「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」 東京国立博物館
東京
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東京国立博物館と東京都美術館の共同企画により、「日本美術の祭典」として、
東京国立博物館で「クリーブランド美術館展」「人間国宝展」、東京都美術館で
「世紀の日本画展」が開かれます。

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そのう内の、東京国立博物館で開かれている、特別展「クリーブランド美術館展
─名画でたどる日本の美」に行ってきました。
会期は2月23日(日)までです。

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アメリカ有数の日本美術コレクションで知られるクリーブランド美術館の所蔵する
日本絵画、約40件を展示するものです。


「融通念仏縁起絵巻」 鎌倉時代・14世紀
融通念仏を広めた平安時代の僧、良忍上人(1072~1132)の伝記や融通念仏の
功徳を描いた絵巻です。
念仏の功徳により地獄から蘇生した女の場面などが展示されています。

東京国立博物館本館でも京都・清凉寺蔵の重要文化財、「融通念仏縁起絵巻」の
同じ場面が展示されています。

「福富草紙絵巻」 室町時代・15世紀
福富という男が、自在に放屁する芸で財を得た隣人の秀武をうらやんで、
貴人の前で真似をしたところ、粗相をしてしまい、散々に打たれて追い出される
という話です。
血が噴き出し、着物は破れて逃げ帰る男を、道行く人も容赦なく笑っています。
愚か者に対する痛烈な嘲りを観て取れます。

2012年にサントリー美術館で開かれた、「お伽草子 この国は物語にあふれている」
展には京都・春浦院所蔵の重要文化財、「福富草紙絵巻」が展示されていました。

「お伽草子 この国は物語にあふれている」展の記事です。

「霊昭女図」 春屋宗園賛 室町時代・16世紀
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霊昭女は唐時代の仏教者、龐(ほう)居士の娘で、竹籠を売って両親に
孝養を尽くしたとされています。
ふっくらとした髪やほつれ、目の表現などきわめて巧みで、作者が優れた
肖像画家であることを示しています。

春屋宗園は臨済宗の僧で、大徳寺に三玄院などを建立しています。
また、親交のあった石田三成が関ヶ原の戦いに敗れ、処刑された後、
その遺体を三玄院に埋葬しています。

「龍虎図屏風」 雪村周継筆 室町時代・16世紀
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6曲1双の屏風で、波から湧き上がる龍と、風の中の虎です。
龍も虎もどこかユーモラスな感じがします。

「蘭亭曲水図」 曽我蕭白筆 江戸時代・安永6年(1777)
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永和9年(353)に王羲之は別荘に41人の客を招いて曲水の宴を開き、
その場で詠まれた詩による詩集を編んで、有名な「蘭亭序」を添えます。
その宴の模様を描いたことになっていますが、人物は点景の様に小さく、
蕭白は山水そのものを描きたかったようです。

「大空武左衛門像」 渡辺崋山筆 文政10年(1827)
大空武左衛門(1796-1832)は熊本細川家のお抱え力士で、身長は7尺3寸
(約221cm)もあったそうです。
両刀を差した立ち姿を実物大に描いていて、手や足に比べて頭を少し
小さくして、見上げる感じを出しています。

「地獄太夫図」 河鍋暁斎筆 明治時代・19世紀
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地獄太夫は室町時代の遊女で、山賊にかどわかされて堺に遊女として
売られますが、現世の不幸は前世の行ないの故であるとして、
着物には地獄変相図を刺繍していたそうです。
一休宗純とも親交があったということです。
帯には遊ぶ唐子と布袋様が描かれています。

「雷神図屏風」 「伊年」印 江戸時代・17世紀
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「伊年」印が捺されていることから俵屋宗達の工房の作と分かります。
雷神が画面上に少しはみ出して動きを見せているところなどは、
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」と同じです。
6曲1隻の屏風で、おそらく右隻の風神図もあったのでしょう。

「佐野渡図」(部分) 江戸時代・17世紀
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  駒とめて袖うち払うかげもなし佐野の渡りの雪の夕暮れ

俵屋宗達の工房の作と思われる絵で、藤原定家の歌に拠っています。
降る雪に行き悩む人馬の様子が情感を持って描かれています。
たらし込みを用いて連銭芦毛を思わせる馬の毛色を巧みに表しています。

「燕子花図屏風」 6曲1双 渡辺始興筆 江戸時代・18世紀
尾形光琳の「燕子花図屏風」に倣っていますが、燕子花の茎の上半分だけを描き、
霧の中に浮かぶような状景にしています。
渡辺始興(1683-1755)は狩野派、大和絵の様式の絵を描き、尾形光琳にも
師事したとされています。

「蔦の細道図屏風」 6曲1隻 深江蘆舟筆 江戸時代・18世紀
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「蔦の細道」は伊勢物語第9段の、男が東下りの途中、宇津の山で知り合いの
修行者に出会い、都に残した女に送る歌を託するというお話です。
笈を背負った修行者の姿も見えます。

  駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人に逢わぬなりけり

深江蘆舟(1699-1757)は尾形光琳に師事したとされる、琳派の画家です。


洋画のコレクションの中からも特別に4点、出展されています。

「トラとバッファローの戦い」 アンリ・ルソー 1908年
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ルソー独特の南国の状景で、バナナの木の下の牛虎図です。

他にモネ、ベルト・モリゾ、ピカソが1点ずつ展示されています。


平安から明治まで各時代を特徴付ける作品の揃った、見応えのある展覧会です。
会期が2月23日(日)までと短いので、早めに行かれることをお奨めします。

展覧会のHPです。

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【2014/01/22 22:36】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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【2014/01/29 21:23】

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