ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス」展 新橋 パナソニック汐留ミュージアム
新橋
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新橋のパナソニック汐留ミュージアムでは、「ジョルジュ・ルオー 
アイ・ラブ・サーカス」展が開かれます。
会期は12月16日(日)まで、水曜日は休館日です。

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この展覧会では、パリのルオー財団の特別協力により、初期から晩年までの
サーカスを着想源にして描いた油彩や版画、約90点が展示されています。

サーカスの道化師の中に人間存在の本質を見ていたルオーは、全作品のうち
3分の1をサーカスをテーマにして描いていたそうです。

第1幕 悲哀‐旅回りのサーカス  1902-1910年代

ジョルジュ・ルオー(1871-1958)は職人の子としてパリの労働者街に
生まれています。
貧しい子供時代のルオーにとって、時折訪れる巡回サーカスは大きな楽しみで、
夢中になって観ていたそうです。
そして、サーカスの道化師の中に孤独や悲哀を見出し、自分を同化させて
いきます。

「タバランにて(シャユ踊り)」 
 1905年 水彩・パステル  パリ市立近代美術館蔵

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足を振り上げて踊るシャユ踊り(カンカン)を荒々しく画面の枠
いっぱいに描いています。
冷たく深い青色も際立ちます。
ジョルジュ・スーラが1890年に描いた「シャユ踊り」の華やかで
理知的な雰囲気とはまるで違います。

初期に当たるこの時期の作品は、素早く荒い筆遣いと暗い色彩で描かれ、
華やかさとその裏にある、サーカスの芸人たちの置かれた状況を
表しています。

第2幕 喝采‐舞台をひと巡り  1920-30年代

道化師、女曲馬師、、曲芸師、踊り子などがルオー独特の太い輪郭で
描かれるようになります。
どの作品も憂いを含んだ静けさと、ときには威厳も感じられます。

「女曲芸師(人形の顔)」 
 1925年頃 油彩 パナソニック汐留ミュージアム蔵

ル007

ルオーの特徴のアーモンド型の目をした、くっきりとした肖像です。
目元や口元、髪飾りの赤に生命力を感じます。

「傷ついた道化師」 1929-39年 油彩 個人蔵
ル002

タペストリーの原画として描かれた大作3点が展示されています。
そのうちの1点で、縦152cmあります。
演技で怪我をした道化師を、家族でしょうか他の道化師が支えて
歩いています。
空には月も見え、ステンドグラスのような荘厳さがあります。

第3幕 記憶‐光の道化師  1940-50年代

晩年になると、道化師たちは威厳を増し、聖像画のような聖性を
帯びてきます。
ルオーのよく描いたもう一つの主題、キリストと一体化している
ように見えます。
恩寵を道化師の中に見出したのでしょう。

「青いピエロたち」 1943年頃 油彩 個人蔵(ルオー財団協力)
ル004

石の花瓶を燭台のように立て、月と星を背に階段の上にすっくと立つ
二人のピエロです。
ルオーが晩年に住んだヴェルサイユの風景を模しているとのことで、
深く輝く青が印象的です。

「うつろな夢」 1946年 油彩 ポンピドーセンター国立近代美術館蔵
ル003

道化師の帽子をかぶった自画像で、制作時より若い頃の顔です。
晩年のルオーの作品は黄色が強くなってきます。

「貴族的なピエロ」 1941-42年 油彩 アサヒビール株式会社蔵
ル005

戸外の景色を背景に、左右にカーテンの一部も見せ、威厳をもって座る
ピエロの姿はルネサンス以来の貴人の肖像画と同じです。
正面から少しずらしたまなざしには余裕も見えます。
4つボタンのあるピエロの像はルオーにとっても特別の意味を
持っているそうです。
ルオーの道化師も初期からここまで変化し、磨かれています。

展覧会では当時のサーカスのポスターやプログラム、新聞・雑誌の
記事なども展示されています。
展覧会の内装はサーカス小屋が再現されたようになっていて、
パナソニックさん得意の明るい電球がきらめき、当時のサーカスの
わくわくする雰囲気を再現しています。

パリのサーカスを解説するビデオも上映されていて、現存する
常設サーカスのシルク・ディヴェールも紹介されています。
ルオーを夢中にさせたサーカスの歴史や魅力がよく分かるビデオで、
シルク・ディヴェールを案内する元団長は雰囲気のある人物でした。
元団長は、サーカスとは何かと訊かれ、「目を開けたまま見る夢」と
答えていました。


期間中は「山田五郎アートトーク」「金井圭介氏によるサーカスワークショップ」
「本展監修者後藤新治氏(西南学院大学教授)によるスライドトーク」などの
イベントもあります。

展覧会のHPです。

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【2012/10/11 00:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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