「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」 ブロガー特別内覧会 森アーツセンターギャラリー
六本木
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六本木の森アーツセンターギャラリーでは
「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」が開かれています。
会期は6月29日(日)まで、会期中は無休です。

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5月20日にブロガー特別内覧会があったので行ってきました。

2009年から2010年にパリのオランジュリー美術館で開かれた、「モデルとなった子どもたち」展を
日本向けに再構成した展覧会です。
森アーツセンターギャラリー・エキジビション・ディレクターの中山三善さんのギャラリートークを
交えての内覧会でした。

写真は美術館の特別の許可を得て撮影したものです。

会場入り口にはレゴブロックで作った、アンリ・ルソーの「人形を抱く子ども」が置いてあります。

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右:アンリ・ルソー 「人形を抱く子ども」 1904-05年頃 オランジュリー美術館
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とても存在感のある作品で、展覧会のポスターなどにも使われています。
ルソーは子どもの絵を4点描いているそうで、そのうちの1点は2010年に世田谷美術館で
開かれた、「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展に展示されていました。
人形と花と一緒に描く画面構成は同じです。

「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展の記事です。


右:レイモン・レヴィ=ストロース 「子どものクロード・レヴィ=ストロース、あるいは
 木馬の三輪車にまたがる子どものクロード・レヴィ=ストロース」 
 1912年 プティ・パレ美術館

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モデルのクロード・レヴィ=ストロース(1908~2009)は後にフランスを代表する思想家となります。
4歳頃の独り息子のクロードを描いたものですが、たしかに賢そうな顔をしています。

右:シャルル・ブラン 「ジェルメーヌ・ピショの肖像」
 1881年 ポワティア、サント=クロワ美術館

左:ウジェーヌ・デュレンヌ 「身だしなみ」 1901年頃 グラース国際香水博物館

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アカデミズムの画家のブグロー風に描かれた、如何にも可愛げな女の子です。


洗面台で一心に身づくろいしている可愛い瞬間を捉えています。


右:アンリ・ジュール・ジャン・ジョフロワ 「教室にて、子どもたちの学習」 
 1889年 パリ、フランス国民教育省

左:ベルナール・ブーテ・ド・モンヴェル 「ヌムールの寄宿舎」
 1909年 ブーローニュ=ビヤンクール、1930年代美術館

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教室でスモックを着た男の子たちがペンを使って書き取りの練習をしていて、
机にはインク壷が埋め込まれています。
一番後ろの席は年少の子どもたちのようで、石板を使っています。
作者は小学校に勤めていたこともあるとのことで、子どもたちの生態を良く捉えています。

この絵はフランス国民教育省の大臣控室に飾ってあるそうで、フランスで義務教育が
本格化するのは19世紀後半のことで、義務教育の始まりを示す記念の意味がある
作品と言えます。


ヌムールはパリ近郊の町です。
黒の制服の女子生徒たちが先生に連れられ、背の順番に並んで行進しています。

2013年にホテルオークラ東京で開かれた、「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち」展に
展示されていた、レオナール・フジタの「パリ風景」にも同じような制服の女子生徒が
描かれていました。

「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち」展の記事です。


右:ベルト・モリゾ 「犬を抱く娘」 1886年 個人蔵

左:ピエール=オーギュスト・ルノワール 「ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども」
 1887年 オルセー美術館
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印象派の画家、ベルト・モリゾはマネの弟、ウージェーヌ・マネと結婚していて、
1879年にジュリーが生まれています。


少し憂いのある表情のジュリーに抱かれた猫は気持ち良さそうに眠っています。
ルノワールが少女と猫というモチーフで描いた作品は2013年に三菱一号館美術館で開かれた、
「奇跡のクラークコレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作―」展にも1点、
展示されていました。

「奇跡のクラークコレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作―」展の記事です。

ジュリーが16歳のとき、父母が亡くなり、ルノワールたちはジュリーの後見人になっています。
ルノワールも自分の子どもをモデルに多くの作品を描いています。


右:ピエール=オーギュスト・ルノワール 「ジャン・ルノワールの肖像」 
 1899年 リモージュ美術館

中:ピエール=オーギュスト・ルノワール 「道化役のクロード・ルノワール」
 1909年 オランジュリー美術館

左:ピエール=オーギュスト・ルノワール 「遊ぶクロード・ルノワール」
 1905年頃 オランジュリー美術館

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後に映画監督となる長男のジャンがモデルです。
女の子の服装をしていますが、これは幼児期は女の子の方が丈夫なので、
この時代は男の子にも女の子の服装をさせる風習があったことによるものです。


三男のクロードがモデルで、3人の中ではクロードが最も多くモデルを務めています。
クロードはこの衣装が嫌いで、モデルになると半日学校を休めることだけが
嬉しかったそうです。


右:クロード・モネ 「青いセーターを着たミシェル・モネ」 1883年 マルモッタン・モネ美術館

中:クロード・モネ 「玉房付の帽子を被ったミシェル・モネの肖像」 
 1880年 マルモッタン・モネ美術館

左:クロード・モネ 「ジャン・モネの肖像」 
 1880年 マルモッタン・モネ美術館

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最初の妻、カミーユとの間に出来た長男のジャンと次男のミシェルです。
家族のポートレートとして自分用に描いているので、簡潔な描き方です。
ジャンはモネの代表作、「日傘の女性、モネ夫人と息子」(1875年)にも描かれています。

子どもを描いた画家と言えばモーリス・ドニで、ドニの作品は6点展示されています。


右:モーリス・ドニ  「リザール号に乗ったドミニック」 1921年 個人蔵

中:モーリス・ドニ  「トランペットを吹くアコ」 1919年 個人蔵

左:モーリス・ドニ  「ボクシング」 1918年頃 個人蔵

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どれも個人蔵で、描かれた子どもたちの子孫が所蔵しているのでしょう。

ドニの子どもたちを描いた作品は2011年に損保ジャパン東郷青児美術館で開かれた、
「モーリス・ドニ―いのちの輝き、子どものいる風景」展に展示されていました。

「モーリス・ドニ―いのちの輝き、子どものいる風景」展の記事です。


右:ポール・セザンヌ 「芸術家の息子の肖像」 1881-82年 オランジュリー美術館
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独り息子のポールがモデルですが、他の画家の作品と違って、あまり子どもの可愛さを
表現していません。
セザンヌはモデルになった画商が動くと、「リンゴが動くか!」と怒ったそうですが、
リンゴを描くような冷静な目で見て描いたのでしょう。


右:エドゥアール・ヴュイヤール 「クロード・ベルネーム・ド・ヴィレールとその母」 
 1905-08年 オルセー美術館

左:エドゥアール・ヴィヤール 「ジュヌヴィエーヴ・ベルネーム・ド・ヴィレール」 
 1919-20年 オルセー美術館

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私が気に入ったのはヴィヤールの2点です。
ヴィヤールの絵を扱っている画商の子どもたちを描いていて、鈍い金色に輝き、
ざっくりとした筆触が心地良い作品です。


ダヴード・エンダディアン 「ヤシャール=アザールの肖像」 1986年 個人蔵
ダヴード・エンダディアン 「ネガールの肖像」 1994年 個人蔵


横向きの姿の息子と娘を室内の光の中で写実的に描いています。
ダヴード・エンダディアンはイラン出身で、静かで誠実な描きぶりです。

他に、ピカソ・マティス・パスキン・キスリング・ドラン・レンピッカなどの作品もあります。

会場の最後に展示されているのはレオナール・フジタの作品、2点です。


レオナール・フジタ 「フランスの48の富」 1960-61 パリ市近代美術館

小さい子どもたちが化学者、猟師、コック、画家などさまざまな職業人に扮しているのを
48枚の小さな板に描いてあります。
フジタには子供がいませんでしたが、子ども好きで、戦後再びフランスに渡ってからは
子どもを題材にした作品をよく描いています。


それぞれの画家の子どもとの係わり、子どもへの愛情が伝わって、見所の多い面白い展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2014/05/24 21:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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