「法隆寺―祈りとかたち」展 東京藝術大学大学美術館
上野
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上野の東京藝術大学大学美術館では、「法隆寺―祈りとかたち」展が
開かれています。
東日本大震災復興を祈念し、新潟県中越地震復興10年を期しての展覧会で、
会期は6月22日(日)までです。

法001


飛鳥時代から南北朝時代にかけての法隆寺の彫刻、絵画、工芸品約50件や、
法隆寺を題材とした近代の美術作品が展示されています。
また、岡倉天心の活動を通じての法隆寺と東京美術学校の関係も
紹介されています。

「菩薩立像」 飛鳥時代(7世紀) 重要文化財
法003

像高約57㎝の金銅仏で、飛鳥仏らしい左右対称の姿で角ばった
お顔をしています。

同じ上野の東京国立博物館の法隆寺宝物館には法隆寺の飛鳥物仏が
約30体が展示されているので、併せてご覧になると良いでしょう。

法隆寺宝物館の記事です。

「天人(金堂天蓋附属)」 飛鳥時代(7世紀) 重要文化財
法004

高さ約50㎝の木像で、琵琶や笛、太鼓で楽を奏する天人の
一人が蓮の花に乗ってシンバルのような楽器を持っています。
金堂再建後間もない頃の作で、金堂内陣の天蓋に取り付け
られていました。
創建時の法隆寺は一度火災で焼失しており、現在の伽藍は
再建されたものとされています。

「毘沙門天立像」 平安時代 承暦2年(1078) 国宝
法011

像高約120㎝の像で、金堂釈迦三尊像の脇に置かれています。
甲冑を着け、右手に宝塔、左手に宝棒を持っていて、
彩色や切金、金箔が残っています。
後に七福神の一人になる福の神であり武神でもありますが、
表情は穏やかです。

「吉祥天立像」 平安時代 承暦2年(1078) 国宝
法012

夫とされる毘沙門天立像とともに釈迦三尊像の脇に置かれています。
左手に宝珠を持った姿で、赤の彩色もかなり残っています。

「阿弥陀如来坐像(三経院)」 平安時代(12世紀) 重要文化財
「広目天立像(三経院)」 平安時代(12世紀) 重要文化財
「多聞天立像(三経院)」 平安時代(12世紀) 重要文化財

法002

三経院は聖徳太子ゆかりの勝鬘経・維摩経・法華経の三経を
講ずる道場です。
阿弥陀如来は丸顔でやさしい雰囲気のお顔です。
左が広目天で筆を持ち、右が多聞天です。
毘沙門天は四天王の一尊としては多聞天と呼ばれます。

「蓮池図」 鎌倉または中国南宋時代(13世紀) 重要文化財
法013

岡倉天心は明治17年(1884)にフェノロサらとともに関西の古社寺を
調査し、秘仏とされた夢殿の救世観音はこの時に巻かれていた布が
はずされたということです。
天心は奈良古社寺調査手録を残していて、この屏風を「大作妙品」と
高く評価しています。

「法隆寺金堂壁画模写」 鈴木空如 秋田県大仙市蔵
法005

秋田県出身の画家、鈴木空如が明治から昭和にかけて独りで
金堂壁画を模写しています。
正確な模写を超えて、欠落部分を補うように描いています。

「金堂落慶之図」 和田英作 大正7年(1918
法006

法007

横418㎝の大きな油彩画で、金堂落慶の様子を描いていて、
絵師が貴人たちに壁画を説明しています。
後ろで頬に手を当てているのは和田英作自身のように見えます。

和田英作(1847-1959)は東京美術学校の校長も勤めた洋画家で、
昭和14年に始まった金堂壁画の保存調査では、安田靫彦が日本画による模写を
主張したのに対し、和田英作は油彩による模写を主張したそうです。
油彩による模写というのは想像もしませんでしたが、当時はそういう考え方も
あったようです。

他にも法隆寺や聖徳太子を題材にして、安田靫彦・吉田善彦・杉山寧らの
描いた作品が展示されています。
法隆寺の持つ1400年の歴史の長さと、近代現代へと続く影響の大きさを
感じさせる展覧会です。

展覧会のHPです。


同じ東京藝術大学大学美術館の陳列館では同じく6月22日(日)まで、
「別品の祈り-法隆寺金堂壁画-」が開かれています。
入場は無料です。

法008


会場2階には、最新の技術で全面原寸大で復元された焼損前の法隆寺金堂壁画が
展示されています。
朱塗りのエンタシスの柱に挟まれ、実際の金堂と同じ配置に並べられていて、
往時の姿を偲ぶことが出来ます。
1階では8Kプロジェクターを使って法隆寺金堂をテーマにした映像作品が
上映されています。
会場には楽の音が流れ、ひととき浄土世界に遊ぶような心地になります。

法隆寺金堂壁画 第六号壁 焼損前復元
法009

阿弥陀浄土を表しています。

法010

私はむかし、第六号壁の観音菩薩像のパネルを長く飾っていたこともあり、
思い入れのある壁画です。

法隆寺金堂壁画は昭和24年(1949)に焼損してしまいましたが、安田靫彦・
前田青邨・橋本明治・吉岡堅二の率いる4班の日本画家たちによって
以前の姿に復元模写されました。
7世紀に描いた画工の技は日本画という形で今に伝わっていることを思います。


奏楽堂前の公園には東京藝術大学の学生の彫刻作品が作品が置かれていて、
時々、取り換えられています。

阿形と吽形になっています。

芸IMG_0686 - コピー


阿形のライオンです。

芸IMG_0688 - コピー


ユダヤ教で用いられる七枝燭台が彫ってあります。

芸IMG_0691 - コピー

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【2014/05/17 20:30】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • 周凍さん、こんにちは。
  • コメント、ありがとうございます。
    私は学生の時に初めて法隆寺に行きました。
    回廊に囲まれた金堂や塔を見た時の印象を今でも覚えています。
    ブログは自分の記録と勉強のつもりもあって、書き続けています。
    これからもよろしくお願いいたします。

    【2014/05/18 17:30】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • おはようございます。
  •  はじめまして、周凍と申します。
     いつも東京での展覧会情報やカフェ紹介を楽しく拝見させていただいております。先日、東京藝術大学大学美術館のアーカイブから画像を拝借した折りに私もこの展覧会の事を知りました。子供の頃に何度か連れて行ってもらったお寺です。もちろん当時は堂内の仏像などには興味はありませんでした。
     人が多いのは苦手ですが、いつも何処かで何かしらの素敵な展覧会が開かれている東京、やはり羨ましいです。

     私の所へも良く足を運んで下さり、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

    【2014/05/18 07:31】 url[周凍 #ghTpOKX6] [ 編集]
    please comment















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