「モネ、風景をみる眼-19世紀フランス絵画の革新」展 国立西洋美術館
上野
chariot

上野の国立西洋美術館では、「モネ、風景をみる眼-
19世紀フランス絵画の革新」展が開かれています。
会期は2014年3月9日(日)までです。

モネ001

クロード・モネ(1840-1926)の作品17点を所蔵する国立西洋美術館と
19点を所蔵するポーラ美術館の共同企画により、モネの作品36点を中心に
コロー、マネからピカソまで近代絵画の作品約100点を展示する展覧会です。

「貨物列車」 1872年 ポーラ美術館
モ014

モネは1871年からパリ郊外のアルジャントゥイユに移り住んでいます。
すでにパリとの鉄道が通じていました。
煙突の林立する前を貨物列車が走って行き、手前には日傘を差してそれを
眺めている人たちがいます。
モネは特に機関車の吐く白煙を描きたかったようです。

「サン=ラザール駅の線路」 1877年 ポーラ美術館
モ005

印象派の画家たちがよく題材に選んだ場所です。
出発しようとする機関車が白煙を吹き上げる、躍動的な情景です。
手前の人物は転轍機を動かす鉄道員でしょうか。

「花咲く堤、アルジャントゥイユ」 1877年 ポーラ美術館
セ012

近景の日陰になった堤と日を受けてシルエットの浮かぶ遠景の対比です。
煙突からの煙も見え、工場の多いことが分かります。

「散歩」 1875年 ポーラ美術館
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明るい日差しの中を散歩するのは妻のカミーユと長男のジャンです。

「雪のアルジャントゥイユ」 1875年 国立西洋美術館
モ016

西洋美術館の平常展でよく展示されている、なじみのある作品です。
淡い藤色の入った雪の色に味わいがあります。

モネのアルジャントゥイユ時代の1974年に第1回印象派展が開かれています。

「ラ・ロシュ=ギュイヨンへの道」 1880年 国立西洋美術館
モ017

1878年に移り住んだ、同じセーヌ川沿いのヴェトィユの近くの風景です。
川下のラ・ロシュ=ギュイヨンを見た眺めで、木の影が長く延び、
セーヌ河の作った石灰岩の壁が連なっています。
初の個展をパリで開いて好評を得た18点のうちの1つです。

妻のカミーユは1879年に亡くなっています。

「セーヌ川の日没、冬」 1880年 ポーラ美術館
モ010

記録的な寒さで氷結したセーヌ川の氷が割れて流れる様子を捉えています。
木も葉を落とした、冷え冷えとした冬の夕方です。

「ヴァランジュヴィルの風景」 1882年 ポーラ美術館
モ018

この年にノルマンディーの海岸を訪れて描いた約100点の内の1つです。
明るい夏の光景で、遠くに見えるのはディエップの崖です。
並んだ木の向こうの景色という構図は浮世絵に倣ったものとのことです。

「エトルタの夕焼け」 1885年 ポーラ美術館
モ011

ノルマンディー海岸のエトルタには何度も訪れています。
夕暮れの残照の中で、アヴァルの門が半ばシルエットになっています。

「ジヴェルニーの積みわら」 1884年 ポーラ美術館
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1883年に更にセーヌ川の川下のジヴェルニーに移り住み、終の棲家とします。
積みわらの連作を始める以前の作品で、日光やその影の作る色彩に興味を
持っていることが分かります。

「しゃくやくの花園」 1887年 国立西洋美術館
モ019

モネはジヴェルニーの家に庭を作り、池を掘って川の水を引き、日本庭園を
模しています。
丹精こめて育てた紅い芍薬が輝いています。

「舟遊び」 1887年 国立西洋美術館
モ008

ジヴェルニーでセーヌ川に合流するエプト川での舟遊びです。
モデルは二度目の妻、アリス・オシュデの娘たちです。
水面に映る2人の影が描かれています。
1880年代後半から1890年代初期は「風景のように戸外の人物を描く」という、
年来の夢に取組んでいた時期とのことです。

「バラ色のボート」 1890年 ポーラ美術館
モ013

同じ題材ですが、競技用のような細長いボートで、手前のオールは
極端に長く伸びています。
こちらは水面下の水草の波打つ様子をびっしりと描いています。

「陽を浴びるポプラ並木」 1891年 国立西洋美術館
モ003

1891年の春から秋にエプト川の岸辺で制作した連作の1つで、
舟の上から見た景色と思われます。
並木が面白い形をつくっています。

「ルーアン大聖堂」 1892年 ポーラ美術館
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モネは1892年と翌年にルーアンを訪れて、さまざまな季節と時刻の
ルーアン大聖堂の連作33点を描いています。
この作品は夕方6時頃とのことで、上半分に夕陽が当たっています。

「セーヌ河の朝」 1898年 国立西洋美術館
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浮世絵風に画面の上から覆いかぶさっている柳も水面も風に騒いでいます。

「ウォータールー橋、ロンドン」 1902年 国立西洋美術館
モ020

1898年から1901年にかけては毎年ロンドンを訪れて、国会議事堂や
ウォータールー橋などを描いています。

「睡蓮」 1907年 ポーラ美術館
モ002

ジヴェルニーの家の睡蓮の池の連作を始めたのは1899年で、1926年に
亡くなるまでに200点以上を制作しています。
はじめは木々や太鼓橋も描いていましたが、1900年代になると水面の表現に
関心が集中していきます。
この作品では庭の木や空が映っています。

「睡蓮」 1916年 国立西洋美術館
モ001

縦横それぞれ約2mの大作です。
筆遣いは力強く自由で、描きたいように描いている感じです。


モネの作品を多数所蔵するポーラ美術館と国立西洋美術館の合同展ですから、
初期からさまざまの連作、睡蓮まで網羅されていて、とても見応えがあります。
西洋美術館で普段見慣れている作品も、全体の流れの中で観ると改めて
その魅力が分かります。

モネと比較するように、クールベ、マネ、ブーダン、ピサロ、シスレー、
ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホ、スーラ、シニャック、ドニ、
シダネルなどの絵が並んでいて、先ず遠くから眺めて、あれは誰の絵だろうと
見当をつける面白さもあります。

1889年にロダンとモネは二人展を開いているので、ロダンの彫刻が
何点か展示されています。

また、ポーラ美術館の所蔵する、エミール・ガレのガラス工芸品も
展示されています。

私は初日の12月7日の午前に行きましたが、すでにかなりの来館者で
賑わっていました。

展覧会のHPです。

西洋美術館の前庭の黄葉の中で「考える人」です。

ロ0212






次回の展覧会は「ジャック・カロ―リアリズムと奇想の劇場」展です。
会期は2014年4月8日(火)から6月15日(日)です。

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【2013/12/08 22:21】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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 12月の7日初日の朝いちに行ってきました。今までいろいろな作品を見ていますが、ポーラ美術館は未訪問で、今回の国立西洋美術館Xポーラ美術館の企画は日本人は印象派が好きでモネが一番人気との説もあり、注目の展覧会 朝いちから混んでいました。特に目についたのは? 現代風景のフレーミング ? 光のマリエール クールベ 波 ブーダン ダウラスの海岸と船 シスレー サン=マメスのロワン...
【2013/12/14 17:46】

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