「河鍋暁斎の能・狂言画」展 日本橋 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「河鍋暁斎の能・狂言画」展が
開かれています。
会期は6月16日(日)までで、5月19日までの前期と5月21日からの後期で
一部展示替えがあります。

河001


河鍋暁斎(かわなべきょうさい)(1831-1889)は幕末から明治にかけての絵師で、
狩野派系の漢画や浮世絵など多才な画業で知られています。

また、能狂言を愛好し、その舞台を描いた作品を数多く遺しています。

「猩々図扇面」 太田記念美術館
河003

前期の展示です。
「猩々」は酒好きの生き物である猩々が現れて舞うという楽しい演目です。
自身も酒が好きだった暁斎は猩々という号も持っていました。

「高砂図」 河鍋暁斎記念美術館
河004

後期の展示です。
「高砂」は目出度い演目なので、熊手を持った尉(じょう)と箒を持った姥
(うば)は軸物などによく描かれています。

「閻魔と鵜飼図」 河鍋暁斎記念美術館
河006

河007

前期の展示です。
能の「鵜飼」を基にした絵で、禁漁の罪を犯した鵜使いが地獄で閻魔大王に
責められていますが、飼われていた鵜たちは鵜使いを慕って集まっています。
鏡には月夜の鵜飼の様が映し出され、鵜使いの姿は白く浮き上がっています。

「猿楽図式」 河鍋暁斎記念美術館
河005

「唐人相撲」の一場面の描かれたページのようです。
中国に滞在していた日本の相撲取りが日本に帰ることになり、皇帝の前で唐人たちと
相撲を取り、ことごとく打ち負かし、最後には皇帝にも勝ってしまうというお話です。
狂言には珍しく、何十人も登場するというとても賑やかな演目です。
五世野村万之丞自身の演出による上演をTVで観たことがありますが、中国風の衣装や
舞台に登場する音楽も華やかで、大柄な野村万之丞の演じるのにふさわしい演目です。

五世野村万之丞は2004年に44歳で亡くなり、八世野村万蔵を追贈されています。

『「暁斎画談」外編 「貞光院墓前で三番叟を舞ふ図」』 
梅亭金鵞編 河鍋暁斎画 河鍋暁斎記念美術館

河鍋暁斎は駿河台狩野家に弟子入りして、狩野派を学んでいます。
貞光院は師の狩野陳信の祖母で、暁斎が能狂言を学ぶことを喜び、費用を
援助しています。
そのことに感謝し、一周忌に墓前で「三番叟」を踏む様子を描いたものです。
墓前に僧侶たちが並ぶ中で暁斎は三人の囃し方を従えて演じています。
「三番叟」は力強く足を踏む演目なので、三番叟を踏む、という言い方をします。

「道成寺図(鐘の中)」 河鍋暁斎記念美術館
下絵で、白拍子の演者が釣鐘の中で蛇に変身している様子を描いています。
鐘の中は暗いので、鐘の内側に付けた台に蝋燭を立て、手鏡で面の付け具合を
確認していて、前シテで使った女面や中啓は鐘の中に吊った袋に入れてあります。
客席からは判らないところが描かれていて、とても興味深い絵です。

「鬼女図」 河鍋暁斎記念美術館
下絵で、「殺生石」の一場面と思われる、鬼女と狐を重ねて描いています。
「殺生石」は、鳥羽上皇に寵愛された玉藻前が正体を現し、九尾の狐となって
那須野に逃げますが、討たれて怨霊となり、旅の僧の法力によって救われる
というお話です。
打杖を振り、恐ろしげに挑み掛かる鬼女と、獲物に襲い掛かろうと跳躍した瞬間の
狐の姿が見事に二重になっていて、暁斎の画力の高さを示しています。

「団扇絵 蚊相撲」 河鍋暁斎記念美術館
前期の展示です。
「蚊相撲」は蚊の精が相撲取りに化けて大名と相撲を取るという話で、正体を
見破った太郎冠者が風を起こして追い立てます。
大蔵流の狂言では扇子を使うので、大蔵流を学んだ暁斎の絵も扇子で扇いでいます。
和泉流では両手で持つ大きな団扇を使って扇ぎ立てます。

河鍋暁斎の描写力は素晴らしく、どの場面も活き活きとして臨場感にあふれています。
能・狂言に詳しくなくても楽しめる展覧会です。

展覧会のHPです。


三井記念美術館の次回の展覧会は特別展、「大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ―」です。
会期は7月6日(土)から9月1日(日)までです。
妖怪とは夏らしい企画です。

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【2013/05/22 00:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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