円空展 「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡」 東京国立博物館
上野
chariot

上野の東京国立博物館本館特別室5では特別展、「飛騨の円空-千光寺と
その周辺の足跡」展が開かれています。
会期は4月7日(日)までです。

円空001


円空(1632-1695)は美濃(現在の岐阜県)生まれの江戸時代前期の僧で、
全国を行脚しながら各地で仏像や神像を彫っています。
現存する作品は5300体以上で、特に愛知県に3000体以上、岐阜県に約1500体以上、
そのほか北海道から奈良県にわたって残っています。

展覧会では円空がしばらく滞在していたと思われる岐阜県高山市の千光寺の
所蔵する61体を中心に、高山市に残る約100体の円空仏が展示されています。

「賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)坐像」 千光寺
円空006

会場の入口で迎えてくれます。
賓頭盧尊者は釈迦の弟子の一人で、日本ではおびんずるさまと呼ばれ、
撫でると厄病除けの功徳のある撫で仏として親しまれています。
あちこち触られて表面がぴかぴかに光り、優しげな表情がさらに増しています。

「両面宿儺(りょうめんすくな)坐像」 千光寺
ポスターなどに載っているお像です。
両面宿儺は日本書紀の仁徳天皇の条に書かれている鬼神で、一つの胴体に
二つの頭、四本の腕を持っていたとされています。
日本書紀では王命に従わなかったため誅されたとありますが、千光寺など
岐阜県の寺院の開山ともされています。
頭は二つあり、剣を帯び、手に斧を持ち、光背は渦を巻いた、迫力に満ちた姿です。
日本書紀では弓矢を用いたとありますが、斧というのは木材の国飛騨らしい
持ち物です。

「如意輪観音菩薩坐像」 東山白山神社
円空004

片膝を立て、手を頬に当てた優しげなお顔の観音様です。
小指の先も少し反らせて表情を持たせています。
ノミの跡が比較的に滑らかなので、若い頃の作品と思われるとのことです。

「不動明王および二童子立像」 千光寺
円空005

左に制多迦童子(せいたかどうじ)、右に矜羯羅童子像(こんがらどうじぞう)を
従えています。
二人の表情がかなり異なっているのが面白いところです。
それぞれ性悪と小心を表しているとのことですが、なかなか良いお顔をしています。

この像は丸太を縦に二つに割って、片方に不動明王を彫り、もう片方をさらに
二つに割って童子にしています。
円空仏は縦に割った材木の形をそのまま生かした作品が多く、量産できる
パターンを決めていたことが分かります。

「三十三観音立像」 31体 千光寺
円空003

四つに割った材木の角の部分を合掌した手の形に見立てています。
目と眉は横線を入れただけの簡単なつくりです。
村人が病気になった時、お寺から借り受け、後で返していたそうで、
2体が戻らないままになって、現在は31体が残っています。
村人の信仰の中にあった仏様です。


材木のような高さ2mの神像、大きな木の瘤をそのまま残した仁王像から
高さ5cmくらいの小さな如来像まで、さまざまな姿形ですが、どれも確かな
造形性があり、ぐいぐい彫り上げていく勢いが感じられます。
展示物を照らすライトの具合もちょうど良く、作品をくっきりと浮かび
上がらせています。

日本人は昔から、木々にも神仏が宿ると考えてきました。
円空仏を観ているとそれが形になって現れているように思えます。

私は初日の12日の午後に行きましたが、かなりの来館者で賑わっていました。
一部屋で展示してあることもあり、これから混雑するかもしれません。

展覧会のHPです。

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【2013/01/13 00:15】 美術館・博物館 | トラックバック(2) | コメント(0) |
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