「板谷波山の夢みたもの―<至福>の日本陶芸」展 出光美術館
日比谷・有楽町
chariot

日比谷の出光美術館では、没後50年・大回顧、「板谷波山の夢みたもの
―<至福>の日本陶芸」展が開かれています。
会期は3月23日(日)までです。

板001


日本の近代陶芸の代表者で、陶芸家として最初の文化勲章の受章者である
板谷波山(1872-1963)の作品、約180点を展示する、本格的な回顧展です。
出光美術館の創設者、出光佐三は板谷波山と親交があり、その作品を多く
所蔵しています。

板谷波山は茨城県の出身で、号の波山(はざん)は故郷の筑波山に
由来しています。
東京美術学校彫刻科を卒業し、石川県工業学校の彫刻科の教諭として赴任し、
そこで陶芸も教えたことから自身も陶芸に打ち込むようになります。


「棕櫚葉彫文花瓶」 大正3年(1914)
波001

高さ46.2cmの大きな花瓶で、一面にびっしりと棕櫚の葉を彫り出しています。
葉と葉が重なって立体感があり、隙間には細かく雷文が彫られています。
彫刻科の出身ということで、波山は彫刻を施した作品を多く制作しています。

「葆光彩磁草花文花瓶」 大正6年(1917)
波003

板谷波山は葆光釉(ほこうゆう)といわれる、薄いヴェールのような釉薬を
掛けた技法で有名です。
器の中に光を閉じ込めているようなので、この名があります。
ゆらりと立ち上がった姿のチューリップを描いています。

波山は近代的なアールヌーヴォー調など、西洋のデザインもよく採り入れています。

「彩磁延壽文花瓶」 昭和11年(1936)
波002

青海波の地に吉祥文の桃の蕾、花、実を描いています。
波山は釉の色彩にも工夫を凝らしていて、白磁だけでも氷華磁・葆光白磁・
蛋殻磁・凝霜磁などさまざまなものがあります。

「天目茶碗 銘 命乞い」 昭和19年(1944)
波004

波山は完全主義者で、焼き上がった作品に少しでも瑕があると容赦なく
毀しています。
出光佐三は波山に頼み込んで、そのうちの幾つかを毀されないうちに
引き取ったそうです。
この茶碗もその一つで、おかげで命拾いしています。

天目茶碗は何点か展示されていますが、どれも明るく華やいだ作風です。

「椿文茶碗」 昭和38年(1963)
波005

91歳で亡くなった年の絶作で、大きな茶碗に大輪の椿と小さな蕾が
描かれています。
細密な描写の技はまったく衰えていません。

板谷波山は器作りには専門のろくろ師を使っていて、作品には完璧を
求めています。
最後はかまどの火に任せる陶芸にあって、完璧な品を造るというのは
大変なことで、波山は最後までそれを追及しています。

私が初めて板谷波山の作品を観たのはこの出光美術館で観た葆光彩で、
ガラス工芸のような繊細で優美な作品に、このような陶芸もあるのかと
驚いた記憶があります。

展覧会のHPです。





次回の展覧会は「日本絵画の魅惑」展です。
会期は4月5日(土)から6月8日(日)までです。

波006

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【2014/01/20 22:44】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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