「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち」展 ホテルオークラ東京
六本木一丁目・神谷町
chariot

虎ノ門のホテルオークラ東京アスコットホールではチャリティーイベント、
「第19回秘蔵の名品アートコレクション展」として、
「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち フランスの美しき街と
村のなかで」展が開かれています。
会期は9月1日(日)までで、期間中は無休です。
今回の展覧会の純益は日本赤十字社等を通じて、社会貢献のために寄付されます。
フ001
印象派やエコール・ド・パリの画家、日本人の画家の作品など95点の展示です。
普段、鑑賞の機会の少ない企業・団体・個人が所有する作品が出展されていて、
それらを観る良い機会でもあります。

8月8日にブロガーナイトがありましたので、行ってきました。
監修補佐の熊澤弘さんのギャラリートークを交えての鑑賞会でした。

写真は主催者の許可を得て撮影したものです。

フ0275


丸い台には画家たちの制作の舞台となったパリの略図が描かれています。
フ0234


第1章 19世紀のパリの画家たち―自然と都会の饗宴

カミーユ・ピサロ 「ポントワーズの橋」 
 油彩・カンヴァス 1878年 吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)

フ004

パリ北西のポントワーズのオワーズ川に架かる橋を描いています。
空を大きく取った広々とした景色で、遠くにはフランスの工業化を象徴するように
工場の煙突と煙も見えます。

クロード・モネ 「菫の花束を持つカミーユ・モネ」
油彩・カンヴァス 1876-77年

フ0296

モネの最初の妻、カミーユの肖像画です。
紺の服に緑の壁紙、赤いカーテンやクッションなど、
強い調子の色彩で構成されています。


第2章 フランス郊外へ

アンリ・シダネル 「森の小憩、ジェルブロワ」 
 油彩・カンヴァス 1925年 東京富士美術館

フ0291

シダネルはパリの北西の寒村だったジェルブロワに1902年に移り住んでいます。
ピクニックに来た二人の姿は無く、木漏れ日の中にグラスやお皿が残されています。

2012年に損保ジャパン東郷青児美術館では「薔薇と光の画家 アンリ・ル・シダネル展
-フランス ジェルブロワの風-」が開かれていました。

「アンリ・ル・シダネル展」の記事です。

ヴラマンクの作品が並んでいます。
フ0231

モネの風景画が4点並んでいます。
フ0259

クロード・モネ 「橋から見たアルジャントゥイユの泊地」 
 油彩・カンヴァス 1874年 三重県立美術館

フ0263

第1回印象派展の開かれた年の作品です。
住んでいたアルジャントゥイユのセーヌ川の情景で、すばやい筆捌きで
夕暮れの一瞬を捉えています。

クロード・モネ 「睡蓮」 油彩・カンヴァス 1897-98年
フ0266

1883にモネはジヴェルニーに移り住み、日本庭園を造って、
睡蓮の連作に取組み始めます。

クロード・モネ 「睡蓮」
 油彩・カンヴァス 1907年 アサヒビール大山崎山荘美術館

フ0269

モネの関心は光の表現に移るようになります。

クロード・モネ 「日本風太鼓橋」 
 油彩・カンヴァス 1918-24年 アサヒビール大山崎山荘美術館

フ0273

晩年の目が見えなくなってきた頃で、作品全体が激しく揺らめいています。

中西利雄 「森のカフェ」 水彩・紙 1931年
フ0251

水彩による心地良い色彩の洒落た風景で、女性の服と庇の赤が効いています。

中西利雄(1900-1948)は東京出身で、東京美術学校を卒業後に都仏し、
帰国後は同期の小磯良平、猪熊弦一郎らとともに新制作協会を結成しています。


第3章 パリ―ユトリロと佐伯

モーリス・ユトリロ 「モンマルトル風景」 油彩・カルトン 1917年
フ005

白の時代から色彩の時代に変わる頃の作品です。
モンマルトルの丘のサクレ・クール寺院を遠くに見上げ、階段の部分も
ていねいに描き込んでいます。
サクレ・クール寺院や空は白の時代風ですが、町並みの色合いが
明るくなっています。

ユトリロの作品は9点、展示されています。

佐伯祐三です。
フ0231

佐伯祐三 「リュクサンブール公園」 
油彩・カンヴァス 1927年 田辺市立美術館

フ006

対象に接近して描く佐伯祐三にしては珍しく、遠近を強調した作品です。
翌年にパリで客死した佐伯は、描き急ぐかのように筆を走らせています。

佐伯祐三 「工場」 油彩・カンヴァス 1928年 田辺市立美術館
フ0239

亡くなる年の作品です。

佐伯祐三の作品は7点、展示されています。


第4章 描かれ、構図となったパリとセーヌ川
    ―パリに憧れた日本人画家たちとともに

アルベール・マルケ 「ル-ブル河岸」 
 油彩・カンヴァス 1906年 ヤマザキマザック美術館

フ0241

マルケはおだやかな色調でパリの街を描き続けています。
向こうにノートルダム大聖堂が見えます。

アルベール・マルケ 「ポン・ヌフ 霧の日」 
 油彩・カンヴァス 1947年 日本テレビ放送網株式会社

フ0244

亡くなる年の作品で、 「ル-ブル河岸」から40年経っていますが、
おだやかな描き振りは変わっていません。
フランスはこの間に2度の世界大戦を経験しています。

正宗得三郎 「ノートルダム寺院」 
 油彩・カンヴァス 1915年 府中市美術館

フ0247

30台前半のパリ滞在中に夕暮れ時のノートルダム寺院を描いた作品です。
空は紅色に染まり、寺院は夕日を受けています。
正宗得三郎(1883-1962)は岡山県出身で、東京美術学校を卒業し、
2度渡欧しています。
戦後は熊谷守一や宮本三郎らとともに第二紀会(現在の二紀会)を
結成しています。


第5章 エコール・ド・パリと1920-30年代にパリで活躍した画家たち―麗しき人物

シャルル・ゲラン 「室内婦人像」 
 油彩・カンヴァス 1910-20年頃 星野画廊

フ0283

堅牢な描き方による婦人像で、セザンヌを思わせるところがあります。
シャルル・ゲラン(1875~1939)はギュスターブ・モローに学び、
またセザンヌにも傾倒していたそうです。

シャルル・ゲランの作品は横浜美術館で9月16日まで開かれている、
「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」にも展示されています。
「プーシキン美術館展」の記事です。

田中保 「裸婦」 油彩・カンヴァス 1920-30年 サトヱ記念21世紀美術館
フ0280

アカデミックの画家、カバネルの「ヴィーナスの誕生」(1863年)と同じ構図ですが、
描かれているのはマネの「オランピア」(1865年)と同じく娼婦です。

田中保(たなかやすし、1886-1941)は埼玉県出身で、単身アメリカに渡り、
そこで絵画を学んだ後、フランスに移って、エコール・ド・パリの画家の
一人となります。
華やかな裸婦像で知られていますが、パリで客死しています。

藤田嗣治 「パリ風景」 油彩・カンヴァス 1956年
フ002

道の向こう側を黒の制服、制帽の女子生徒の一団が行きます。
ベンチにはみすぼらしい身なりの母子が身を寄せて眠り、クシャクシャ毛の犬は
何かを見張っています。
西洋絵画ではクシャクシャ毛の犬は乞食生活を象徴しているそうです。
手前の飯盒は放浪の生活を想像させ、母親のがっくりと首をうなだれた姿は
置かれた境遇の苦しさを示しています。
フジタ独特のスタイルに拠りながら、心のある絵です。
藤田嗣治は、絵柄こそこれとかなり違いますが、パリに来た初期の頃からパリの
影の部分に目を向けた作品も描いています。

藤田嗣治は6点、展示されています。


他にシスレー、ルノワール、ヴァン・ドンゲン、モディリアーニ、シャガール、
キスリングなど、印象派からエコール・ド・パリにかけての作品が揃っています。
日本人画家では他に岡鹿之助、小磯良平、荻須高徳、児島善三郎など多くの
画家の作品が展示されています。

企業や個人の所蔵する作品はなかなか観ることが出来ないので、この機会に
観に行かれることをお勧めします。

展覧会のHPです。

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【2013/08/11 00:07】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(6) |
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  • やはりホテルオークラはちょっと優雅な気分を味わえます。
    私もユトリロやフジタ、佐伯など馴染み深い画家の作品をゆっくり鑑賞しました。

    【2013/08/17 20:55】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 良かったです!!
  • 行ってきました。
    涼しい中で ゆったりと好きな画家の絵を見られました。
    絵画鑑賞の楽しさをじっくりと味わいました。
    一年に一回、オークラで過ごすなんて良いですね。

    【2013/08/17 13:43】 url[まっきい #-] [ 編集]
  • コメント、有難うございます。
    地図を見ているとフランスに居る気分もちょっと味わえる、楽しい展覧会でした。
    オークラのサンドイッチとは美味しそうですね。

    【2013/08/13 23:21】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • オークラの展覧会
  • お盆休みに入った今日オークラの展覧会に行ってきました。画家達の制作場所の地図など展示に工夫が見られ面白かったです。
    別館の裏に出たら時ならぬ祭囃子。界隈のお祭りとかでシェフ帽のコック達がサンドイッチやビールを道行く人に迄振舞っていました。

    【2013/08/13 22:02】 url[マサちゃん #-] [ 編集]
  • 印象派やエコール・ド・パリの作品は親しみやすく、これだけの作品が揃うと見応えがあります。
    外は暑い日でも美術館や展示室は作品保護のため冷房が効いているので、夏の展覧会というのも良いものです。

    【2013/08/11 18:35】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 素晴らしい画家たち
  • すごく充実した内容の展覧会のようですね。
    このところすごく暑くて出かけるのが億劫ですが 行きたくなりました。

    【2013/08/11 15:31】 url[まっきい #-] [ 編集]
    please comment















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