「江戸人展」 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では、企画展、「江戸人展」が開かれています。
会期は6月16日(日)までです。
常設展の入館料で入場出来ます。

江戸001


国立科学博物館は江戸時代の遺跡から発掘された人骨などの資料を
6000個体以上保管しています。
これらによって見えてくる大江戸の人たちの姿や文化を紹介する展覧会です。

会場は撮影可能です。

江戸0063


「大江戸の顔」

武家と町人では男女ともに顔の形がかなり違っています。
武家の顔は細長くてあごが小さく、町人の顔は丸くてあごもしっかりしています。
武家の人は百姓や町人に比べ、柔らかい物を食べていたので、それが骨の形に
現れたようです。

写真で展示されていた、徳川将軍の正妻や側室の頭骨からもそれが判ります。

上:9代将軍家重正室 下:13代将軍家定正室
江戸0065

上:10代将軍家治側室 下:8代将軍吉宗生母
江戸0066

9代将軍家重の正室、證明院は皇族の出身ですが、細長い顔で、小さなあごを
しています。
皇族や公家も武家と同じ食生活だったことによるものです。
それに対し、8代将軍吉宗の生母、浄円院は百姓の出身と言われていますが、
顔立ちに厚みがあり、しっかりとしています。

思い出すのは、幕末の土佐の殿様、山内容堂のお話です。
あるとき、山内容堂たち大名が料亭かどこかに行ったことがあります。
大名が連れ立って料亭に行くなど、幕末だからこそのことです。
座敷に居並んだお客の顔を見た店の女将は客の顔の長さに感心して、
「皆さん、お長うございますこと。」と口にします。
町人が大名に向かって話しかけ、しかも顔の批評をするなど、これも幕末で
なければあり得ないことですが、山内容堂は平然と、「ここに宇和島が来れば、
わしらも丸顔になる。」と答えています。
宇和島とは宇和島藩主、伊達宗城(だてむねなり)のことで、写真で見ても
かなり顔の長い人だったことが判ります。

「大江戸のからだ」

帯をきつく締めたことにより変形した肋骨、髪型を守るため高さのある箱枕を
していたため曲がった頚椎の女性の人骨は当時の女性の生活習慣を現しています。

江戸003


結核や梅毒の跡のある人骨もあります。
結核が日本に入ってきたのは弥生時代、梅毒は戦国時代とみられています。
梅毒の跡は出土した人骨の5%の見られるとのことで、人口の50%は感染していた
という推計もあるそうです。
徳川家康の次男、結城秀康の死因も梅毒とされています。

試し斬りされた人の骨です。

江戸0074

湯島四丁目出土とあるので、講安寺の墓域あたりからの出土と思われます。
講安寺は前田家、榊原家など大名屋敷に囲まれていたので、大名の家中で
罪人の試し斬りを行なった後に埋葬したのかもしれません。

「大江戸の装い」

男女の髪型模型が並んでいて、左は横兵庫、右は大銀杏です。

江戸0081


白粉、お歯黒、紅の道具が展示されています。

白粉
江戸0076

お歯黒
江戸0077


江戸0078


かなり匂いの強いお歯黒の匂いを実感するコーナーもあります。

2012年に赤坂のニューオータニ美術館で開かれていた、「浮世絵に見る
江戸美人の化粧 白、紅、黒―三色の美」展の記事
です。

「写された・描かれた江戸の人たち」

江戸から明治にかけて撮影された日本人の写真と、幕末に日本を訪れた
外国人の描いた日本人の姿が展示されています。

エメ・アンベール著 「Le Japon illustre」
江戸004


知識としては知っていた江戸時代の人びとの生活を人骨を通してリアルに
実感できる、とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2013/05/28 00:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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