「-妖怪奇譚 II-金子富之展」 日本橋高島屋
日本橋
chariot

日本橋高島屋美術画廊Xで開かれている「-妖怪奇譚 II-金子富之展」に
行ってきました。
会期は5月13日(月)までです。

金001


金子富之さん(1978~)は埼玉県出身で、小さい頃から超常現象や妖怪に
興味を持ち、その世界を描くために日本画を習得したとのことです。
現在は山形で制作をしています。

2011年に同じ高島屋で開かれた、「-妖怪奇譚-金子富之展」の記事です。

仏教の「唯識論」という、心理学のような論述の中に第七識の末那識
(まなしき)というのがあります。
金子さんは末那識に存在するという魔境から噴出するヴィジョンを
妖怪の形で平面化しようとしているそうです。
どの作品にも、見えないものを見える形にしようとする情熱と迫力に
あふれています。

「炎の擁護者」(部分) 2013年

金002

金004

縦2.3m、横13.5mの大作です。
1908年6月30日にシベリア起きたツングースカ大爆発に想を得ています。
ツングースカ大爆発では1000km離れた家の窓ガラスが割れ、爆発の光で
真夜中のロンドンでも新聞が読めるくらいに明るくなったそうです。
ヤクート族の叙事詩では、大爆発は敵対する部族の上で起こり、自分たちには
害を加えなかったので、この爆発を起こした悪魔をニュルグン・ブートゥル
(炎の擁護者)と呼んだとのことです。

長大な画面では何匹もの歯をむき出した怪獣がのたうち回っています。
くすんだ金地や朱色には密教的な色彩を感じます。
朱色は根来塗のようです。
山形県は密教文化の中心である出羽三山のあるところです。

「ゴライアス・タイガー」 2013年
金005

横3.8mの作品です。
コンゴ川水系に棲む大型肉食魚で、現地ではムベンガと呼ばれています。
体長1.5mにもなり、大きな歯を持っていて、人を襲うこともあるそうです。
ゴライアスとは旧約聖書に出てくる、ダビデの投石器の石で斃された
ペリシテ人の巨人、ゴリアテの英語読みです。
妖怪ではなく実在の魚だけに、余計迫力があります。

「小雨」 2012年
金006

小雨とは女の子の流す涙を指すそうです。
かすれた金地からおぼろげに浮かび上がる姿には、存在の儚さを感じます。

「世界蛇」 2012年
金003

横5.46mあります。
ヨルムンガンドは北欧神話に出てくる大蛇です。
主神のオーディンによって海に捨てられますが、そこで大きく成長して世界を
取り巻いた自分の尾をくわえるまでになり、世界蛇と呼ばれことになります。
折り畳まれた蛇体は延々と伸びていく様を想像させます。

会場には妖怪、魔物のイメージを描き留めた創作ノートも展示されています。

今度の展覧会も金子さんの魔的な世界を十分楽しむことが出来ました。
次回の展覧会が楽しみです。

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【2013/05/08 00:00】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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