『「もののあはれ」と日本の美』展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
chariot

六本木のサントリー美術館では、『「もののあはれ」と日本の美』展が開かれています。
会期は6月16日(日)までで、休館日は火曜日です。

もの001


日本人の感性の基本にある、「もののあはれ」を主題にして、絵画・工芸品を
展示する展覧会です。
展示期間中はかなり細かく展示替があるので、あらかじめ展覧会のHPで確認
されると良いでしょう。

「本居宣長四十四歳自画自賛像」 
 安永2年(1773) 本居宣長記念館 重要文化財


5月20日までの展示です。
山桜を活けた花瓶を前にしています。

「もののあはれ」を提唱したのは江戸時代の国学者、本居宣長(1730-1801)で、
会場には稿本も展示されています。

外来思想である儒教を形式主義として批判し、日本固有の文化でも万葉集の
雄々しさではなく、源氏物語を高く評価しています。
光源氏が父の桐壺帝の女御である藤壺の宮と関係を持つというお話は
儒教倫理ではまったく許されないことなので、本居宣長の思想家としての
姿勢をよく表しています。

  敷島の大和心を人問はば朝日に匂う山桜花

「寝覚物語絵巻」 平安時代・12世紀 大和文華館 国宝
部分
もの001

5月13日までの展示でした。
更級日記の作者である菅原孝標の女の作と伝えられる物語の絵巻です。
切箔や砂子が散らされた優美な作品で、絵の雰囲気は平家納経とよく似ています。

「小倉山蒔絵硯箱」 室町時代・15世紀 サントリー美術館 重要文化財
もの003

5月27日までの展示です。
蓋表には小倉山あるいは嵐山、蓋裏は住吉大社、見込(硯を置いてある所)には
龍田川あるいは大井川が描かれています。
どれも歌所として有名です。

「四季歌意図巻」 4巻 鈴木其一 江戸時代・19世紀
5月13日までは春・夏の巻、5月15日からは秋・冬の巻が展示されます。

縦10cmくらいのとても小さな絵巻で、その分横の広がりが強調された、
鈴木其一の技量を示す絵巻です。

春の巻は、在原業平と思われる人物が太刀持ちの童を連れて、野にも山にも
桜の咲く道を行きます。

  世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

夏の巻は、海辺の景色で、肖像画で定型となった姿の柿本人麻呂が真中にいて、
海原の広がりを眺めています。
海の上には点々と千鳥が群れをなして飛び、遠くには小さく白帆が見えます。

  ほのぼのと明石の浦の朝霧に嶋がくれ行く舟をしぞ思ふ

秋は西行の「鴫立つ沢」、冬は藤原定家の「佐野の渡り」です。

「佐竹本三十六歌仙絵 藤原高光」 
 伝藤原信実 鎌倉時代・13世紀 逸翁美術館 重要文化財

もの004

5月6日まで展示されていました。

  かくばかり経がたく見ゆる世の中にうらやましくもすめる月かな

「佐竹本三十六歌仙絵」は5月8日から5月20日までは「藤原仲文」、
5月22日から6月16日までは「源順」が展示されます。

「色絵桜楓文透鉢」 仁阿弥道八 江戸時代・19世紀
もの002

径40cmくらいはある大きな鉢で、桜と紅葉を同時に描いた雲錦模様です。
雲錦(うんきん)の語は、吉野山の桜は雲かとぞ見え、龍田川の紅葉は錦の如し、
という言葉から来ています。

「春夏花鳥図屏風」 狩野永納 江戸時代・17世紀 サントリー美術館
5月20日までの展示です。
右隻
もの005

春の景色で、桜、柳、牡丹に鶯、雉、燕などです。

左隻
もの006

夏の景色で、藤のからまる松、雉鳩、三光鳥、鷺、ホトトギスなどです。
三光鳥は尾の長い鳥で、日本には夏に飛来します。
「月・日・星(ツキヒーホシ)、ホイホイホイ」と鳴くことからその名があります。

展示室には月の満ち欠けの表現や美術との関連の解説があったり、
よく登場する鳥の鳴き声を聞けたり、いろいろの工夫が凝らされています。
日本人の情緒感覚を再認識し、楽しめる展覧会です。

展覧会のHPです。


サントリー美術館の次回の展覧会は、「生誕250周年 谷文晁展」です。
会期は7月3日(水)から8月25日(日)までです。

関連記事

【2013/05/16 00:00】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/1845-8c756458

blog_name=【京の昼寝〜♪】 ♥   「もののあはれ」と日本の美/サントリー美術館
 
「もののあはれ」と日本の美/サントリー美術館 「もののあはれ」と言うと、“あわれ”を“哀れ”と連想してしまうのだが一般的ですが、古く平安時代から
【2013/06/06 12:27】

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |