「IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器」展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では、「IMARI/伊万里 ヨーロッパの
宮殿を飾った日本磁器」展が開かれています。
会期は3月16日(日)まで、休館日は火曜日です。

伊万里001

江戸時代、佐賀県の有田で焼かれた磁器は伊万里港から出荷された
ことから伊万里焼と呼ばれていました。
オランダ東インド会社はこれを世界各地に輸出し、ヨーロッパの
王侯貴族たちに喜ばれています。

展覧会では、日本初公開の大阪市立東洋陶磁美術館所蔵の輸出伊万里を
中心に約190点が展示されています。

オランダ東インド会社は中国から景徳鎮の磁器を輸出していましたが、
明末清初の動乱や清の海禁政策により生産が激減したため、
これに代わるものとして日本の有田の磁器を選びます。
本格的に伊万里焼として輸出が始まったのは万治2年(1659)です。

初めは景徳鎮の製品に似た製品などを作っていて、染付の割合が
高くなっています。


「染付芙蓉手蓮池水禽文輪花大皿」 
 江戸時代・1660 ~ 1670年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

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芙蓉手(ふようで)といわれる、円周を8つに分割する図柄は
景徳鎮でよく描かれています。


「染付大根文皿」 
 江戸時代・1660 ~ 1670年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

伊003

国内向けの図柄の製品も輸出されています。
こちらは雅味のある、和風のデザインです。


『染付鳳凰文皿(「VOC」銘』 
 江戸時代・1690 ~ 1710年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

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オランダ東インド会社のマークのVOCの文字が入っています。


「色絵花卉文輪禍花鉢」 江戸時代・17世紀後半 サントリー美術館
伊004

有田では柿右衛門様式が完成し、鮮やかな色絵磁器となって輸出されます。

ヨーロッパでは伊万里焼で宮殿を飾ることが王侯貴族の間で流行し、
やがてマイセン磁器の誕生を促します。

「色絵花鳥文八角大壺」 
 江戸時代・1680 ~ 1710年代 有田窯 サントリー美術館 重要文化財

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金彩の入った中国風の壺の窓に柿右衛門様式の絵が描いてあります。

「色絵楼閣山水人物文水注、碗・皿(五客)」 
 江戸時代・1690 ~ 1720年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

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清潔な白に色絵の華やかさが添えられています。
輸出品で最も多かったのはカップとお皿だったそうです。
この頃はまだカップに取っ手が付いていません。
お皿とセットにするのはトルコからヨーロッパに入った習慣とのことです。
王侯貴族の間では東洋の陶磁器で中国のお茶を飲むのが流行していました。

「色絵龍虎文大壺」 
 江戸時代・1700 ~ 1740年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

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和風の扇形や短冊の図柄が入っていて、蓋のつまみには鷹が止まっています。
黒い絵付けは海外で人気の高かった漆器の黒漆をイメージしたものです。

「色絵透彫楼閣人物文八角大壺」 
 江戸時代・1700 ~ 1730年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

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精巧な透かし彫りがされ、窓には日本の男女、馬、桐。菊などが描かれています。

「色絵相撲人形(二組)」 
 江戸時代・1680 ~ 1710年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

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白の素地を利かした人形で、錦のまわしを締め、力のこもった相撲を取っています。

「色絵ケンタウロス文皿」 
伊010

ヨーロッパの図柄を取り入れた製品もあります。
たしかにこれはケンタウロスです。

1730年代に清の海禁政策が解かれると、景徳鎮は輸出を再開します。
これに対抗して、有田では浮世絵や美人図など、和風の図柄を積極的に使います。

「色絵傘美人文皿」 
 清時代・1730 ~ 1740年代 中国・景徳鎮窯 佐賀県立九州陶磁文化館

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オランダ東インド会社の注文による、中国風の図柄です。

「色絵傘美人文皿」 
 江戸時代・1730 ~ 1740年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館

伊012

有田で焼かれた類似品だと、これが日本風の美人図になっています。
従者を小さく描くのは日本の絵巻物などによく見られる手法です。

景徳鎮の方でも伊万里焼を写した製品を作っています。

「色絵竹梅菊鳳凰文角皿」 
 江戸時代・1700 ~ 1730年代 有田窯 佐賀県立九州陶磁文化館

伊013

金襴手で、菊の模様に梅、鳳凰などが描かれています。

「色絵竹梅菊鳳凰文角皿」 
 清時代・1730 ~ 1750年代 中国・景徳鎮窯 佐賀県立九州陶磁文化館

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景徳鎮が写したものは白い空間を埋めるように、鳳凰の位置をずらしています。

やがて伊万里焼は競争力を回復した景徳鎮に敗れ、宝暦7年(1757)に
公式な輸出は終わっています。

中国の様式、西洋の趣味、日本の感性の交じり合った伊万里焼の魅力を味わえて、
楽しめる展覧会です。

展覧会のHPです。





サントリー美術館の次回の展覧会は、「のぞいてびっくり江戸絵画」展です。
会期は3月29日(土)から5月11日(日)までです。

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