「クインテット-五つ星の作家たち」展 損保ジャパン東郷青児美術館
新宿
chariot

新宿の損保ジャパン東郷青児美術館では、「クインテット-
五つ星の作家たち」展が開かれています。
会期は2月16日(日)までです。

五011


「風景」をテーマに制作し、内外の美術館の企画展や個展で継続的に
作品を発表している女性作家を選んでの展覧会です。

選ばれたのは児玉靖枝、川田祐子、金田実生、森川美紀、浅見貴子の5人です。

初日前日の1月10日に内覧会が開かれ、各作家のアーティストトークが
ありましたので、行ってきました。

撮影は美術館の許可を得てあります。

児玉靖枝さん(1961~:神戸市出身)

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「気配-萌え木」 油彩、キャンバス 2008年
五005

対象と程の良い距離のある具象により、繊細な感覚で描かれています。

トーク
「学生時代は目の前の事物の具象をやっていた。
やがて目に見える物でないものを探る抽象に進んだ。
更にそれだけでは飽き足らず、社会・世界ともっと関わりたくなり、
また具象を描くようになった。
単なる回帰ではなく、螺旋状になって戻っている。

夕暮れ時の散歩で見た冬枯れの光景、枝先の色付き、若葉の芽吹き、
それを透過する光の感覚を描いている。
自然の移ろいと自分の感覚との一瞬の出会いをキャンバスに
すくい取ることを意識している。

先ず対象を写真に撮り、写実的にキャンバスに描いてからゆるい絵具を
全面に塗り、乾かない間に自分の感覚を描き入れている。」


川田祐子さん(1962~:小金井市出身)

「祐」の字の偏は正しくは「示」です。

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「雲のアルペジオ」 アクリルガッシュ、キャンバス 2012年
五003

濃密に描き込まれた形にはリズムがあり、済んだ色彩は厚みを持っていて、
観ていて心地良さを感じます。

トーク
「スクラッチとハッチングの技法で描いている。
昔から、何も見せたいものが無い、ミニマルな絵を描いていて、
「何が描いてあるのか分からない。」と怒られもしたが、「自分には
何々に見える。」と言ってくれる人が現れたりもした。

自分の中の自然を取り出そうと思って描いていて、作品は鏡のような
ものだと解ってきた。
自然を見ていると自分のことも解るようになった。

相模原に居た時と長野に移った後では環境も違い、それは作品にも表れる。
長野には雪があり、空気も違う、それを作品の中に出したいと思った。」

川田さんの個展、「川田祐子展ー自然は鏡ー」が2月11日(火)から
3月2日(日)まで、KANEKO ART TOKYOで開かれます。
場所は千代田区岩本町2-6-12曙ビルです。

川田祐子さんのブログです。


金田実生さん(1963~:東京都出身)

50446


「湿り気に濡れる」 油彩、紙 2005年
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ふわりとして柔らかく、どこかとりとめの無い情景です。

トーク
「具体的なものを具体的に写すのではなく、空気など感じたものを
可視化することを20年来続けている。
体感だけではなく、情報が入ってくるのを元に描いた作品もある。
ポートレートのシリーズ3点は、具体的なものを描くことで抽象的な
ものを表現しようとしている。
油彩を用いて紙に描くこともある。


森川美紀さん(1963~:名古屋市出身)

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「Jiufeng」 油彩、綿布 2002年
五002

さらりとした画面の中にぽつんとした形があります。

トーク
「作品のタイトルのほとんどは自分が訪れて強く心に残った場所の地名。
抽象画のように見える部分があるが、家の配置などは正確。
その時にはあった家がやがては無くなるであろうことを思いながら、
無常感を持って描いている。

窓の桟や風通しの穴を描き入れて、その土地の風を描こうともしている。
桟や穴の向こう側に本当の自分、こちら側に社会的な自分が居るような
感覚がある。

記憶が無いと人間は生きていけない。
思いもよらない瞬間にハッと想い出す記憶を大切にしたい。
観る人は観る人の楽しかった思い出を感じてもらえると良い。

油彩は綿布にドーサを引いて描いている。
墨と水彩は紙に描いていて、すぐに乾くので決着が早いが、油彩の場合は
考え込んだりして時間がかかる。」


浅見貴子さん(1964~:埼玉県出身)

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「Trees 0903」 墨、胡粉、白麻紙 2009年
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墨を用いていますが、いわゆる水墨臭は無く、奥行きと明るい
空間性があります。

トーク
「以前は抽象画を描いていたが、それだと発展が無い気がして
今は具象を元にしている。

樹木を題材にしていて、裏から描いている。
先ず写生をドーサを引かない紙に木炭で写し、画面の手前になる
部分から点や線で描き足していく。
奥行きが生まれ、表から見た作品は左右反転しているので、
自分にとっても新鮮。

花蘇芳、山椒、錦木など、アトリエから見える木々も描いている。
点々は葉っぱにも見えるし、自分の受ける感覚でもある。

「Trees 0903」はアメリカのバーモントで見た景色で、雪の降った
ビクビク感が絵具の滲み具合がうまく合っている。

浅見貴子さんのHPです。


作品への理解が深まるだけでなく、作品解説を超えた、それぞれの方の
世界観を聴くことが出来、とても興味深いトークでした。


展覧会のHPです。


次回の展覧会は「FACE展 2014 損保ジャパン美術賞展」です。
会期は2月22日(土)~3月20日(日)です。

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【2014/01/16 22:21】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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