「浮世絵Floating World-珠玉の斎藤コレクション-」展 三菱一号館美術館 その1
東京
chariot

6月25日(火)の夜に丸の内の三菱一号館美術館で開かれた、
「浮世絵Floating World(フローティングワールド)
-珠玉の斎藤コレクション-」展のブロガー特別内覧会に
行ってきました。

浮001


斎藤文夫氏(川崎・砂子の里資料館長)の所蔵する浮世絵の発生期から
幕末・明治までを網羅する浮世絵のコレクションの展示です。
チラシには夏らしく団扇をあしらい、「浮わりと生きませう」となっています。


展示は3期に分かれ、期毎にすべて展示替えされて、3会期合わせて
約600点が展示されます。

第1期:7月15日(月・祝)まで、
       「浮世絵の黄金期-江戸のグラビア」

第2期:7月17日(水)から8月11日(日)まで、
       「北斎・広重の登場-ツーリズムの発展」

第3期:8月13日(火)から9月8日(日)まで、
       「うつりゆく江戸から東京へ
        -ジャーナリスティック、ノスタルジックな視線」

まず、展覧会担当学芸員の野口玲一さんと、ブログ「弐代目・青い日記帳」主宰の
Takさんのトークがあって、展覧会の見所を紹介していただきました。

野口さんによれば三菱一号館美術館は19世紀後半の欧米絵画の美術館の
イメージが強いので、お客さんが間違えて日本美術を扱う出光美術館や
三井記念美術館に行ってしまわないよう、チラシにも三菱一号館の建物の
絵を入れたそうです。

タイトルの「Floating World」は、「浮世絵」が外国に知られた頃の
英語直訳で、現在は「ukiyoe」で通じます。
言葉の調子が良いので選んでいます。

浮世絵は19世紀後半のヨーロッパに受け入れられ、西洋近代絵画の変革に
寄与したことは知られており、当時の洋館である三菱一号館で浮世絵を
観ることで、西洋が観ていたのと同じような気分を追体験できるだろうと
いうことです。

また、美術館の所蔵しているロートレックの版画は浮世絵の影響を
受けているので、一緒に並べてみたそうです。


写真は美術館より特別な許可を得て撮影したものです。

第1期、「浮世絵の黄金期-江戸のグラビア」の展示です。

浮世絵の誕生

菱川師宣 「武士と鬼の首引 武士と天狗の相撲」 元禄前期 1695頃
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西村重長 「げんじ五十四まいのうち 第二十番 朝顔」 享保後期 1730頃
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漆絵です。
源氏物語の「朝顔」の場面で、源氏と紫の上が語らい、庭では童女たちが
雪だるまを作っています。

春信-錦絵の誕生

鈴木春信 「風流やつし七小町」 宝暦後期 1764頃
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小野小町の7つの逸話を描いた揃い物で、7点揃っているのは斎藤コレクションだけ
とのことです。

鈴木春信 「風流やつし七小町 草紙あらひ」 宝暦後期 1764頃
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謡曲の「草紙洗小町」のやつしです。

鈴木春信 「風流やつし小野道風」 明和2年 1765
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美人絵-春信以降

鳥居清経 「雪中の男女」 明和期 1770頃
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礒田湖龍斎 「雛形若菜の初模様 若なや内しら露」 
 安永5-天明2 1776-82

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北尾重政 「かひこやしなひ草 第二」 天明期 1785頃
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養蚕・製糸・機織りの作業を描いています。

肉筆浮世絵

肉筆浮世絵の展示室は、ガラスケースを中に立てて何点かを展示しています。
江戸の巷の雑踏をイメージしているそうです。
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菱川師宣 「道中図」 元禄初期 1688頃
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懐徳堂度繁 「美人立姿図」 正徳期 1712頃
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西川祐信 「遊女道中記」享保期 1716頃
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宮川長亀 「遊女道中記」 延享期 1745頃
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清長

鳥居清長 「江之嶋」 天明初期 1781頃
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大判3枚続きで、遠くに富士山も見えます。
江戸時代から江ノ島は行楽地として賑わっていたようで、海水浴をしている
子どもたちも見えます。
川崎市出身の斎藤文夫氏は川崎・横浜や神奈川県内の風景の浮世絵から
収集を始めています。

鳥居清長 「当世遊里美人合」 多通美 天明3年頃 1783頃
浮0145

多通美は辰巳のことで、江戸の辰巳(東南)の方角にあった深川の
辰巳芸者を描いています。
辰巳芸者は「意気」と「張り」を身上とし、江戸の粋を代表する
存在となっています。

歌麿の遊女 

歌麿の展示室にはロートレックの「マルセル・ランデール嬢、胸像」(1895)が
暖炉の上に飾ってあります。
浮0157

喜多川歌麿 「扇屋内 蓬莱仙」 寛政5年頃 1793頃
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喜多川歌麿 「松葉屋 粧ひ 代々 初船」 寛政10年頃 1798頃
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喜多川歌麿 「青楼十二時」 寛政6年頃 1794頃
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遊女のたちの24時間を題材にした続き物で、12点揃っているのは珍しいそうです。
普段は客に見せないオフの姿も写していますが、ロートレックよりはよほど
色っぽく描かれています。

喜多川歌麿 「青楼十二時 丑の刻」
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真夜中に手洗いに立った姿でしょうか。
足元は不確かで、草履はひっくり返り、しどけない雰囲気がただよっています。

喜多川歌麿 「青楼十二時 巳の刻」
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朝湯に入ったところです。
浴衣がけで髪を縛り、お茶を飲もうとしています。

歌麿描く女たち

喜多川歌麿 「女織蚕手業草」 寛政12年頃 1800頃
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養蚕から製糸、機織までの作業の流れを大判12枚続きに描いています。
絵柄も隣と合わせてあって、絵巻物のようです。
北尾重政の「かひこやしなひ草」と並んで、当時の蚕糸業の貴重な
資料でもあります。

この続きは「その2」に書きます。

展覧会のHPです。

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【2013/06/30 00:05】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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三菱一号館美術館で開催中の 「浮世絵 Floating World−珠玉の斎藤コレクション」展に行って来ました。 展覧会公式サイト:http://mimt.jp/ukiyoe/ 三菱一号館美術館で浮世絵の展覧会と聞
【2013/07/13 11:25】

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