「中国 王朝の至宝」展 東京国立博物館
上野
chariot

上野の東京国立博物館平成館では日中国交正常化40周年、東京国立博物館
140周年特別展、「中国 王朝の至宝」が開かれています。
会期は12月24日(月)までです。

中001


中国最古の王朝とされる、約4000年前の夏の王朝から13世紀の宋王朝まで、
歴代王朝の都や中心地域の代表的な文物、約170点が展示されています。
展示は2つの王朝、あるいは都を対比する形になっています。

第一章 王朝の曙 蜀vs夏・殷

紀元前2000年頃に黄河中流域の中原に興った初期王朝の夏・殷と、同じ頃に
長江上流の今の四川省にあって中原とは異なる文化を持っていた蜀との対比です。

(蜀)金製仮面 殷~西周時代・前12~前10世紀 
 四川省成都市金沙遺跡梅苑区出土

中003

横5cmほどのとても小さな仮面です。
夏・殷の青銅器文化に対し、蜀は金を多く使ったり、人の形を造形するのが
特徴だったそうです。
金沙遺跡は2001年に発見され、現在も発掘の続いている遺跡です。

第二章 群雄の輝き 楚vs斉・魯

戦国時代、殷・周の文化を受け継ぐ黄河下流域の斉・魯と、長江中流域に栄えた
楚の対比です。

(楚)虎座鳳凰架鼓 戦国時代・前4世紀 湖北省荊州市天星観2号墓出土
中010

高さ150cmほどもある大きな木製の太鼓です。
虎の上に鳥が乗り、鳥の首が太鼓を支えていて、鳥の頭の造形は
活き活きとしています。
鳥と虎との組合わせは天と地を表しているのでしょうか。
楚は異形の神や動物を崇める文化を持っていました。

第三章 初めての統一王朝 秦vs漢

中国を初めて統一した秦と、その後を引き継いだ漢の文物です。

(秦)跪射俑 秦時代・前3世紀 
 陝西省西安市臨潼区始皇帝陵兵馬俑2号坑出土

中008

始皇帝陵の兵馬俑の一つで、皮の鎧を着て弩を構える兵士です。
顔を少し上げて遠くを見ている姿はリアルで、赤い色も部分的に残っていて、
沓の裏の滑り止めまで表現されています。

秦の滅亡のとき、20万の秦の兵士は楚の項羽に降伏しますが、その数の多さを
恐れた項羽によって埋め殺されています。
兵馬俑は実在の兵士たちをモデルにしていたらしいので、兵士の中には俑と同じく
埋められてしまった者もいたかもしれません。


(漢)女性俑 前漢時代・前2世紀 
 陝西省咸陽市陽陵陪葬墓園130号墓出土

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前漢6代、景帝の陽陵の副葬品です。
漢時代になると俑も小さくなってきます。
高さ60cmほどの人形のような俑で、顔の表情は柔らかく、
色彩もよく残っています。

第四章 南北の拮抗 北朝vs南朝

後漢の滅亡の後、三国時代を経て、華北と華南の南北朝の時代に入ります。

(北朝)天人龍虎蓮華文柱座 北魏時代・太和8年(484) 
 山西省大同市司馬金龍墓出土

中011

柱を支える石製の台座で、蓮華文の丸い台座の四隅に羽衣を着けた天人が
座っています。
一つだけ頭部の残った天人は笛を吹いていて、とても愛らしい顔をしています。
北魏は鮮卑族の王朝で、仏教とともに天人や唐草文様など西方文化も
採り入れています。

(南朝)仙人仏像文盤口壺 三国(呉)時代・3世紀 
 江蘇省南京市雨花台区長崗村M5墓出土

中005

南朝より以前の三国時代の作ですが、在来の神仙思想を描いた壷に
外来宗教である仏像を貼り付けています。

「関中侯印」金印 東晋時代・4~5世紀 
 江蘇省南京市棲霞区直瀆山東晋墓出土

南北朝の前の東晋時代の品で、志賀島出土の金印と同じ形をしていて、
つまみは亀になっています。
関中侯は魏の曹操が新設した爵位で、篆書で「関中侯」の文字が
陰刻されています。

第五章 世界帝国の出現 長安vs洛陽

再び全国を統一した隋・唐の都、長安と副都として栄えた洛陽です。

(洛陽)仏坐像 唐時代・8世紀 河南省洛陽市龍門石窟伝来
龍門石窟の仏像で高さ120cmほどです。

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堂々とした体躯で、とても胸が分厚いのが特徴です。

第六章 近世の胎動 遼vs宋

唐の滅亡後、中国北部には鮮卑系である契丹族による遼が成立し、
漢族の宋に対抗します。

(遼)銀製仮面 遼時代・10~11世紀 遼寧省阜新市出土
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金銀銅の仮面を被葬者の顔に被せるのは契丹族の風習です。

契丹族の文化については今年、東京藝術大学大学美術館で開かれた
「契丹」展でも紹介され、金製の仮面も展示されていました。

「契丹」展の記事です。

(宋)阿育王塔 北宋時代・大中祥符4年(1011) 
 江蘇省南京市中華門外長干寺里宝塔頂長干寺地宮出土

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2008年に出土した、高さ119cmもある大きな仏舎利塔です。
インドの阿育王(アショカ王)が8万4千の仏塔を建立したという故事に
因むものです。
内部は木組の銀製で鍍金してあり、水晶、瑪瑙、ガラスなどで飾り、
精緻な細工で仏伝や漢字、象や虎も彫られています。
捨身飼虎図のような場面もあります。
何とも見事な塔で、中国では塔王(仏塔の王)と呼ばれているそうです。


展示品は日本の国宝に当たる一級文物が約60%というだけあって、どれも興味深い
ものばかりで、中国文化の中の南北の違い、漢民族と異民族、在来宗教と仏教など、
さまざまな要素を知ることが出来る、とても見応えのある展覧会です。

展覧会のHPです。

今年初めに同じ東京国立博物館で開かれた「北京故宮博物院 200選」展は
主に宋から清時代の文物の展示でしたので、これで中国王朝の歴史を
すべて辿ったことになります。

「北京故宮博物院 200選」展の記事です。


同じ東京国立博物館の本館では古事記1300年・出雲大社大遷宮特別展
「出雲―聖地の至宝―」 が開かれています。
会期は112月25日(月)までです。

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【2012/10/19 00:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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