「田中武 隠/暗 展」 日本橋高島屋
日本橋
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日本橋高島屋の美術画廊Xでは10月8日(月)まで、「田中武 隠/暗 展」が
開かれています。

田中001


田中武さん(1982~)は北九州市出身・在住の日本画家で、古典に拠りながら、
ひねりを加えたユニークな作品を描いています。

この展覧会は釈迦の弟子を描いた「十六羅漢図」になぞらえ、人間の欲望を
象徴した「十六恥漢図」5点を中心にした展示です。

「十六恥漢図」のうち、「印相」 120号 2010年
田中003

シリーズの第1作で、チキンを食べている人はさらに飛んでいるツバメに
食欲を見せています。
手の形は仏像の印相になぞらえていて、題名の元になっています。
軸物に似せた縁取りで、中国画の趣きがあり、手前には草花が博物画の
ように描かれています。
会場におられた田中さんによれば、この作品が好評だったことから、
シリーズとして制作を始め、現在5点が完成したとのことです。

「十六恥漢図」のうち、「裏側」 2011年 豊橋市美術博物館蔵
田中002

第5回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展大賞を受賞した作品です。
羅漢が自分の顔の皮を剥くと、仏の顔が現れたという話に拠っています。

「十六恥漢図」のうち、「霞」 2012年
田中004

「十六恥漢図」のうち、「初紅」 2012年
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「お祈願ジャポン」 2011年
田中006

荷物の箱を担ぎ、脚にはおみくじを結び付けた馬が驚いた顔をしています。
上の方にはエンジェルトランペットが描かれています。
右上には、「奉 神馬日本霊異記 上二十一」とあります。
日本霊異記は日本最古の説話集で、上巻21は馬を酷使した男が災いを
受けるという話です。
神社の絵馬の形を使って、人間の欲望の際限の無さを表しています。


展示場の一部は襖で仕切られていて、襖には大小の襖の引き手金具の絵が
描かれています。
田中さんによれば108個あるとのことで、煩悩の数ということです。
金具は亀がデザインされていて、円山応挙や長沢芦雪の絵で有名な兵庫県の
大乗寺の襖の引き手金具と同じとのことです。
田中さんは大乗寺によく通い、応挙の作品から多くの示唆を得たそうです。

襖の奥の絵には写真のネガのような黒い地の作品が置かれています。
始めの「十六恥漢図」などの「隠」に対して、「暗」の世界です。

「Return of a desire」 2012年
田中007

横約360cmの大作で、画像はまだ未完成のものです。
完成作では、人々の見つめる向こうに燃え上がる国会議事堂周辺と、
ゴジラが描かれています。
東日本大震災と原発事故に触発されての作品で、木から藤の花のように
下がっているおみくじは人々の欲望を、ゴジラによる破壊はその応報を
表しています。
作品の構想は釈迦を荼毘に付す場面を描いた、下村観山の「闍維(じゃい)」に
拠っているとのことです。

田中武さんの作品には日本画の伝統に則りながら、今の世に生きている
感覚があります。
あと残った11点の「恥漢図」がどんな作品になるか楽しみです。

9月23日(日)午後3時と、9月30日(日)午後3時にはギャラリートークも
開かれます。

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【2012/09/23 00:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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