「シュルレアリスム―不思議な出会いが 人生を変える―」展 損保ジャパン東郷青児美術館
新宿
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新宿の損保ジャパン東郷青児美術館では、「<遊ぶ>シュルレアリスム
―不思議な出会いが人生を変える―」展が開かれています。
会期は8月25日(日)までです。

ル006


シュルレアリスムの持つ「遊び」の精神に注目した展覧会で、国内に所蔵されている
作品を中心にして、各種の資料を含め、約200点が展示されています。

ジョルジョ・デ・キリコ 「イタリア広場」 
 1914年 公益財団法人諸橋近代美術館

シュ002

広場、列柱の建物、物の影、遠くの汽車という、キリコ特有の世界です。
キリコのこの風景は後の作家たちに大きな影響を与えていて、現在の作品にも
それを見ることが出来ます。
私も自分の心象風景を観ているように思えるほどの近しさを感じます。
それは多くの作家の作品を通じて、キリコの世界に慣れ親しんでいるせいかも
知れません。

マルセル・デュシャン 「L.H.O.O.Q.」 1919/1964年 高松市美術館
シュ001

「モナリザ」の複製画に鉛筆で口髭を付けてあります。
これを「芸術」と呼ぶかは議論がありますが、「アート」ではあります。

マックス・エルンスト 「脱走者」(版画集「博物誌」より) 
 1926年 徳島県立近代美術館

シュ006

巨大な目を持った魚が泳いでいるように見えます。
凹凸のある物に紙を当て、鉛筆などでこすって形を浮き出させる、
フロッタージュという方法を使っています。

サルバドール・ダリ 「回顧された女の胸像」 
 1933/1977年 徳島県立近代美術館

シュ004

首からトウモロコシを提げ、頭にフランスパンを乗せ、その上にはミレーの
「晩鐘」のブロンズ像を置き、顔には何匹ものアリが描かれています。
1933年に制作され展覧会に出された時は、パンが本物だったのでピカソの
飼い犬にかじられてしまったそうです。
古代地中海世界の地母神の趣きがありますが、トウモロコシはアメリカの原産で、
コロンブスが持ち帰って来ました。

サルバドール・ダリ 「三角形の時間」 1933年 鹿児島市立美術館
シュ009

頭に何か乗せた胸像や、ダリといえば思い出す曲がった時計が描かれています。
夕陽の影や空の雲には実在感があります。

イヴ・タンギー 「火・色彩」 1941年 富山県立近代美術館
シュ010

荒涼とした土地に海藻のような物がゆらゆらと立ち上がり、濃い影が存在を
際立たせています。
題名からすると、炎を表しているのでしょうか、縞になった色が印象的です。

ルネ・マグリット 「ジョルジェット」 1935年 姫路市立美術館
シュ003

ジョルジェットはマグリットの夫人です。
画面はタイルの線できちんと分割され、それぞれに何か描かれています。
部分部分は写実的で明快なのに、その取り合わせは非現実的で、
不思議な光景です。

ルネ・マグリット 「魅せられた領域:二羽の雉鳩たちは、
彼らの家の暖かい薄あかりのなかで」
 (版画集「マグリットの捨て子たち」)より 1968年 姫路市立美術館

シュ005

人物の上半身は鳥籠で、顔の代わりに燭台のような物を持ち、隣にはライオンが
平和の象徴であるかのような薔薇の花輪をして、守護するように座っています。
マグリットの作品には俳句の取り合わせのような出会いの面白さがあり、
遊びの要素を強く感じます。

岡上淑子 「はるかな旅」 1953年 高知県立美術館
シュ007

岡上淑子(おかのうえとしこ:1928~)は高知県出身のコラージュ作家で、
1950年代前半の6年間に100点以上の作品を制作した後、高知に帰り、
作家活動を終えています。
アメリカの雑誌をよく使っているとのことで、コラージュも日本離れした
雰囲気です。
顔の部分の花はマグリット、犬に貼り付いた時計はダリを思い出します。

シュルレアリスムに付いて分かりやすく解説した、ジュニア版ブックレットも
300円で販売されています。
技法を分類したページです。

シュ011


1階ロビーでは会期中、午前11時30分~午後5時までワークショップコーナーが
開かれていて、シュルレアリストがおこなった作品づくりの手法を体験します。

人を惹き付ける魅力がある一方で、理解しにくい面のあるシュルレアリスムと
いうものを分かりやすく解説した、面白い展覧会です。





次回の展覧会は、「トスカーナと近代絵画」展です。
会期は9月7日(土)~11月10日(日)です。

トス001

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【2013/07/30 00:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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