから輸入したモスリンを使っている
こともあって非難されたので、素材にはフランスの絹織物を使い、
国内産業を保護していることを示す狙いもあったそうです。

「羊飼いのドレス」
マ0092

プチ・トリアノンや彼女の作った模擬農園でくつろいだときに着ていた、
田舎風のドレスです。
上着、スカート、前掛けを組み合わせるようになっています。

『軍艦「ベルプル(美しき雌鳥)」のヘアスタイル』
マ0086

ヘアスタイルもファッションの重要なポイントで、お抱えのスタイリストが
さまざまなスタイルを生み出しました。

「ベル・プル」は軍艦の名前で、フランスがアメリカ独立戦争にアメリカに
味方して参戦中の1778年にイギリス軍艦と戦っています。
当時大流行したファッションですが、着けると背が高くなりすぎて、
馬車の中ではひざまずいていなければならなかったそうです。
日本でも日露戦争の頃に、二百三高地髷という髪型が流行っています。

当時のヘアスタイルのいろいろです。
マ0089


やがてフランス革命が起こると、国王一家が国外逃亡を企てたこともあって、
国民の怒りは爆発します。
特にマリー・アントワネットはぜい沢な暮らしぶりや、外国の援助で革命を
妨害しようとしたことで強い憎悪を浴びます。

「王妃マリー・アントワネット」 
 アレクサンドル・クシャルスキー 1791年 ジャン・ド・ベアルヌ伯爵蔵

マ011

革命が始まり、ヴィジェ・ルブランが亡命した後に公式肖像画家となった
クシャルスキーによって描かれた、処刑される2年前の肖像です。

「コンシェルジュリを出るマリー・アントワネット」 
 ジョルジュ・カン 1885年 カルナヴァレ博物館蔵

マ012

死刑執行のため、コンシェルジュリ牢獄からコンコルド広場に引き立てられる
マリー・アントワネットです。
1793年10月16日のことで、夫のルイ16世はすでに1月に処刑されています。
外では彼女を運ぶ荷車が待ち受け、群衆が叫び立てています。
マリー・アントワネットは頭を上げ、昂然とした姿で描かれています。
事件の100年近く後に描かれた作品ですが、処刑直前の姿のスケッチでも、
彼女は後ろ手に縛られたまま背筋を伸ばして座っています。

ルイ16世は暴君という訳ではなく、どちらかといえば善良な国王だったと
言われています。
マリー・アントワネットもぜい沢好きではありましたが、それ以上の人では
ありませんでした。
二人の宮廷が優雅で華やかだっただけに、その最期はあまりにも悲劇的です。

展覧会のHPです。


そごう美術館では、「マリー・アントワネット物語展」の関連企画として、
「輝ける皇妃 エリザベート展」が開かれます。
8月に日本橋三越本店で開かれていた展覧会の巡回展です。
期間は2013年1月2日(水)から23日(水)までです。

マ002


マリー・アントワネットはハプスブルク家出身ですが、オーストリア皇后
エリザベート(1837-98)はそのハプスブルク家にお嫁入りしています。

日本橋三越の「輝ける皇妃 エリザベート展」の記事です。


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【2012/09/17 00:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • えび新聞さん、こんばんは。
  • 会場に展示された宮廷衣装や布地を見ると、そのセンスの良さを感じます。
    ただぜい沢だった訳ではなく、フランス文化を洗練されたものにした功績もあったことでしょう。
    それが断頭台送りになったのですから、歴史とは残酷なものです。

    【2012/09/19 19:46】 url[chariot(猫アリーナ) #/8nqih4Y] [ 編集]
  • こんにちは。久々にコメントします。
    これはスゴイですねぇ。乙女心くす
    ぐられます(笑)実は、あまり関心が
    なかったのですが、写真をみたら、
    気になってきました。
    観に行ってみよう~♪

    【2012/09/19 07:24】 url[えび新聞 #-] [ 編集]
    please comment















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