「是真展(ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・絵画)」 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館では特別展、「ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・絵画」が
開かれています。
会期は12月16日(日)までです。
11月25日までの前期と27日からの後期で一部展示替えがあります。

是001


柴田是真《文化4年(1807)~明治24年(1891)》は江戸生まれの漆芸家で、
江戸から明治にかけて漆工芸や絵画で活躍しています。
従来の蒔絵師と違って、下絵から蒔絵までの工程を独りで行ない、近代的な
漆工芸を育てる役割を果たした工芸家です。

その作品は極めて高度な技術と、優れたデザイン感覚、江戸っ子らしい
洒落っ気、遊び心が一体となっています。

是真はZESHINとして海外でも好まれ、海外に多くの作品がありますが、
この展覧会では、国内の作品約140点が展示されています。


『漆工』

「烏鷺(うろ)蒔絵菓子器」 東京国立博物館蔵
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二つの箱を組合わせたような面白い形をしていて、金地の片方に黒いカラス、
片方に銀灰色のサギの飛び交う姿を描いています。
観る角度によって、烏鷺の姿や金地が色合いを変えて浮かび上がってきます。
烏鷺には黒と白、そして囲碁の意味があり、この器は黒が優勢のようです。

「夕顔蒔絵板戸」 根津美術館蔵
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小さな板戸に立体感のある分厚い塗りで夕顔を描いています。
瓢箪の部分は尾形乾山の系統の陶工、三浦乾也の作です。

「業平蒔絵硯箱」  根津美術館蔵
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伝尾形光琳作の「業平蒔絵硯箱」を模した作品で、伝尾形光琳作と並べて
置かれています。
原作は狩衣の線や扇の骨を錫の板で作ってあるのを、錫の粉や灰墨を使って
蒔絵で再現してあるそうです。

「大橘蒔絵菓子器」 新潟・中野邸美術館蔵
是002

大橘とはザボンのことで、大きなザボンの実をデザイン的に描いています。
ところどころに嵌め込まれた小さな螺鈿がきらめきます。

「鉋屑漆絵菓子器」  明治21年(1888) 個人蔵
カンナ屑が描いてある、面白い図柄の菓子器です。

他に細かい仕事が見せ所の印籠や刀装なども多数展示されています。

『絵画』

柴田是真は京都で四条派の絵を学んでいて、多くの作品を描いています。
その画力に注目した歌川国好が年下の是真に教えを乞うたという話もあります。

「雛図」(前期展示) 根津美術館蔵
是008

是009
 
掛軸の表装の部分に雛道具を描き並べるという、柴田是真らしい
遊び心のある絵です。

「瀑布図」(前期展示) 静嘉堂文庫美術館蔵 
左隻
是010

右隻
是011

六曲一双屏風で、滝と谷川の景色を濃密な色彩で描いています。
蒔絵師の描く小さな世界とは異なり、雄大な構想に拠っています。
柴田是真は京都での絵画などの修業の後、浅草平右衛門町に居を構えています。
神田川をはさんで柳原に対する場所だったので、對柳居という号も用いる
ようになり、この屏風にも對柳居の落款があります。

『漆絵』

柴田是真は高度な技術を要する、紙の上に漆を使って描く漆絵という技法も
編み出しています。
漆で色の違いを出すのはかなり難しいことだろうと思います。

「漆絵画帖 鷹図」(前期展示) 根津美術館蔵
是007

いろいろな素材を集めた小さな画帖です。
紐でつながれた鷹は面白くなさそうな顔をしています。

2010年には日本橋の三井記念美術館でも、外国にある作品を中心に、
「柴田是真の漆×絵展」が開かれていました。

「柴田是真の漆×絵展」展の記事です。


展示室5は装飾経の展示です。

「華厳経巻第五十二」 奈良時代・8世紀 重要文化財
紺紙に銀字で書かれていて、二月堂焼経とも呼ばれています。
東大寺二月堂に置かれていた物が、お水取りの火が燃え移ってお堂が焼けて
しまった時に持ち出された経巻で、上下が少し焦げています。
東大寺は華厳経による寺院です。

国宝、「観普賢経」(平安時代・11世紀)は淡い茶色の料紙に墨書されています。


展示室6は「口切-茶人の正月-」がテーマです。

11月は茶人にとっての正月で、茶壷の封を切って新茶を取り出し、
臼で挽いて茶事を行なう、口切の茶事が行われます。

「雅経卿吹笛図」 冷泉為恭 江戸時代・19世紀
掛軸で、狩衣姿の人物が座って笛を吹き、横には鞠が置かれ、
歌が添えられています。
藤原雅経は蹴鞠の名手として知られています。

        直好
まりもきくおなし響に
聞ゆなる秋のしらへに
吹上の濱

展覧会のHPです。


根津美術館の次回の展覧会はコレクション展、「新春の国宝 那智瀧図」です。
会期は2013年1月9日(水)~2月11日(月・祝)です。

那智001


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【2012/11/07 00:13】 美術館・博物館 | トラックバック(2) | コメント(0) |
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