「大倉コレクションの精華 II ―近代日本画名品選―」 大倉集古館
六本木一丁目・神谷町
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虎ノ門の大倉集古館では館蔵品展、「大倉コレクションの精華 II
―近代日本画名品選―」が開かれています。
会期は9月29日(日)までです。

大倉001


大倉財閥の二代目、大倉喜七郎は美術に造詣が深く、新進の画家たちを支援
しています。
その喜七郎が昭和5年(1930)にローマで実現させた、「羅馬開催日本美術展」に
出品された作品を中心にした展示です。

児玉素光 「山の湯」 大正15年(1926)
大倉002
 
故郷の長野県山ノ内町の温泉を描いた作品です。
湯田中温泉郷の中の地獄谷温泉でしょうか。
深い緑の中に温泉宿や長い廊下、湯気を上げる浴場が埋れています。
宿の二階には手拭が干されていて、人懐かしさを感じる情景です。


以下はローマ展出品の作品です。

横山大観 「夜桜」 昭和4年(1929)
大倉012

左隻
大倉013

右隻
大倉014

9月1日(日)までの展示でした。
篝火に浮かび上がる満開の山桜と山の端にかかる満月です。
豪華極まりない装飾画で、桜の花はおしべまで描き込んであります。
周辺を暗く描いているので、桜は吹き上がるように輝いて見えます。
ローマで特に評判の高かった作品とのことです。

宇田荻邨 「淀の水車」 大正15年(1926) 
大4-24-2010_002

淀の水車は戦国時代以来、淀城に水を汲み入れていたそうです。
アシや、タデが風に揺れ、水車は水しぶきを上げて回り、動きを感じます。
群青と緑青がひと際鮮やかで、水鳥のコサギの白と画面右下にいるバンの黒も
対照的です。
水車の複雑な構造をすっきりした線で描き込んで、装飾的な造型を見せています。

前田青邨 「洞窟の頼朝」 昭和4年(1929) 重要文化財
大4-24-2010_004

伊豆で挙兵し、石橋山の合戦に破れた頼朝主従が洞窟に篭っている場面を描いた、
前田青邨の代表作で、2010年に重要文化財に指定されています。
丸く固まって座る頼朝や土肥実平など7人の主従は、昂然とした頼朝の辺りは明るく、
周辺は暗く描かれ、緊密な画面になっています。
頼朝の赤糸威大鎧など、甲冑の表現も素晴らしく、武者たちの鎧の千切れた威糸や、
矢のほとんど残っていない箙は戦いの激しさを語っています。

筆谷等観 「春耕」 昭和4年(1929)
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9月1日(日)までの展示でした。
木々もまだ葉を付けない早春ですが、耕す人の影が遠くに見えます。
振り向いている牛の姿がのどかな、味わいの深い景色です。

酒井三良 「豊穣」 昭和4年(1929)
大倉007

夕焼け空の下、秋の収穫の状景です。
日本画の伝統の農耕図に連なる作品です。
左手に稲を掲げ、右手に鎌を持つモンペ姿の女性を力強い対角線構図で描いています。
向こうには農耕馬や子供に授乳する母親も見える、今では目にすることのなくなった、
のどかな農村風景です。

速水御舟 「鯉魚」 昭和4年(1929)
大倉010

9月1日(日)までの展示でした。
水面には墨を滲ませるたらし込みの技法が使われています。
鰭や尾を動かす様子も描かれた鯉には生気があり、白いツツジが彩りを添えています。

小林古径 「木菟」 昭和4年(1929)
大倉011

9月1日(日)までの展示でした。
紅梅の枝に止まるミミズクです。
薄墨色の中に紅梅が点々と浮かび、ミミズクの目もそれに染まったように紅く
なっています。
山種美術館で10月14日まで開かれている、「再興院展100年記念 速水御舟
―日本美術院の精鋭たち―」展には、同じような図柄で横山大観の描いた作品が
展示されています。

「速水御舟―日本美術院の精鋭たち―」展の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「描かれた都―開封・杭州・京都・江戸―」です。
会期は10月5日(日)から12月15日(日)までです。

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【2013/09/21 00:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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