「レオ・レオニ 絵本の仕事」展 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「レオ・レオニ 絵本の仕事」展が
開かれています。
会期は8月4日(日)までで、会期中は無休です。

この後、北九州市立美術館分館、刈谷市美術館へ巡回します。

レオ001


「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」などの作品で
日本でも親しまれている絵本作家、レオン・フレデリックの作品展です。

展覧会では絵本原画や資料約100点、油彩や彫刻など約30点が展示され、
絵本も置いてあって読むことが出来ます。

レオ・レオニ(1910~1999)はオランダのアムステルダム生まれで、
一家はイタリアのジェノバに移住し、レオニはジェノバ大学経済/商学部を
卒業しています。
アートディレクターとして働いていましたが、ムッソリーニ政権のイタリアで
1938年に人種法が制定されると、ユダヤ人であるレオニは1932年にアメリカに
亡命します。
49歳のときに、孫のためにつくった「あおくんときいろちゃん」で、
初めて絵本制作を手がけます。
戦後はアメリカとイタリアに住んで、油彩、水彩、色鉛筆、コラージュなど
さまざまな技法を使って、40冊近くの絵本を発表しています。

I 個性を生かして―ちょっぴりかわり者のはなし

自分らしくあることの大切さを伝えています。

「フレデリック」 パステル、コラージュ 1967年
ねずみの仲間たちが冬に備えてせっせと働いている間もフレデリックは何もせず、
ただじっとしています。
冬になった穴倉の中でフレデリックは何をしたのでしょうか。

芸術家の役割を述べたお話です。

「マシューのゆめ」 鉛筆、水彩、コラージュ 1991年
レオ005

貧しいねずみの両親はマシューが医者になることを期待しますが、
美術館で「ここに世界がまるごとある」ことを発見したマシューは
絵描きになることを宣言します。

レオニ自身について語っているお話といえます。
ねずみたちの鑑賞している絵はジョアン・ミロ風で、レオニは
キリコやキュビズム時代のピカソの作品を見て育っています。

「コーネリアス」 水彩、パステル、コラージュ 1983年
レオ001

ワニのコーネリアスは立って歩く変わり者で、とうとう猿から逆立ちまで習います。
仲間たちは見向きもしませんでしたが・・・。
他のワニたちからはかなり不審の目で見られているようです。

II 自分は自分―みんなとちがうことは すばらしいこと

本来の自分を発見しようと苦悩する主人公たちのお話です。

「アレクサンダとぜんまいねずみ」 コラージュ 1969年
レオ004

ねずみのアレクサンダは人に可愛がられているぜんまい仕掛けのねずみの
ウィリーがうらやましくて、まほう使いのトカゲに自分をぜんまいねずみに
してくれるように頼みます。

桜の花や千代紙の模様など、日本のデザインも入った作品です。

「さかなはさかな」 色鉛筆 1971年
レオ002

陸の世界を見てきたカエルの話を聞いたさかなは自分もそれを見たくなります。

水中の感じを色鉛筆でうまく表しています。

「ペツェッティーノ」 クレヨン、コラージュ 1975年
レオ008

自分は何かのぶぶんひんだと思ったペツェッティーノは
何のぶぶんひんなのかを探しに行きます。
自分探しの旅で得たものは・・・。


III 自分を見失って―よくばりすぎはよくない

自分を見失っておろかなことをしてしまうお話です。

「せかいいちおおきなうち」 色鉛筆、鉛筆 1968年
レオ007

世界一大きな家を持ちたいと願ったカタツムリがどうなったか。

「シオドアとものいうきのこ」 コラージュ 1971年
レオ006

音を出すきのこを見付けたねずみのシオドアは、きのこが「ねずみが一番偉い」と
言っているのだと仲間に嘘を付きます。
シオドアは仲間たちから王様としてとしてあがめられますが・・・。


IV 知恵と勇気―小さなかしこいゆう者たちのはなし

小さなものたちが知恵と勇気で困難を乗り越え、目的を遂げます。

「あいうえおのき」 水彩 1968年
レオ003

木の葉の上でくらしていた文字たちが集まって、言葉をつくり出します。
そして平和を求めるメッセージをつくって大統領に届けに行きます。

1968年はベトナム戦争に行き詰ったジョンソン大統領が北爆の一部停止と
次期大統領選挙への不出馬を表明した年でもあります。

「ひとあしひとあし」 水彩、パステル、コラージュ 1960年
シャクトリムシはフラミンゴの首の長さでも、ハチドリの全長でも何でも
測りますが、ナイチンゲールから自分の歌の長さを測らないと朝ごはんに
してしまうと言われます。
この難題をどう解決するのかと絵本を読んでみて、なるほどと感心しました。


デザイナーとしてすぐれていたレオ二の作品は色彩が明るく、コラージュや
色鉛筆など技法も物語とよく合っています。

話の内容も、自分とは何かという、アイデンティティーに関わるもので、
読んでいて自分自身の問題として共感できるところが魅力です。

レオニは子どもの頃、外界との接触が怖くて、ガラスの飼育器の中に
小石や植物を入れてトカゲやカタツムリなどを飼い、自分だけの世界を
つくっていたそうです。
その小さな世界から、世界中の子どもたちの心に届く物語が生まれた
ことになります。


私が行ったのは日曜日の開館時間のすこし後でしたが、すでに大勢の
親子連れの来館者でにぎわっていました。
楽しそうなグッズもたくさん販売されています。

展覧会のHPです。


  


Bunkamuraザ・ミュージアムの次回の展覧会は「レオナール・フジタ展」です。
会期は8月10日(土)から10月14日(日)まで、会期中は無休です。

フジタ001

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【2013/06/24 00:20】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(2) |
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  • あかーるさん、こんばんは。
  • やはり金曜日はゆったりした気分で観ることができますね。
    確かに大家の絵画作品だと観る方も少し緊張しますが、このような絵本は疲れが取れるような気がします。

    【2013/06/30 20:35】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • たまには絵本もいいですね
  • 会社帰りの金曜夜に観に行きました。その時間は親子は少なかったですが、女性がやはり多く来てました。題名とstoryの説明を読んで絵を順番にたどっていくのが面白い晩でした。たまには名画の大家と違うジャンルもほっとしていいですね。

    【2013/06/30 10:40】 url[あかーる #X037UcDo] [ 編集]
    please comment















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    Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の 「レオ・レオニ 絵本の仕事」展に行って来ました。 「レオ・レオニ展」特集ページ お母さん世代から子どもさんまで小学校の教科書に載って...
    【2013/06/29 23:22】

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