「メトロポリタン美術館展 大地、海、空-4000年の美への旅」 東京都美術館
上野
chariot

上野の東京都美術館ではリニューアル記念、「メトロポリタン美術館
大地、海、空-4000年の美への旅」展が開かれています。
会期は2013年1月14日(金)までです。

メ001


ニューヨークのメトロポリタン美術館の所蔵品のうち、自然をテーマにした作品、
約130点が展示されています。
展示は以下の章に分かれています。

第1章 理想化された自然
第2章 自然のなかの人々
第3章 動物たち
第4章 草花と庭
第5章 カメラが捉えた自然
第6章 大地と空
第7章 水の世界 

第1章 理想化された自然

展示は広々とした牧歌的な風景画で始まります。

クロード・ロラン 「日の出」 おそらく1646-47年
メ013

最初に展示されている作品です。
クロード・ロランは理想化された古代の風景を得意としています。
朝日が木々や遠くの丘を照らし、牛や羊を追う人が点景のように描かれています。

第2章 自然のなかの人々

ティントレットやドラクロワ、ゴーガンなどの作品が並んでいます。

「音楽を奏でる男女の羊飼いのタペストリー」 
 南ネーデルランド 1500-30年頃

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大きなタペストリーで、花の咲き乱れる楽園で犬を従えた男はバグパイプを吹き、
杖を持った女は歌を歌っています。
可愛い姿の鳥や羊も織り出されています。
時代としてはヒエロニムス・ボスの頃に当たり、プロテスタントの勢力が
強くなってきた時期で、やがてネーデルランドではプロテスタントによる
独立戦争が起こります。

ウジェーヌ・ドラクロワ 「嵐の中で眠るキリスト」 1853年
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新約聖書の中の、イエスの一行がガリラヤ湖を渡っている時に嵐が起こり、
弟子たちが慌てふためく中でイエスは平然としていて、やがて嵐を鎮めた
という話です。
レオナルドの「最後の晩餐」と、ドラクロワの師だったジェリコーの
「メデューズ号の筏」を合わせたような劇的な場面で、荒れる水面の描写が
活きています。

ジャン=フランソワ・ミレー 「麦穂の山:秋」 1874年頃
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ミレーの最晩年の作品です。
のんびり草を食む羊たち、羊飼いが一人、巨大な麦穂の山、空に湧き上がる
不穏な雲と続きます。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「浜辺の人物」 1890年
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空と海の青が心地良く、ヨットや女性の服、犬の白が映えています。
光と風を感じます。

第3章 動物たち

古代メソポタミア以来の工芸品、彫刻などを中心にしています。

「黄金のホルス名の象嵌」 エジプト 末期王朝時代 第30王朝 
 ネクタネボ2世の治世 彩色陶器

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エジプトの最末期の王朝時代で、伝統的な様式化された造形です。
エジプトはペルシャの短い支配の後、アレクサンドロス大王の支配を受け、
ヘレニズム時代に入ります。

第4章 草花と庭

草花をあしらった工芸品などです。

第5章 カメラが捉えた自然

芸術写真も展示されています。
一番古い作品は1846年で、写真が発明されてから20年ほど後になります。

第6章 大地と空

森林や山などについての作品です。

ワージントン・ウィットレッジ 「鱒池」 1870年
森の中の小さな池が木漏れ日の中に見えます。
アメリカの画家の作品ですが、濃い緑と輝く金色の色彩は日本画のようです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「糸杉」 1889年
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ゴッホは亡くなる前年にサン=レミの精神病院に入院し、その頃よく糸杉を
描いています。
火炎のように立つ糸杉と一緒になって地面も山も雲も大きくうねり、
ゴッホの気迫が伝わります。

エドワード・ホッパー 「トゥーライツの灯台」 1929年
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どこか寂しげな風景で、明るく晴れた空がかえってそれを際立たせています。
エドワード・ホッパー(1882-19670)は単純化された画面でアメリカの
孤独を描いています。

第7章 水の世界

水の生き物の工芸品、川や海などを描いた作品です。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「ヴェネツィア、
 サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」 1835年頃

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色彩の濃淡が効果的に使われていて、青い空が大きく広がり、船の影は水に
溶け込むように映っています。
ターナーはイタリア旅行で大きな感銘を受け、特にヴェネツィアにはその後も
何度も訪れているそうです。

クロード・モネ 「マヌポルト(エトルタ)」 1883年
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ノルマンディーのエトルタの奇岩はモネが好んでよく描いています。
冷たい青色の冴えた作品です。

ウィンスロー・ホーマー 「月光、ウッドアイランド灯台」 1894年
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会場の最後に展示されています。
ウィンスロー・ホーマー(1836-1910)はアメリカを代表する画家の一人で、
よく海の絵を描いています。
海面も波も月光に輝き、遠く水平線にぽつんと赤い灯の見える、
ロマンチックな光景です。


絵画ばかりでなく、陶器や金属器、ガラス器、染織など、メトロポリタン美術館の
幅の広い所蔵作品をたっぷり楽しむことの出来る展覧会です。
アメリカの美術館なので、トマス・コール、ジョージ・イネス、エドワード・ヒックス、
ジョン・シンガー・サージェント、ジョ-ジア・オキーフなど、アメリカの画家の
作品が多く紹介されているのも魅力です。

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【2012/10/09 00:04】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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blog_name=【弐代目・青い日記帳 】 ♥   「メトロポリタン美術館展」
 
東京都美術館で開催中の 「メトロポリタン美術館展 大地、海、空—4000年の美への旅」へ行って来ました。 展覧会公式サイト:http://met2012.jp/ メトロポリタン美術館の17学芸
【2012/11/24 21:46】

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