「北井一夫 いつか見た風景」展 東京都写真美術館
恵比寿
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恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館3階展示室では「北井一夫 
いつか見た風景」展が開かれています。
会期は2013年1月27日(日)までです。

北井001


北井一夫さん(1944~)は中国満洲の鞍山生まれで、日本大学芸術学部
写真学科中退です。
ドキュメンタリー写真家として有名で、1976年に第1回木村伊兵衛写真賞を
受賞しています。

以下の写真シリーズが展示されています。

「抵抗」 12点 1964-1965 
横須賀の原子力潜水艦寄港反対闘争を撮っています。
名作とは違うダメ写真を狙い、ピンボケ、手ブレを利用し、フィルムも
擦り傷だらけの物を使ったそうです。

「神戸港湾労働者」 5点 1965
写真集「抵抗」がまったく売れず、実家の神戸に帰ったときに撮った
沖仲士たちです。

「過激派・バリケード」 19点 1965-1968
全学連運動の写真集を頼まれて上京し、日本大学芸術学部校舎のバリケードの
中に4ヶ月泊り込みます。
生活することによって、非日常的空間の中に日常的空間が入り込んでいる
様子を撮ったということです。

「過激派」より「機動隊突入」 長崎県佐世保市 1968
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「三里塚」 20点 1969-1972
三里塚闘争の中に暮らす農民たちの姿です。
若者の熱気のむせ返る都会を好きになれず、崩壊に向かう農村の生活、
風景を撮ろうと考えたそうです。
闘争の記録写真というより、闘争の中の日常というものを撮っている
ように思えます。

「三里塚」より「少年行動隊」 千葉県成田市 1970
北井007

この子たちも今は50歳台でしょうか。

「いつか見た風景」 1970-1973
東北や九州などの田舎の風景です。
北井さんは、ひと気のない年寄りと子どもばかりの村を撮るのは、
失われた幼児体験、過去を呼び戻すことだったと述べています。

「いつか見た風景」より「五能線」 青森県津軽 1972
ポスターなどに使われている作品です。
男の子は可愛い長靴を履いています。

「村へ」 31点 1973-1981
同じく東北を中心にした風景です。
70年代は農業中心の村社会と人間関係が崩壊し、古き良き時代の日本が
終わる時代で、暗室の赤色電球の下で現像液の中に浮かび上がる写真に
自分の過去を何度も投影した、と述べています。

「村へ」より「雪の中で」 秋田県湯沢市 1974
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道に積もった雪で高くなった所から写しています。
ガラス戸の向こうで女の子が笑っています。

「境川の人々」 12点 1978
今の時代の浦安を写真に残してほしいと頼まれ、1年間境川沿いの漁師町の
人たちの生活を撮影し、写真集にして町内全戸に配ったそうです。
ディズニーランドとニュータウンの造成が進んで昔ながらの浦安風景が
消えようとしていた頃です。

「新世界物語」 10点 1980-1981
大阪の新世界を撮っています。
「共感を持たずにいられないような人たちがいた。自分もそういう場所に
育ったのでどこか懐かしさと共感を持ってしまった。」とあります。

「フナバシストーリー」 37点 1983-1987
北井さんの住む船橋に建った団地がテーマです。

「フナバシストーリー」より 千葉県船橋市 1987年
北井005


「おてんき」 10点 1991-1995
特殊レンズを使わない主義で、一時は使ったものの、飽きてしまって
やめたそうです。

「おてんき」より「ツバメの子」 岐阜県荘川村 1991
北井006

「1990年代北京」 20点 1996-2001
北京の庶民の生活です。
「今まで都市を撮ることがなかった自分が何故今北京なのか自問したが、
自分の幼児体験と過去をもう一度たどる以外に何も見出せない。」とあります。
中国生まれの北井さんの感慨です。

「1990年代北京」より「鳥市」 北京 1996
北井003

「ライカで散歩」 5点 2005-
ユズの実や父の使った帯を撮っています。
「60歳を越して遠くまで出掛けるのがおっくうになったので、開き直って
年を取って初めて見えてきたものを撮ることにした。」とあります。

「道」 4点 2011-
東日本大震災の津波によって建物が流され道だけが後に残った光景です。

北井さんの写真はどれもモノクロで、特殊レンズも使わず、一つ一つは
何気ない日常の風景です。
ただ、それが集まったとき、観る人に強く訴えるものがあります。

展覧会のHPです。


 


こちらは写真美術館の正面です。

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恵比寿駅側の入口です。

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通路の横には大きな写真が展示してあります。

ロベール・ドアノー 「市役所前のキス」 1950
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ロバート・キャパ 「オマハビーチ D-デイにノルマンディー海岸に
上陸するアメリカ部隊」 1944年6月6日

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植田正治 「妻のいる砂丘」 1950年頃
写0041


恵比寿ガーデンプレイスです。

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高さ5mのバカラのシャンデリアが飾ってあります。
1月14日までの展示です。

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