「アンドレアス・グルスキー展」 国立新美術館 プレス内覧会
乃木坂
chariot

六本木の国立新美術館では「アンドレアス・グルスキー展」が開かれています。
会期は9月16日(月・祝)まで、火曜日が休館日です。

グ001


ドイツの現代写真を代表する写真家、アンドレアス・グルスキーさん(1955~)の
日本初の個展で、65点の作品が展示されています。

7月2日にプレス内覧会・記者会見がありましたので、行ってきました。

グルスキーさんは旧東ドイツのライプツィヒ生まれで、幼少期に家族で
西ドイツに移住しています。

エッセンのフォルクヴァング芸術大学で写真をオットー・シュタイナートらに
学んだ後、デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント・ベッヒャーに師事し、
ベッヒャー派の一人として知られるようになります。

ベッヒャー派は、共通する類型を集めてそれを見せるという、タイポロジー
(類型学)と呼ばれる概念を基本としています。
また、写真を巨大なサイズに引き伸ばして展示するという特徴を持っています。

記者会見は国立新美術館の長屋光枝主任研究員による概要説明の後、
グルスキーさんが質問に答える形で行われました。

グ0039


以下はグルスキーさんの発言要旨です。

「写真のサイズ」
私が写真を学び始めた頃は作品は当然小さなサイズだった。
しかし同じスクールのトーマス・ルフなどは大きなサイズを作り始めており、
私が大きなサイズになるのは時間の問題だった。

「影響を受けた人」
私の祖父は写真家、父も広告写真家だったし、家には洗練されたデザインの
家具もあり、それらの環境から影響を受けた。
特に両親の影響は大きく、彼らのイメージしたデザインがどういう形に
なるかを見られたのは良かった。

はじめは現在のようなアーティストになるつもりは無く、写真家として
稼げれば良いと思っていた。

エッセンのフォルクヴァング芸術大学ではオットー・シュタイナーにも学び、
ミヒャエル・シュミットにも会って影響を受けた。

そしてデュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント・ベッヒャー夫妻に学び、
大きな影響を受けた。
ベッヒャーは、建物を撮るときは曇りの日の方が良い、建物からは距離を
置いて撮れ、と教えていた。
そこで、今日も新美術館の建物をまず距離を置いて撮った
しかし、近くに寄って撮ったりもして、状況によってはベッヒャーから
学んだこととはまったく別のアプローチもしている。

私の手法は小津安二郎監督の手法とも似ている。
私の最近の作品、「カタール」や「カミオカンデ」は広いアングルで
ノーマルレンズというベッヒャーの手法を踏襲しているが、小津も同じ
手法を用いている。

「被写体の選び方」
マスメディアの情報などに日々目を通し、自分の中でイメージを事前に
思い描いている。

ホームレスの人びと、アフリカからイタリアなどへのボートピープル、
オバマ大頭領の「Yes, We can!」をもじった「Yes, We camp!」のスローガンと
ともに抗議の座り込みをする人たちなどに興味を持った。

カミオカンデの写真を見た時は、あまり良い写真とは思えなかったので、
自分で撮ってみた。
そこに水があった方が良いと思ったので、CGで水を加えた。

「今回の展覧会」
新美術館の展示には満足している。
すべての展示レイアウトを自分で考えた。
大きな作品は複数の作品が一つの壁に並ばないようにした。
2013年の私が自分の作品をどのように見ているかを観てほしい。


予定時間を超えての興味深い記者会見でした。

会場の様子です。
作品は年代順には並んでいません。

写真は美術館より許可を得て撮影したものです。

右側の作品はジャクソン・ポロックの作品を撮った「無題 VI」(1997)です。

グ0054


左: 「ツール・ド・フランス」 2007年
右: 「ミュルハイム・アン・デア・ルール、釣り人」 1989年

グ0042


左: 「グリーリー」 2002年
右: 「99セント」 1999年

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「99セント」はロスアンゼルスの99セントショップの店内を写し、
デジタル加工したものです。

左: 「福山」 2004年
右: 「南極」 2010年

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人の営みと無人の世界

左: 「カミオカンデ」 2007年
右: 「シカゴ商品取引所 III」 1999年

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科学と経済

左: 「クフ」 2005年
右: 「大聖堂」 2007年

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古代と中世

巨大な画面に引き伸ばされた写真は、写真というイメージを超えた、
アートになっています。
対象は真正面から写され、どの部分も等価なので、平面的で静的に感じます。
一つの方式によってまとまった作品の並ぶ様子は、展示全体で一つの作品の
ようにも見えます。





国立新美術館では8月7日(水)から10月21日(月)まで、「アメリカン・
ポップ・アート展」が開かれます。

アメ001

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