「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」展
日本橋
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日本橋高島屋では「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」展が開かれています。
会期は6月10日(日)までです。

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明治から昭和の京都画壇の画家たちと、琳派を近代に生かし、
最後の琳派とも呼ばれた神坂雪佳の作品の展示です。

京都市美術館と細見美術館のコレクションによって構成されています。

竹内栖鳳 「絵になる最初」(部分) 1913年 京都市美術館
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絵のモデルになるため着物を脱いだ少女が、その着物で体を隠して、
羞いの表情を見せている瞬間を捉えた作品です。

竹内栖鳳(1864-1942)は京都を代表する日本画家で、西村五雲、
橋本関雪、土田麦僊、小野竹喬らを育てています。

竹内栖鳳 「清閑」 1935年 京都市美術館
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子犬の可愛らしさをスケッチ風に描き出した小品で、ふわふわした手触りまで
感じさせます。
竹内栖鳳は動物画を得意としています。

西山翠嶂 「槿花」 1923年 京都市美術館
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着物姿をあっさりと仕上げているのに対して、女性の顔や髪を
より写実的に描き、モデルの個性を表現しています。

西山翠嶂(1879-1958)は竹内栖鳳に師事し、後に女婿となっています。

中村大三郎 「ピアノ」 1926年 京都市美術館
四曲一隻の屏風で、黒いグランドピアノを紅い振袖の女性が弾いています。
譜面台の楽譜もしっかり描かれていて、シューマンの「小さなロマンス」と
「トロイメライ」だそうです。
帯は葡萄や桃を大きく描いたモダンな図柄です。
中村大三郎(1898-1947)は西山翠嶂に師事しています。

菊池契月 「散策」」(部分) 1934年 京都市美術館
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萩の咲く中を縦縞の着物姿の女性が洋犬を連れて歩いています。
洋風のおかっぱに和服という取り合わせに目新しさがあったようです。

菊池契月(1875-1955)は菊池芳文(1862-1918)に師事しています。
菊池芳文は四条派の幸野楳嶺(1844-1895)に師事しており、
幸野楳嶺は竹内栖鳳の師でもあります。

梶原緋佐子 「帰郷」 1918年頃 京都市美術館
縞の着物と合羽を着て、パラソルを持った女性が駅の待合室らしい所に
立っていますが、髪はほつれ、生活の疲れの浮かんだ表情をしています。

梶原緋佐子(1896-1988)は菊池契月に師事していて、初期の作品には
社会性が感じられます。

上村松園 「人生の花」 1899年 京都市美術館
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初期の26歳の作品で、母親に付き添われて歩む花嫁を描いています。
角隠しを着け、笹紅を差した花嫁はやや俯いていて、喜びと不安の
混じった心の裡を現しています。
花嫁は華やかな立矢帯、母親は前帯を結んでいます。

上村松園(1875-1949)は幸野楳嶺に師事し、後に竹内栖鳳に師事しています。

上村松園 「晴日」 1941年 京都市美術館
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晩年の代表作の一つで、京都の日常の情景を母への追憶とともに
描いた作品です。
たすきをかけて甲斐甲斐しく伸子張り(しんしばり)をしている女性は
鹿の子模様の帯をして、髪にべっ甲の櫛、珊瑚のかんざしを差し、
桜の花を飾っています。

堂本印象 「婦女」 1948年 京都市美術館
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堂本印象(1891-1975)は西山翠嶂に師事しています。
作風は古典的な日本画に始まり、さまざまな美術思潮を取り入れ、
最後は抽象画にまで至っています。

この絵は戦後すぐの頃の作品で、和装と洋装が混じっていて、
ちょっとキュビズムの雰囲気があります。


神坂雪佳(1866-1942)は京都に生まれた日本画家・図案家で、
琳派を深く研究した作品を制作しています。
作品はおおらかで、デザイン化された構図が新鮮です。

神坂雪佳 「軽舟図」(部分) 1915年頃 京都市美術館 
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縦長の掛軸で、烏帽子を被った小舟の船頭さんの足元には山桜の枝が見えます。
王朝風の春の風情で、飄逸な雰囲気の作品です。

神坂雪佳 「伊勢物語図扇面(河内越)」 大正後期 細見美術館
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伊勢物語の一節で、男が河内にいる別の女の許に通うのを、女が平然として
送り出すので男は不審に思って、物陰に隠れて女の様子をうかがっています。
女は男を送り出してから歌を詠みます。

 風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとりこゆらん

それを聞いた男は愛しく思って、河内に行くのを止めてしまいました。

神坂雪佳 「十二ヶ月草花図(六月)」 大正後期 細見美術館
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神坂雪佳の特徴の大胆な構図によって各月の草花が描かれています。
六月は紫陽花の花や葉をトリミングして、その大きさを表しています。

神坂雪佳 「四季草花図文庫」 大正末期頃 髙島屋史料館
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大きな桐の地の一面に紫陽花や菊の花を描いた箱です。

琳派の神坂雪佳は同じ時代、同じ京都でありながらその作品が一緒に
展示されることは無かったそうです。
日本画の近代化を目指す四条派の竹内栖鳳たちと、装飾性を追求した
神坂雪佳はその方向性が違っていたためのようです。


今まで目にする機会の少なかった神坂雪佳の作品をまとめて楽しむことが
出来ました。
京都画壇の人たちの作品は、髙島屋の展覧会ということで、着物や洋服を
描いたものが多くありました。

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【2013/06/03 00:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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