「源氏絵と伊勢絵展」 出光美術館
日比谷・有楽町
chariot

日比谷の出光美術館では、「源氏絵と伊勢絵展」が開かれています。
出光美術館のコレクションを中心にした展示で、会期は5月19日(日)までです。

オ008

光源氏を主人公とする「源氏物語」は在原業平を主人公とする「伊勢物語」から
多くの影響を受けたとされています。
それぞれの物語を描いた源氏絵や伊勢絵からその様を見比べる展示です。

土佐光吉没後400年記念ということで、安土桃山時代の絵師、土佐光吉
(1539-1613)の作品も何点か展示されています。

「伊勢物語図色紙 武蔵野」 俵屋宗達 江戸時代
伊勢物語十二段の、男が女を盗み出して武蔵野に逃げていくお話です。
男女が草むらで語り合い、手前では松明をかざした追手が迫っています。
緊迫した場面の筈ですが、のどかな王朝風の雰囲気です。

  むさし野はけふはなやきそ若草のつまもこもれりわれもこもれり

「伊勢物語 くたかけ図」 岩佐又兵衛 江戸時代 重要美術品
源001

(部分)
源002

十四段で、陸奥の女の許に通った男が朝早く帰るので、女がそれを鶏のせいだと
思っている場面です。

  夜も明けば きつにはめなで くたかけの まだきに鳴きて せなをやりつる

  夜が明けないうちから鶏が鳴くものだから、男が帰って行ってしまう。
  この鶏のやつ、水桶に突っ込んでやる。

男が見上げる屋根の上では、鶏が勝ち誇ったように鬨の声を上げています。
情景は細い線でていねいに描かれ、男の直衣も品の良い色合いです。
薄く刷いた墨の色が夜明け前の暗さを示し、柳に風も吹いて、物語より叙情的な
雰囲気になっています。

「源氏物語 賢木・澪標図屏風」 右隻(部分) 狩野探幽 寛文9年(1669)
源003

(部分)
源004

源氏物語第十帖、「賢木(さかき)」の一場面です。
光源氏との関係を諦め、伊勢に下ろうとする六条御息所の居る野の宮を
源氏が訪れています。
源氏は榊の枝を御簾から差し入れているところです。

  神垣はしるしの杉もなきものをいかにまがへて折れるさかきぞ 六条御息所

  少女子があたりと思へば榊葉の香をなつかしみとめてこそ折れ 源氏

狩野探幽は大和絵もよく学んでいて、萩薄の茂る庭の風情には趣きがあります。

「源氏物語図屏風」 右隻(部分) 伝 土佐光吉 桃山時代
源005

源氏物語第八帖、「花宴」の中の源氏と朧月夜の君の出会いの場面です。
朧月夜の君は後で源氏と取り交わす扇を持っています。
宮中の桜の宴での出来事なので、満開の山桜が描き添えられています。

  てりもせす曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしく物そなき  大江千里

「源氏物語手鑑」 土佐光吉 慶長17年(1612) 
 和泉市久保惣記念美術館 重要文化財

場面替えがあって、私の行った時は「若紫」「賢木」「行幸」「橋姫」でした。

「八ツ橋図屏風」 左隻 酒井抱一 六曲一双
琳派004

「留守模様」は人物を描かず、情景や物だけを描いて、観る者に想像させる手法です。
八ツ橋図も留守模様の趣向の一つで、伊勢物語の第九段、東下りの場面です。

  からごろも着つつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしも思ふ

工芸品も物語にちなんだ、柴垣、御所車、蔦細道、紅葉賀、空蝉などをあしらった
香炉や印籠、硯箱などが展示されています。

伊勢物語と源氏物語の世界をたっぷりと味わえる、みやびな展覧会です。

展覧会のHPです。


 


出光美術館の次回の展覧会は「古染付と祥瑞」展で、
会期は5月25日(土)から6月30日(日)です。

染付は初夏にふさわしい焼き物です。
染001

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【2013/04/08 00:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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