「印象派を超えて 点描の画家たち」展 国立新美術館
乃木坂
chariot

六本木の国立新美術館では、「印象派を超えて 点描の画家たち」展が
開かれています。
会期は12月23日(月・祝)までです。

点0


展覧会ではゴッホのコレクションで有名なオランダのクレラー=ミュラー美術館の
所蔵する作品を中心に、スーラ、シニャック、モンドリアンやベルギー、オランダの
点描を用いた画家たちの作品など、約100点が展示されています。

I 印象派の筆触

色彩が外界の事物の再現から独立したのは印象派の筆触分割に始まるということで、
まずモネ、シスレー、ピサロの作品が数点展示されています。

クロード・モネ 「サン=ジェルマンの森の中で」 
 1882年 吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)

紅葉した森と、その中を奥に続く道が緑とオレンジ色で描かれ、輝くばかりの
色彩にあふれた、魅力的な作品です。


II スーラとシニャック―分割主義の誕生と展開

ジョルジュ・スーラ(1859-1991)は印象派から更に進めて、理論に基づく
点描による色彩分割を始めます。
純粋色の点で描く、「分割主義」という手法を考案し、色の組合わせ
による視覚的効果を追求します。
しかし、惜しくも31歳で亡くなり、その技法と理論はシニャックに
受け継がれます。

ジョルジュ・スーラ 「ポール=アン=ベッサンの日曜日」 
 1888年 クレラー=ミュラー美術館

点1

ポール=アン=ベッサンはノルマンディーにある港町です。
かっちりと組まれた静的な風景の中で、マストに翻る旗が動きを与えています。
点描による縁も描き込まれています。

ジョルジュ・スーラ 「グラヴリーヌの水路、海を臨む」 
 1890年 クレラー=ミュラー美術館

点7

グラヴリーヌはフランスの北端にある、河口の港町です。
水面を大きく取った画面構成で、こちらにも縁が付いています。

ジョルジュ・スーラ 「ダイニングルーム」 
 1886-87年 クレラー=ミュラー美術館

点6

代表作の「グランドジャット島の日曜日の午後」と似た、彫刻が並んで
いるような静的な、そしてちょっと演劇的な空間です。

ポール・シニャック 「ポルトリューの灯台」 
 1888年 クレラー=ミュラー美術館

点9

ポルトリューはブルターニュ半島の北側にある港町です。
ポール・シニャック(1863-1935)はスーラの影響を大きく受けていて、
この作品もきっちりと構成的です。

ポール・シニャック 「マルセイユ港の入口」 
 1898年 クレラー=ミュラー美術館

点10

やがてシニャックの点描は粒が大きくなり、タイルのように輝き出して、
動きのあるものになります。
朝のマルセイユ港を外から見たところで、帆船のマストが林立し、
左側にはサン・ジャン要塞が見えます。
正面に朝日が昇り、空も海も金色に輝いています。


III ゴッホと分割主義

ゴッホの作品9点を中心に、ゴーギャンやフォーヴィズムのヴラマンク、
ドランの作品が展示されています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「自画像」 
 1887年 クレラー=ミュラー美術館

点2

色彩も少なく、眉にしわを寄せた、厳しい顔の自画像です。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「レストランの内部」 
 1887年 クレラー=ミュラー美術館

点5

ゴッホは点描法も学んでいて、壁や床は点描に拠っています。
ただ、細密で根気を要する点描法はゴッホには合わなかったようです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「種まく人」 
 1888年 クレラー=ミュラー美術館

チラシに使われている作品です。
ミレーに傾倒していたゴッホがミレーの「種まく人」を元に描いた作品です。
近くを描く筆触を太くして遠近感を出し、畑の色は青と補色の橙色を
使っています。
ゴッホは毛糸を使って補色の研究をしていたそうです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「麦束のある月の出の風景」 
 1888年 クレラー=ミュラー美術館

点4

麦束も森も空も月もゴッホ特有のうねるような筆遣いです。


IV ベルギーとオランダの分割主義

ベルギー、オランダにも点描法は伝わり、特にベルギーでは多くの画家が
影響を受けています。

テオ・ファン・レイセルベルヘ(1862-1926)は点描法を取り入れ、
ベルギーの新印象派の代表者となっています。

テオ・ファン・レイセルベルヘ 「7月の朝」あるいは「果樹園」
あるいは「庭園に集う家族」 1890年 クレラー=ミュラー美術館

明るい色彩の点描により、庭でくつろぐ女性たちを描いています。

レイセルベルヘの作品は2009年に損保ジャパン東郷青児美術館で開かれた、
「ベルギー近代絵画のあゆみ展」にも展示されていました。

「ベルギー近代絵画のあゆみ展」の記事です。

他に象徴主義の画家、ヤン・トーロップやヨハン・トルン・プリッカーなど、
興味深い作家の作品が数多く展示されています。


V モンドリアン―究極の帰結

色彩分割の究極であるオランダのピート・モンドリアン(1872-1944)の作品が
8点展示されています。

ピート・モンドリアン 「赤と黄と青のあるコンポジション」 
 1927年 クレラー=ミュラー美術館

点3

色彩を白と黒と3原色に限り、直線の作る図形の中に嵌め込んでいます。


スーラ、シニャック、ゴッホ、モンドリアンの作品がまとまっていて、
ベルギーやオランダのあまり馴染みの無かった画家の作品にも触れる
ことの出来る展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2013/10/13 00:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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