「大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ―」 三井記念美術館
三越前
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日本橋の三井記念美術館では特別展、「大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ―」が
開かれています。
会期は9月1日(日)まで、8月4日までの前期と8月6日からの後期で
一部展示替があります。

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日本の妖怪変化(ようかいへんげ)の歴史を能面、絵巻、浮世絵などによって
たどる展覧会です。

「相馬の古内裏」 歌川国芳 江戸時代・弘化頃 公文教育研究会
妖003

前期の展示です。
大判3枚続きで、山東京伝の「善知(うとう)安方忠義伝」より、大宅太郎光圀が
妖術を使う滝夜叉姫(たきやしゃひめ)と戦う場面です。
相馬の古内裏は平将門が自分の本拠地の下総国猿島郡に御所を模して建てた屋敷が
廃屋になったもので、滝夜叉姫は将門の娘です。

原作では数百人の骸骨が登場するということですが、この絵では巨大な骸骨が
描かれています。
西洋の骨格図を参考にしていて描写は正確とのことです。

平将門自身も強力な祟り神で、今は神田明神などの祭神となっていて、その首を埋めた
といわれる首塚は大手町の三井物産横にあり、丁重に祀られています。

「百物語化物屋敷の図 林家正蔵工夫の怪談」 歌川国芳 江戸時代・天保頃
荒れた屋敷に棲み付く妖怪たちの様子が描かれ、屋根も座敷も妖怪だらけです。
初代林家正蔵(1781-1842)は仕掛けや人形を使った怪談噺を得意とし、
怪談噺の始祖とされているそうです。

私は8代目林家正蔵(当代は9代目)が怪談噺を演じるのを観たことがあります。
高座に小さな化物屋敷を組み立て、そこで演じていました。
見世物小屋のような趣きがあり、江戸の寄席の雰囲気を思い起こさせるものでした。

「化け物の夢(夢にうなされる子どもと母)」 喜多川歌麿 
 江戸時代・寛政頃 国立歴史民俗博物館

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昼寝で怖い夢を見た子どもを母親が蚊帳をめくって起こしています。
追い出された妖怪たちは口惜しがって、夜に母親の夢に出て怖がらせてやろうと
言っています。

「北野天神縁起 弘安本 甲巻」 鎌倉時代 東京国立博物館 重要文化財
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前期の展示です。
大宰府に流され、そこで亡くなった菅原道真の怨霊が雷神となって、
内裏に雷を落とした場面です。
今では学問の神様となっている菅原道真もはじめは雷の神様で、
京都の北野天満宮も道真の怨念を鎮めるために建てられたものです。

「酒呑童子絵巻」 亀岡規礼 江戸時代 三井記念美術館
源頼光と家来たちが酒呑童子を討っている場面が展示されていて、
酒呑童子の首が源頼光の兜に喰らい付いています。

「是害房絵巻」 南北朝時代 泉屋博物館 重要文化財
伽002
前期の展示です。
「今昔物語」にあるお話で、中国から来た天狗の是害房は比叡山の僧と法力競べを
して負けてしまいます。
日本の天狗たちによる賀茂河原での湯治などがの介抱のおかげで回復した是害房は
送別の歌会を催してもらった後、帰って行きます。
巧みな筆さばきの絵巻で、湯を沸かして是害房を風呂に入れたりして甲斐甲斐しく
介抱する天狗たちの様子が活き活きと描かれています。

「百種怪談妖物双六」 歌川芳員 江戸時代・安政5年(1858)
妖006

子どもたちが百物語をしている場面が振り出しで、提灯お岩、茂林寺の釜、
坂東太郎の河童、金毛九尾の狐などがあって、上がりは古御所の妖狐です。
ほの暗い灯火の元できゃーきゃー騒ぎながら、サイコロを振っていたことでしょう。

他に百鬼夜行図や付喪神(つくもがみ:器物の妖怪)、能面、安倍晴明と妖怪たちの
模型なども展示されています。

展示室の最後は、水木しげるの妖怪画25点の展示です。

「がしゃどくろ」 水木プロ
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野垂れ死にした人の怨念が妖怪になったものですが、1970年代に創作された
新人の妖怪です。
姿は歌川国芳の「相馬の古内裏」を元にしています。
女の子は楳図かずお風です。

他に小豆洗い、ぬらりひょん、塗壁、砂かけ婆、、座敷童子(ざしきわらし)、
児啼爺(こなきじじい)などが展示されています。
現代の妖怪、トイレの花子さんや口裂け女も居ます。 
口裂け女は1979年の春から夏にかけて流行った都市伝説で、集団下校や
パトカーの出動まであったそうです。
現代でも妖怪は健在なのです。


展示の解説にもありましたが、日本人は万物に生命を認める思想を持っています。
そして、それらはすべて仏と成り得る、あるいは成っていると考えます。
草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)という、謡曲の中でも
詠われている言葉に代表されます。
付喪神や妖怪などもどこか懐かしく、親しみを感じるのは、日本人がこの思想を
持っているからでしょう。

展覧会のHPです。





三井記念美術館の次回の展覧会は特別展、『国宝「卯花墻」と桃山の名陶 
―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―』です。
会期は9月10日(火)から11月24日(日)までです。

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【2013/07/26 18:25】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(2) |
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  • 私は水木しげるによっていろいろの妖怪を知りました。
    近代化によって妖怪の居る場所が無くなってきたのは寂しいことです。

    【2013/07/28 08:19】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 妖怪というと、私は「京極夏彦」なのですが。
    妖怪は灯りの少ない時代に生み出された、人間の想像物ですが、
    もしかしたら昔は本当にいたのかも知れないです。
    いえ、いて欲しいなと思います。

    【2013/07/27 23:07】 url[京tukiya #-] [ 編集]
    please comment















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    「大妖怪展」/三井記念美術館 「なにかようかい?」・・・ではなく「夏は妖怪(怪談)」「じぇじぇじぇ」・・・ではなく「ゲゲゲ」(笑) というわけで(どういうわけとツッコミ...
    【2013/08/29 12:16】

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