『「図変り」大皿の世界 伊万里染付の美』展 泉屋博古館分館
六本木1丁目
chariot

六本木の泉屋博古館分館では特別展、『「図変り」大皿の世界 伊万里染付の美』展が
開かれています。
会期は12月8日(日)までです。

伊001


江戸時代後期に料理を盛り付けるお皿も華やかになって、直径40cm以上の
大皿も数多く作られるようになります。
染付大皿は有田で焼かれ、伊万里の港から各地に出荷されています。
絵柄は動物、植物、幾何学模様、吉祥文などさまざまで、どれもデザイン感覚に
すぐれ、自由で伸び伸びとしています。

展覧会では伊万里の染付大皿、100点以上が展示されています。

「染付猿亀龍宮文大皿」
チラシの左側です。
直径65.5cmあって、展示されている中で一番大きいお皿で、口縁が丸く
反っている珍しい形です。
竜宮の乙姫が重い病いになり、治すには猿の生肝が必要だというので、
陸に上がれる亀が猿を騙して竜宮に連れて行くお話です。
重なる波の模様、蓑亀の甲羅の亀甲文、亀の見せる竜宮の景色が一つになった、
にぎやかなお皿です。
猿は狡猾ですから亀に騙されるはずもなく、この難を逃れています。

「染付跳鯉文大皿
チラシの右上です。
渦巻く波の中で鯉が元気いっぱいに身をよじり、ヒレやエラを翻して
跳ねています。
ウロコもびっしりと描き込まれ、とぼけた目をしていて、何か得意そうです。

「染付恵比寿大橋文大皿」
チラシの右下です。
青海波模様の海、橋、松、朝日を背景に、恵比寿が釣り上げた大きな鯛を両手に
掲げて喜び踊っています。
鯛の方は不本意そうな顔です。
松や橋は「住吉のえべっさん」で有名な住吉大社を表しているのでしょうか。

「染付枇杷双禽文大皿」
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豊穣の象徴の枇杷の上には鹿の子模様で埋めた霞がかかり、空は唐草模様に
なっています。
すっきりとして、鍋島焼のような雰囲気があります。

「染付一富士二鷹三茄子文輪花大皿」
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様式的な富士、中空の鷹、茄子を浮かべた波を取り合わせた目出度い図柄です。
海は芋を洗うならぬ、茄子を洗うような混みようです。
縁には扇面を並べています。

「染付牡丹格子目文輪花大皿」
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格子目から手前に満開の牡丹がはみ出してくる、立体的なデザインです。

「染付花籠文大皿」
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西洋画風の雰囲気のある花籠が描かれています。

「染付湯上り美人文大皿」
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浴衣の襟をくつろげた湯上り美人が鏡台の前に座り、庭には菊が咲いています。

「染付相撲取組文大皿」
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三代歌川豊国の浮世絵、「鬼面山不知火の取組」を使って、皿からはみ出しそうな
相撲取りを描き、口縁を土俵で囲んでいます。
土俵には金が埋まっているということで、ご愛嬌に小判まで描き加えてあります。

「染付白象文大皿」
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大きいことでは相撲取り以上の白象を白抜きで描き、見込みを濃く塗って象の姿を
強調しています。

「染付鶴丸文輪花大皿」
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紋所にも使われる鶴丸をあしらい、羽根の先を輪花になった口縁に合わせています。

「色絵水葵双兎文大皿」
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色絵も1点、展示されています。
水葵の中にレリーフで兎を浮き出させた、豪華で可愛いお皿です。
これとまったく同じ形の染付大皿を東京国立博物館が所蔵しています。

(参考)
「染付双兎図大皿」 伊万里 江戸時代 東京国立博物館
ト0120


「琴高仙人図」 吉村孝敬 天保6年(1835)
伊011

琴高仙人は古代周時代の仙人で、ある時、弟子たちに龍の子に乗って帰ってくると
言い残して川に入り、約束の日に鯉に乗って現れます。
黄河の竜門の滝を登った鯉は龍になると言われているので、琴高仙人は確かに
龍の子に乗っていることになります。

吉村孝敬(よしむらこうけい:1769-1836)は京都の絵師で、丸山応挙の
弟子となり、応門十哲の一人に数えられています。

「鳴鶴図」 狩野養信
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狩野養信(かのうおさのぶ:1796-1846)は江戸狩野の絵師で、最晩年の弟子に
橋本雅邦、狩野芳崖がいます。

精力的に古画の模写を行なった人で、この絵も元末から明初の画家、
文正の「鳴鶴図」を狩野探幽が模写したものを更に模写したものと思われます。

他にも獅子、鳳凰、牛、日本地図、山姥金太郎、七福神、南蛮人、赤壁賦など、
どれも面白い図柄で、観ていて楽しくなります。
鑑賞用の画面ではなく、食器であることも絵付師が自由に描けた理由でしょう。


展覧会のHPです。

次回の展覧会は、特別展 「木島櫻谷 -京都日本画の俊英-」 です。

会期は2014年1月11日(土)から2月16日(日)です。

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【2013/11/22 22:39】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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