「カリフォルニアデザイン展」 国立新美術館
乃木坂
chariot

六本木の国立新美術館では「カリフォルニアデザイン1930-1965 」展が
開かれています。
会期は6月3日(月)まで、火曜日が休館日です。

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副題は「モダン・リヴィングの起源」で、第二次世界大戦後にアメリカの
大衆文化の中心として飛躍的な発展を遂げたカリフォルニアの生み出した、
「ミッドセンチュリー・モダン」のデザインをテーマにした展覧会です。

カリフォルニアの温暖な気候、楽観主義的な気風、アジアやメキシコに近い
という立地から、開放的で明るいデザインが生まれています。

「机、椅子」 
 ケム(カール・エマニュエル・マーティン)・ウェーバー 1938年頃

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木、プラスチック、クロムメッキ加工のアルミを組合わせたセットです。
第二次世界大戦前にすでにこのようなモダンなデザインが生まれていました。
私も使ってみたくなります。

「添え木」 チャールズ&レイ・イームズ 
 エヴァンス・プロダクツ社成型合板部門 1941-45年頃

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第二次大戦の負傷兵のために作られた成型合板の添え木です。
15万本以上製造されたそうです。
イームズ夫妻はロサンゼルスを拠点に、成型合板やプラスチックなどを用いて
多くの工業製品や建築のデザインを行なっており、この添え木が最初の
大量生産品です。

「象」 チャールズ&レイ・イームズ 
 エヴァンス・プロダクツ社成型合板部門 1945年


合板を立体的に成形する技術によって作られた玩具です。
小さな子供が乗ることが出来る丈夫さです。
1945年は日本が太平洋戦争で降伏した年ですが、アメリカはこのような玩具を
作る余裕があった訳です。

「ダイニング・チェア・ウッド」 チャールズ&レイ・イームズ 
 エヴァンス・プロダクツ社成型合板部門 1945-49年

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成型合板製で、底板と脚の間にはゴム製のショックマウントが入っています。
デザイン性に優れ、座り心地も良さそうな椅子です。

「イームズ・ストレージ・ユニット」 チャールズ&レイ・イームズ 1949年頃
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現在も販売されている、組み合わせ家具です。
簡素で使いやすく、大量生産にも向いています。
カリフォルニアは軍需工場の従業員や復員兵のために大量の住宅需要があり、
カリフォルニアデザインを発展させる基にもなっています。
軍事用に使われた成型合板、ファイバーグラス、合成樹脂といった新素材が
住宅や日用品の素材に転用されています。

「エアストリーム バンビ」 ウォーリー・バイアム 
 エアストリーム・トレイラー・インク 1961年

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会場の入口に置いてあって、ひと際目を惹きます。
アルミ製のトレイラーで、板はリベット留めがされています。
まるで爆撃機の胴体のようで、航空機製造技術の応用であることが分かります。
第二次大戦中のカリフォルニアは航空機産業の中心でした。

「マーマン邸 レクリエーション・パヴィリオン(アーケディア)」 
 バフ・ストラウブ&ヘンスマン社 1958年 写真:ジュリアス・シュルマン

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カリフォルニアデザインの住宅は大きなガラスを使い、陽の光を取り込み、
家の内外を一体化して開放的です。

左:「バービー人形」 マテル社 1959年
バービーはカリフォルニアの玩具メーカー、マテル社によって1959年に発売が
開始されています。

右:「サーフ・ボード」 グレッグ・ノル 1960年頃
カリフォルニアといえば、ビーチ、太陽、サーフィンを思い浮かべます。
木製だったサーフボードもファイバーグラスを使うことで軽くなっています。

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「女性用水着」 メアリー・アン・デウィーズ 1961年
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星条旗をあしらった水着です。
楽天的で自己肯定的なカリフォルニアデザインを象徴しているようです。
ザ・ビーチ・ボーイズが結成されたのも1961年です。

カリフォルニアデザインは資本主義アメリカの経済、生活文化の優位を示す
象徴として、冷戦時に映画などを通じて世界中に宣伝されてもいます。

しかし、ベトナム戦争の泥沼化によってやがて明るいカリフォルニアにも影が
差してきます。
1965年はアメリカが北ベトナムへの爆撃(北爆)を開始した年であり、
不安な雰囲気の「ホテル・カリフォルニア」をイーグルスが歌ったのは1976年です。

現在の私たちの周りにある品々のデザインにも大きな影響を与えたカリフォルニア
デザインを知ることの出来る、とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。




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【2013/04/13 00:08】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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