「国宝 大神社展」 ブロガー内覧会
上野
chariot

上野の東京国立博物館平成館で開かれている、「国宝 大神社展」の
ブロガー内覧会が4月23日の夜にありましたので、行ってきました。

神001

会期は6月2日(日)までです。
会期中は前期(5月6日まで)と後期(7月8日から)、一部展示替え、
また個別の展示替えがあります。

※会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

考古研究員の井上洋一さんと彫刻史研究員の丸山士郎さんのギャラリー
トークがあり、大変参考になりました。

「山ノ神遺跡出土品」 
 奈良県桜井市山ノ神遺跡出土 古墳時代・5-6世紀 東京国立博物館

神0130

山の神を祀っていたことを示す出土品です。
三輪山を祀る祭祀遺跡で、ミニチュアの土器類や石器類です。

こちらは海の神を祀った福岡県宗像市沖ノ島祭祀遺跡出土の4-5世紀の
国宝の鏡です。
神0129

「金銅製雛機」 伝宗像市沖ノ島祭祀遺跡出土 
 奈良-平安時代・8-9世紀 国宝

神0041

とても精巧なミニチュアで、実際に機織り出来るそうです。
機織の技術は大陸・朝鮮から伝来しており、海の交通路にふさわしい
奉納品です。

「沃懸地螺鈿金銅装神輿」 
 平安時代・12世紀 和歌山・鞆淵八幡神社 国宝

神0045

鎌倉時代の安貞2年(1228)に京都の石清水八幡宮から贈られています。
鞆淵郷は石清水八幡宮の荘園のあったところです。
堂々とした神輿で、屋根の下のところに螺鈿細工がされているのが見えます。

「七支刀」 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮 国宝
神0155

何と言っても一番人気はこの刀です。
4世紀の朝鮮半島との関係を知る手がかりとなる銘文が彫ってあり、
これを観るだけでもこの展覧会に来た甲斐があります。

象嵌も縦に彫られているので立てて展示されていても良いのですが、
横になっています。
これは、実は枝の一つが折れていて、立てるとさらに損傷しやすいので
横にしてあるそうです。

5月6日(月・休)までの展示予定でしたが、所蔵先のご厚意により
5月12日(日)まで期間が延長されることになりました。

「白糸威鎧」 鎌倉時代・14世紀 島根・日御碕神社 国宝
神0121

前期の展示です。
金物には花輪違紋があしらわれています。
源頼朝、あるいは塩冶高貞(えんやたかさだ)の奉納とされていますが、
花輪違紋は塩冶家の家紋です。
塩冶高貞は鎌倉期から南北朝期の武将で、歌舞伎の忠臣蔵で塩冶判官と
されている人物です。
松江藩主、松平治郷(不昧)の命によって補修されていて、威糸のほとんどは
その時の物です。

「浅葱糸妻取威鎧」 室町時代・15世紀 山口・防府天満宮 
神0143

前期の展示です。
周防・長門の守護大名、大内盛見(おおうちもりはる)が足利将軍から拝領した鎧で、
正長2年(1429)に奉納されています。

左 「大太刀」 銘 備州住兼重作 
 南北朝時代・14世紀 栃木・日光二荒山神社 重要文化財


右 「大太刀」 桐鳳凰蒔絵太刀 
 室町時代・天文7年(1537) 神奈川・鶴岡八幡宮 重要文化財

神0147

右の大太刀には長い銘が入っていて、戦国大名の北条氏綱の奉納とあります。
  奉納八幡宮御宝殿北条左京太夫平氏綱 天文七戊戌年八月二日
  所願成就皆令満足 相州綱広作

ともにかなり長い、見事な太刀です。

左 「唐鞍」 鎌倉時代・13世紀 奈良・手向山八幡宮 国宝
八幡三神のための螺鈿などの装飾を施した馬具で、一式揃っている最古のものです。

右 「海松円文螺鈿鞍」 
鎌倉時代・12世紀 奈良・手向山八幡宮 重要文化財

南宋から渡来の工人で東大寺の再建に尽くした陳和卿の寄進と伝えられています。

神0109

手向山八幡宮は東大寺の鎮守として祀られています。

「水干・袴 褪紅地松梅模様」天野社伝来
 室町時代・15世紀 和歌山・金剛峯寺 重要文化財

神0048

前期の展示です。
衣装類も何点か展示されています。

神像のコーナーの入口です。

神0100

手前から
「獅子・狛犬」 平安時代 12世紀 滋賀・若松神社
「随身立像」 厳成作 
 平安時代 応保2年(1162) 岡山・高野神社  重要文化財


随身の一人は矢をつがえ、一人は弓を引き絞っているところだそうです。
矢をつがえている方は袖をまくっているという変わった姿です。

「男神坐像(老年像・青年像)・女神坐像」 
 平安時代・9世紀 京都・松尾大社 重要文化財

神0060

現存する神像ではおそらく日本最古だろうとのことです。
見た目にはよく分かりませんが、神威を示すためか真中の老年像の顔は赤く、
女神像は白く、女神像との間の子と思われる青年像は肌色に塗ってあるそうです。
老年像の顔には皺がありますが、青年像は張りのある顔立ちです。

左 「女神坐像(八幡三神像のうち)」 
 平安時代・9世紀 京都・東寺(教王護国寺) 国宝

松尾大社の神像とほぼ同時代の作で、堂々としたお姿です。
八幡神は東寺の鎮守神で、東寺の中には八幡宮もあります。

明治政府による神仏分離令が出るまでは日本では神仏習合が進んでいたので、
お寺に神像や神宝が残っていることがあります。

右 「男神坐像(伝武内宿禰)」 
 平安時代・10世紀 京都・東寺(教王護国寺)  国宝

上半身裸形で、元は衣装を着ていたものと思われます。

神0106

「武装神坐像」 平安時代・12世紀 奈良・勝手神社
神0063

武装神像は中国式の鎧のことが多いとのですが、この像は日本の鎧を
着けています。
手前の像は星兜を被り、右腰に平胡簶(ひらやなぐい)を帯び、
普通は左胸に着ける鳩尾の板を右胸に着けています。

勝手神社はその字面から戦の神としても信仰されています。

「男神・女神坐像、童子・童女立像」  平安時代・12世紀 広島・南宮神社
神0070

9世紀の神像に比べ制作も簡略化されていますが、1体ごとの違いも
表現されています。


神0072

右の像と比べると、真中の像は垂れ目で衣装も質素、髪もすべて後ろに垂らして
耳を出しているのは身分の低さをあらわしているらしいとのことです。

左 「女神坐像」 平安時代・10~11世紀 兵庫・伊弉諾神宮
右 「女神坐像」 鎌倉時代・13世紀 兵庫・伊弉諾神宮
神0096

左の像は吉祥天のような髪型で、肉付きも豊かです。
背中側に木のうろがあって、仏像を彫る場合には使わないような木の部位を
構わずに使っているそうです。
ご神木を彫って神像にしたのでしょうか。

右の鎌倉時代の像はかなり平面的になっていて、袿(うちぎ)を3枚重ねています。

伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)は淡路市にあって、イザナギ、イザナミを
祀っています。

「小丹生之明神 和加佐国比古神(男神坐像)」
「小丹生之明神 和加佐国比女神(女神坐像)」 
 鎌倉時代・13世紀 福井・若狭神宮寺 重要文化財
神0066

男神は「おにゅうのみょうじん わかさこくひこしん」と呼びます。
糊を使って角を立てた強装束(こわしょうぞく)という、平安時代末期から
流行した着方をしています。
有名な伝源頼朝像も強装束姿で描かれています。
女神は小袿を着ています。
若狭神宮寺は東大寺お水取りの行事の水を送る、「お水送り」の行事で
知られています。

「春日神鹿御正体」 南北朝時代・14世紀 京都・細見美術館 重要文化財
神0160

とても精巧なつくりで、春日大社の神鹿が鞍に神の依り代の榊と円鏡を付け、
円鏡には五体の本地仏が線彫りされています。


ショップには「神社エール」や「ジンジャークッキー」という、
神々しいグッズもあります。

神0122


全国の神社の所蔵する、滅多に目にすることの出来ない国宝・重要文化財の
神像や神宝などが数多く展示されている貴重な機会ですので、ご覧になる
ことをお奨めします。

「国宝 大神社展」の記事です。





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【2013/04/28 00:27】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(2) |
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コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
  • とらさん、こんばんは。
  • コメント有難うございます。

    お返しに、

    醍醐寺から東寺までは4時間かかる。

    (だい5時)から(きょうおう午後9時)までだから。

    【2013/05/07 23:02】 url[猫アリーナ(chariot) #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 大神社展
  • 内覧会での実景写真を見て、会場の様子を思い出しました。またTB有難うございました。

    御礼にオジンギャグを一つ。小学生の質問への回答です。

    Q: どうして日本最古の神像が、「東寺」というお寺にあるの?

    A: 今は「神も仏もない時代」だけど、「当時」には、「神も仏も居た」のさ。

    【2013/05/07 10:41】 url[とら #8WYMted2] [ 編集]
    please comment















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